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魔女と呼ばれた少女 -少女は死体の山で1人笑う-  作者: ひとりぼっちの桜
【第7章】 一夜で滅んだ村

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04 ロキの策略

クリックありがとうございます(人´∀`).☆.。新アニメ「ウマ娘プリティーダービー」を観ていて、マジで馬主になりてぇ~(>△<)!って思ったひとりぼっちの桜ですw今ほどスマホを持っていない事を悔やんだ時はありません。 (╥_╥);事前登録したい……サイレンススズカかわいい……。


ではどうぞ今回のお話もお楽しみくださいませ~♪



「腕…だと」


 真っ直ぐ自分の腕を見てくるマリアンヌに咄嗟に腕を身体で隠すロキ。

 薄っすらと額には冷や汗が浮き出る。


「なんでそんな物を要求するんだ?」

「別にこちらとしてもお前が皇族争いから降りてくれれば一番良い、しかしお前がもしも皇族争いから降りたくない、などと駄々(だだ)をねたら困るだろ?だから、降りたくないなら腕一本で許してやると言っているだけだ。お前が約束を守ればそれでよい、われとしては、お前が皇族争いから降りても片腕を失っても同等程度面白いからな」

「本当にそれで受けるんだな?いいだろう!その条件で受けてやる。じゃあ俺との勝負を受けるんだな?」

「えらく判断が早いな、いつもの臆病風はどうした?いつものお前なら―」


 続くマリアンヌの嫌みを聞かずにロキは言葉を被せた。


「受けるんだな!?」


 よほどさっきのロキの3回回ってワンが面白かったのだろう、マリアンヌは思い出し笑いを堪えながらも、上機嫌で口を開く。


「よかろう。軍神に愛された力だったか?お前に見せてやる」


 マリアンヌの了承の言葉。

 それを聞くや否やロキは凄いスピードで王座の両サイドに立っている右大臣、左大臣に顔を向けた。


「両大臣も今のマリアンヌの言葉を聞いたな!?」


「あ、はい」

「お聞きしました」


「よし!父上が来られたらお前達も証人となってもらうからな!先にマリアンヌが言った事をよく覚えておけよ」


 わざわざそこまでしなくても…。


 マリアンヌはやれやれと首を振る。


「ロキ、一々(いちいち)こいつらの確認なんぞ取らんでもよい、われが一回言った事を曲げるとでも思っているのか?」

「思ってるに決まってるだろ!お前の言ってることは、昔からコロコロ変わるからな!」


 何を言ってるんだこいつは?

 われがいつ言うことをコロコロ変えたというのだ?

 さてはこいつ、妄想壁もうそうへきがあるのか?


 などと考えていると、王座の横に立っている左大臣が口を開いた。


「皆様、皇帝陛下が来られます。皇子、皇女の皆様もどうかご静粛に」


 彼は横の王専用の通路に気配をすぐさまに感じ取ると、右大臣と共にひざまずく。

 そしてマリアンヌから見て右手脇の方向の扉は大きく開かれ、王直属である屈強な近衛騎士団を引き連れた皇帝が王の間に現れた。


 代々プルートの皇帝が羽織る高貴な真紅のマントが歩調に合わせてはためく。

 背筋を伸ばすマリアンヌ以外の王の間に集まった人間達。


「うむ、みな居るようだな」


 目を配らせながら王はそう言いながら、どっしりと椅子に腰を下ろすと「さて」、と呟いた。


「息子達、娘達よ、今日はよく集まったな、それと…」


 チラッと視線を落とす皇帝。

 視線の先に居るのは涼しい顔で未だ紅茶を飲んでいる娘の姿だった。


「よくわれの前に顔を出せたな、マリアンヌ」


 その瞬間、部屋に居る全員が皇帝の怒りを感じ取った。

 皇帝へと続く段差を挟んで向かい合う両者。

 ここに居る全員の背筋がぞくりと震えた。

 それは戦闘能力では他を圧倒する実力を持つ近衛騎士の全員ですらも震えが鎧に伝導するほどに。


 顔色からは不満や怒りしか感じられない。

 押し潰されそうなプレッシャー、名指しされていない兄弟たちもが嫌な汗を垂らす中、だがマリアンヌは顔色1つ変えなかった。

 それどころか涼しい顔で受け流す。


「父上はおかしな事をおっしゃいますね?顔を出せたなも何も、私を今日ここに呼んだのは父上ではないですか、呼ばれたから朝早くから来た、それだけです」


 軽い嫌みを追加した何食わぬ回答に皇帝の視線は鋭さを増した。


「お前は、よもやファゴット際でわれたばかったこと、忘れたわけではあるまい?」

たばかった?」


 一気に怒気を強める皇帝。


たばかった以外の何だというのだ!そこに居るメイドがまるで弱いかのようにわれに言ったではないか!」

「私は一言もカーナの事を”弱い”などとは言ってはおりません、そこに居るクルウェイと戦うより大会が面白くなると言ったのです。そして実際に面白かったではないですか、ハラハラドキドキもしたでしょう?結果が父上の思ったとおりにならなかったというだけです。それをお気に入りの人物が負けたからといって、こちらに非があるような言い方をされては事前に言った通り魔道具を使わずに戦ったカーナが不憫ふびんでならない、彼女はか弱い女性なのに…」

