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魔女と呼ばれた少女 -少女は死体の山で1人笑う-  作者: ひとりぼっちの桜
【第7章】 一夜で滅んだ村

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13 3ヶ月前(8)

クリックありがとうございます(^^♪学生時代『全員参加』は自分以外を指している言葉だと思っていたで有名、ひとりぼっちの桜ですwまぁこんな私だからマリアンヌを書けるのかも知れませんね(笑)

皆さんの職場や学校で「えっ、それって俺も入ってるんですか?」って真顔で言っている人がいたら、その人には優しくしてあげてください。たぶん私の系譜を継ぐものですw


では今回のお話もどうぞお楽しみください(^^)



 既にマリアンヌによって心が折れている右大臣。

 彼は力なく語る。


「ファゴット際での1件以降、皇帝陛下のマリアンヌ皇女殿下に対する怒りは収まることを知らず、連日怒り狂っておりました。そしてつい先日、私と左大臣の両名は王の間に呼び出されました。内容は近々行われる予定だった、皇族の方々の慰問いもんについてです」


 慰問? ああ、確か、定期的に戦場の騎士達を皇族が激励に行くあれか。

 くだらないから毎回アールやロキに押し付けていたが…

 あ~あれね。うん、今回もサボるか。


「今回は年齢問わず王位継承権を持っている全員参加のむね。出発するのは予定通り3ヵ月後、そして」


 ちょっと待て、全員参加にわれは入っているのか?

 入ってないよな?

 われ以外だよな?

 嫌だぞ、もう外に出るの。


「マリアンヌ皇女殿下の行き先の変更」


 うわ~、われも~?

 しかも遠く辛い劣悪な場所への慰問いもんって…


 無理だ。


「マリアンヌ様が向かわれる場所ですが、まだ調整段階ですが…おそらくバ・ラン地方のサンティエールになるかと」


 何処どこだよそれ?

 地方って言ってるぐらいだから田舎だろうが。

 無理だぞ、われに田舎の環境など生き抜けるわけが無い。

 そんな劣悪な環境にわれを送ろうとするなんて…。


 許せん。

 どうしても慰問に行くなら、われの行く場所は馬車で5分以内の所にしてもらいたい。


「ふむ」


 マリアンヌはあごに手をやると、まるで今右大臣が言った事をほとんど知っていると言わんばかりに相づちをうつ。

 だが、その時、右大臣がマリアンヌの表情を見てきた。

 この情報を知っているのか?という探りを入れる目で。

 右大臣からすると自分の情報を漏らした人間の特定に少しでも情報が欲しかった程度の感情だったが…。


 視線の違和感を瞬時に感じ取ったマリアンヌ、危険と判断し咄嗟とっさに口を開いた。


「ちょっと待て、右大臣。われの調べだと、われの行く場所はバ・ラン地方にほぼ決まっていると聞いているぞ。なぜ調整段階とごまかすような言い方をする?」


 そしてそっと唇に手を当て、無言で何かを考えている”フリ”をするマリアンヌ。

 逆に疑いの眼差しを右大臣に向けて…。


「まさか…右大臣、お前」

「違います!!決してマリアンヌ皇女殿下をたばかってなどおりません!!本当に、本当にまだ調整段階なんです!まぁ確かに…ほとんど決まっておりますが、、」


 ほら、ごまかせた。

 疑いを持った人間に対して、逆に疑いをかける事によって自分の疑いを晴らす。

 そして圧力を用いた交渉。

 ちょろいな。

 これで右大臣は今後、嘘を付こうなどと考えぬだろうよ。


 マリアンヌは不満そうに腕を組み、心の中でほくそ笑む。

 一方、そんなマリアンヌの手の平で踊り続ける右大臣。

 もう既に内通者、裏切り者を探そうなどという気は消え去り、必死に頭を振った。


「私は嘘は付いていません!本当です!」

「……」


 更に両手を合わせて懇願する。


「本当です!どうか!!私の秘密だけは!!お願いします!!」

「…ふぅ、まぁいいだろう。で?」

「はい、ご存知の通りバ・ラン地方は完全なアトラス領で紛争が激化している場所です」


 アトラス領だと!?

 紛争だと!?


「しかもマリアンヌ様にはプルートの兵を使わせない、そ、そこにいるカーナのみ、同行を許すようにすると」


 はぁ!?

 嘘だろ!!

 われはカーナを連れてそこに何しに行くの!?

 何の嫌がらせだよ!!


 ちょっとマリアンヌにとっては、刺激の強いワードの連続で感情を表に出さないのは難しくなってきた。

 そんなマリアンヌに右大臣は目を細める。


「え~と、マリアンヌ様?このことは…ご存じなかったのですか?」


 大した意味の無い、ただの質問だった。

 少なくとも右大臣にとっては…。

 だがマリアンヌはそうは捉えなかった。

 苛立いらだっている所に太った豚からの疑惑のこもった文言。


 大きな舌打ちと窓ガラスを強く叩く音が重なる。


「知っているに決まっているだろ。改めて聞いてイラついているだけだ。一々(いちいち)こちらの反応を見ようとするな!不愉快だぞ!それとも今からお前のさらった子供達の事を言いふらされたいのか?そうなら望みどおり今から町中で言ってきてやる。カーナ、行くぞ!」

「なるほど!スイマセン!もう、もうしませんので!」 


 マリアンヌは視線で右大臣の続く言葉をうながす。


「…で?」

「あとロキ様の行き場所の変更すると皇帝陛下は仰いました」


 われだけではなくロキの場所も変更?