「あんな動きをしていた女が、か弱いだと?」

「彼女はあの男の一撃を受けて最近まで肋骨の骨が折れていました、か弱い~か弱い」

「マリアンヌ、それではお前は権威あるファゴット際の優勝者が、か弱い人間に負けるほどに弱いとでも申すか?」

「逆にお聞きしますが、魔道具を持たないか弱い女に負ける人間を、弱いと称して問題ありますか?」

「お前は昔から本当に口が減らないな」

「父上…あなたは過去、その皇帝の椅子を巡って今の私同様、兄弟間で骨肉の争いをしたそうですね」


 急な話の展開に皇帝は眉を曇らせながらうなづく。


「ああ、そうだが」

「ではその時にも今と同じ事が起こったのなら、それを父上は卑怯などとおっしゃったでしょうか?いいえ、仰らなかったはず。あなたならこう言う」


 マリアンヌはまし顔で言い切った。


「騙される方が悪い。違いますか?」


 それを聞いて、威厳のある表情は変わらないものの、どこか心に余裕が出来たような皇帝はフッと笑った。

 そして機嫌を少し取り戻し


「一度聞いてみたかったのだが、マリアンヌ、兄弟達の中でお前だけがわれに対していつまでも反抗的な態度を取るな。なぜだ?」

「それは遠まわしに私にも兄弟達のように父上の顔色をうかが太鼓持たいこもちをしろと仰っておられるのですか?」


 マリアンヌはそう言うと、ここに集まった全ての兄弟を小馬鹿にしたように軽く鼻を鳴らした。


「ご冗談でしょ? いつから皇帝の椅子はそんなに安くなったのですか?本来、皇帝の地位とはそんな金魚の糞が手に入るはずがない物、少なくとも父上の時代はそうだったはず」


 そして最後に「私の言ってることは違いますか?」と同意を求めながらも断言した。


「万が一そんなゴミが皇帝の座になど着いたら…断言いたします。遠くない未来、プルートは間違いなく滅ぶ」


 それはいつも以上に傲慢な一言であった。

 これは絶対に機嫌が更に悪くなる、と周囲の誰もが思った。

 だが、そんな予想を裏切るように怒るどころか髭をでながら思案する皇帝。

 そして自分を罠にはめた娘への評価を改めるようにわずがに頬を緩めた。


「確かに…お前の言うことには一理はある」


 パンと手を合わせるマリアンヌ。


「でしょ」


 人の共感できそうな話を目の前でチラつかせ話しの本筋をずらせる。

 我ながら完璧な会話の流れだ…。

 自分自身に100点をあげたい。


 微笑むマリアンヌにロキは慌てて皇帝に駆け寄る。


「父上様!マリアンヌの口車に乗ってはいけません!どう取り繕おうが、こいつは!父上様を騙したんです!あの時の怒りを忘れてはいけません!」

「だから騙して無いし、騙したとしても何が悪いのか分からないとわれは言っているんだろうが」

「開き直りやがって!」

「開き直ってない、事実を言っただけだ。文句があるなら言ってみろ。即、論破してやる」

「ぐぬぬ」

「もうよい!やめよ!」


 太い眉毛を吊り上げて一喝する皇帝。

 威厳の篭った言葉によって騒がしく言い争っていたマリアンヌとロキは黙った。

 そして一呼吸置き、皇帝は頭を押さえながら続ける。


「この話はもう終わりでよい、お前達の争いは昔からうるさくて頭痛の種なのだ。それはそうと先ほど騒がしかったようだが…マリアンヌまた何かやったのか?」


 だから、なぜそこで真っ先にわれを疑うんだ?

 アールに言われた廊下の件もそうだが。

 そして昔から言いたかったのだが。

 何かがあったら、まずわれを最有力の容疑者と考える。その公式、そろそろ止めないか?


 容疑者を自分1人に絞り込まれている不満から黙っているマリアンヌにロキが口を挟んできた。


「父上様、マリアンヌと賭けをしました」

「賭け?」

慰問いもんに行く場所の紛争、どちらが先に解決できるかという勝負です」

「ほぅ、それは面白そうではないか、われはそういう勝負事は好きだぞ。…にしても、ロキ、慰問の話、ずいぶんと耳が早いな」


 深々とお辞儀をするロキ。


「何を隠そう、1ヶ月ほど前にこの情報を得ました。いかに早く情報を手に入れるかも、皇帝になる資質の1つだと考えておりますので」

「ふむ、頼もしい限りの発言だ」

「後はこのロン毛に実力がともなえばよいのですがね」

「うるさいぞ、マリアンヌ。話に割り込んでくるな」

「お前もさっき割り込んできただろうが、もう忘れたのか?馬鹿め」


 皇帝は咳払いをして2人の口げんかを止めると、話を進める為に口を開く。


「で、結局その戦いで2人は何を賭けたのだ?」

「王位継承権でございます。負けた方は皇帝になるのを諦める」


 その答えはいささか皇帝の予想外の答えだったのだろう、自身の白く蓄えられた髭を撫でると意味深に頷いた。


「ほ~~なるほど、面白い」

「父上様ならそう言って頂けると信じておりました、既に両大臣にも了承を得ています」


 いつ右大臣と左大臣の了承を得たんだ?お前は確認を取っていただけだろう、とマリアンヌは首を傾げながらもロキに向って言った。


「ロキ、賭けの内容は正確に言え。われが負けたら皇帝の座を諦める、お前が負けたら皇帝の座か片腕を捨てる、だ」

「分かっている、だが俺が負けるわけが無い」

「昔からお前のその根拠の無い自信が何処から来るのか不思議でならないよ」

「うるさい、黙ってろ! 父上、もしも、万が一の話ですが…私が負けた場合、皇帝の座を諦めたくない場合に限り片腕を切り落せばマリアンヌが許してくれる、という条件が入っております。ですがマリアンヌが負けた場合は皇帝の座を諦める1択なので、どうぞご安心ください」

「ほぅ」


 安心か…。

 今、マリアンヌの目には心なしか皇帝の顔がほころんだ気がした。


「ではロキは既に知っているようだが、他の者たちに今回集まってもらった理由を述べよう」


 それから皇帝はなぜこの場に自分の息子や娘を呼んだかを語り始めた。

 内容はおおむねロキの言っていた事と同じ内容であった。


「それではヴァン、息子達が行く場所を読み上げよ」

「ハッ!」


 その丸いお腹を揺らせながら書類をめくっていく右大臣、兄弟達が慰問いもんに向かう場所が次々と読み上げられていく。

 そして遂にロキとマリアンヌの番になった。


「ロキ第二皇子様、ロクール地方、都市名アミアン」

「アミアンか!いや~俺は1度行ったことがあるんだが遠いな~、あそこは馬車でも2週間以上かかるからな~、これは賭けにかなり不利かもしれないな。俺は運が悪いなマリアンヌ」

「運ねぇ」


 分かりやすく喜びを表現しているロキに、聞こえぬように呟くマリアンヌ、相当賭けにとっては良い場所であることは明白であった。

 そして最後にそんなマリアンヌがおもむく場所が発表された。


「マリアンヌ第一皇女様、バ・ラン地方、都市名サンティエール」


 無言で発表を聞くマリアンヌにロキは目をギラギラさせて言った。


「マリアンヌ、運が悪かったな」

「ぁ?」


 ピンときていないマリアンヌにロキが口の端で微かに笑う。


「いつまでも俺がお前よりも下だと思うなよ」

「お前は何の事を言ってるんだ?」

「ハッ、何も知らんとはおめでたい頭だ。ずっと引きこもって世界情勢にうとい愚妹にこの俺が教えてやろうか?サンティエールがどんな場所か」

「…結構だ、お前に物を聞くぐらいなら死んだほうがマシだ。シグレ」


 するとシグレが一歩足を前に踏み出した。

 そしてこの場においての最高権力者、マリアンヌの父である皇帝に向かってひざまずいた。


僭越せんえつながら私から説明させて頂いてもよろしでしょうか?皇帝陛下」

「うむ、許そう」

「ありがとうございます。ではまずマリアンヌ様の向かわれるサンティエールなのですが、基本的には周囲360度田園地帯で『ナント』『オート』『トゥール』の3つの大きな村に囲まれるように存在する都市でございます。名産品と呼べる特出すべき物はございませんが、あえて挙げるのであれば芋類、我が国に出回る芋類の20%はサンティエール産でございます。そしてそれらがあるバ・ラン地方ですが、距離こそはそう遠くはないのですが……その……」


 流暢な説明が急に停止する。


「どうした、シグレ?早く説明を続けろ、バ・ラン地方は距離は遠くは無いが何だ?」


 目を細めるマリアンヌにシグレは尚言いづらそうな仕草しぐさをしていたが、やがて覚悟を決めたように再び口を開いた。

 だがその後出た言葉、それはあまりにもマリアンヌにとって不利益なものであり、悪条件を宣告するものであった。


「バ・ラン地方ですが、我らが最大の敵国であるアトラスの領土内に存在する場所でございます」



閲覧ありがとうございました゜ァリv(oゝω・o)vガト゜.+:。

ではまた次回お会いしましょう(^^)/~~~




パワプロ・サクセススペシャル。4月1日、ログインしました(-_-;)

結果はパワサカとのコラボでした(-_-;)

コナミ、自社コラボです(-_-;)


メニュー画面がサッカーの試合会場になって、野球のボールがサッカーボールになり、サッカーボールをバットで打つという摩訶不思議な競技になり、試合終了はホイッスルで知らせる。

色々面白いんですけど・・・なんだろう?期待が大き過ぎたのかな、あんまり喜べないw

でもでも!もうじきサクスペも2周年!これはマジで楽しみでござるよヾ(*≧∀≦)ノ゛

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