「ふむ、それは知っているが…。うむ、何を隠そう、われが今日ここに来たのはその理由が聞きたかったからだ」

「ああ、なるほど。確かに皇帝陛下はマリアンヌ様の慰問場所の変更と同時にロキ様の変更場所も決めておいでだったようですからね」


 決めていた…。

 ということは、現在、ロキの変更場所もほぼ決まっているのか。


「うむ、ロキの場所をなぜ”あのような”場所に変更をしたんだろうな」

「ええ、私もロクール地方のアミアンに変更したと聞いた時、あんな情勢が安定したプルート兵がほとんどいない場所に慰問に行く意味が無いと思いました」


 ロクール地方、アミアン…。


「そう、ロクール地方のアミアンに変えた理由がわれも分からなくてな。別に前の場所でもいいのに。そこでお前の意見を聞きたいのだ」

「私も変更理由までは聞いておりません」

「そんな事は知っている」


 知らないけど。

 なんならロクール地方自体よく知らないけどな。


「お前の意見が聞きたいのだ」

「マリアンヌ皇女殿下の参考になるかは分かりませんが、1つ疑問に思ったことがあります」

「ほぅ、申してみよ」

「皇帝陛下は変更場所を私と左大臣に申し付けた後、私にだけこうおっしゃいました。『折をみてロキにだけこの情報を自然に降りるようにしろ』と」

「それは初耳だな」


 面白い話を聞いたと目を輝かせるマリアンヌ。


「他に指示は?」

「ありません」

「本当に慰問の行き先の話だけを伝えろと言ったのか?」

「はい、もちろん。あ~あと念押しされたのは”自然にロキ第2皇子が知ったようにしろ”と」


 自然に…ねぇ。


「で、お前はいつこの事をロキに伝えるつもりなのだ?」

「タイミングについては皇帝陛下から特段何も言われておりませんので、私のタイミングで言おうと思っています」

「具体的には?」

「マリアンヌ様の行かれる予定のバ・ラン地方のサンティエールが確定した時点、おそらく今月中には」

「なるほどな」


 右大臣は言うべき事を全て言い終えたと口を閉ざす。

 一方、マリアンヌは考える。



 いったいこれはどういう事だ?

 なぜロキにだけ伝えようとする…?

 ロキに伝えることで、われに伝わる可能性は…まぁ無いとしても。何かの拍子でロキがわれとの言い争い中に口を滑らす可能性もある。

 そんな可能性を秘めたことをわざわざ右大臣に指示してまで教えようとする理由は。


 ………

 ……


 う~~む~分からぬ。

 パッとは思いつかない。

 情報を精査して分析する時間が欲しいところだな。

 よし、この案件に関しては一度持ち帰り、部屋にてゆっくり考えよう。


 だがとりあえず今やらなければならない事は。


「右大臣。ロキに伝えるタイミングだが、われが判断する。われが言ったらロキに伝えろ。分かったな?」

「は、はい、了解いたしました」



”慰問”

”バ・ラン地方”

”サンティエール”

”アトラス領”

”紛争地帯”

”ロキの場所を変更”

”ロキの行く場所は慰問に行く理由が無い”

”ロキだけに慰問の情報を与える”



 十分だな。


 右大臣の言葉口から必要なワードを全て取り終えたと判断したマリアンヌ。

 スーと椅子から腰を上げた。


「ではわれはそろそろ帰るが、右大臣これらの本は貰ってゆくぞ」

「え?」


 後ろ手で指差された方向には、いつの間に手にしていたのか、カーナが10冊ほどの本を抱え持っていた。

 冷や汗と脂ぎった顔は頷く。


「あ、ど、どうぞ、お持ちになってください」

「うむ、では邪魔したな右大臣。 あ~そうそう」


 やっと帰ってくれる、そんな安堵した右大臣に悪戯いたずらっぽく流し目を寄せ、マリアンヌは微笑んだ。


「”また来るから”その時までに蔵書を補充しておけ。内容に関してはお前に一任する、お前は書籍を選ぶセンスが良いからな」


 そう言い残して今度こそマリアンヌは右大臣に背中を向けると、堂々とした足取りで秘密の書庫から出て行く。

 因みに後を追従するカーナの去り際の横顔が、右大臣の目には今にも切りかかってきそうな殺人鬼にしか見えなかった。


 ドアが閉まり再び静寂を取り戻した書庫。


 右大臣は呟いた。


「また……来るの?」



閲覧ありがとうございましたm(_ _ )mどうですか?今回のお話で色々見えてきましたか?次回、マリアンヌは核心部分に考えが達するので皆さんも考えてもらえると嬉しいです(^・^)♪ヒントとしては皇帝の性格はマリアンヌに近い、かな~。まぁマリアンヌの方が酷いですがw

では、また次回お会いしましょう(^^)/~~~

因みに今回のお話を読んだ後、『第136部分 04 ロキの策略 』のロキの台詞「何を隠そう、1ヶ月ほど前にこの情報を得ました。いかに早く情報を手に入れるかも、皇帝になる資質の1つだと考えておりますので」を読むと少し不憫に思えてきましたw




最近 「ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン」にハマってます^m^

アニメを観ていると止まらなくなってきます♪それでふと思ったのですが、ピト・フーイって『神崎エルザ』かな(?n?)って思ったんですよ。私、原作を読んでないので真実は知らないんだけど、第1回スクワットジャムでピトが欠場した日って確か神崎エルザのライブの日だったと思うんですよね…(-_-;)レンもチケットが取れなかったって言ってたし…。あとピトが社長業は無理だろって思うしねwそしてたぶんエムさんは神崎エルザのマネージャーですよ、マネージャの頭文字Mですよ(笑)

さて当たっているか楽しみです♫

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