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魔女と呼ばれた少女 -少女は死体の山で1人笑う-  作者: ひとりぼっちの桜
【第6章】 3日物語(裏)

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24 3日目 - 午後(6)

クリックありがとうございますm(_ _ )m先日ゲオの特売で任天堂3DS用ソフト「妖怪ウォッチ」を50円で購入したひとりぼっちの桜ですw

購入してから1週間ほど、まだやってないですが、楽しいといいですよね(*´∀`*)


さて今回のお話では【第5章】3日物語(表)「14 3日目 - 午前(1)」でなぜカーナがフクロウとカラスのお面を買ってきたのか、その裏側が描かれております。

ってことで、今回のお話を読んだあとにでも【第5章】3日物語(表)「14 3日目 - 午前(1)」を読んで頂けると、今回のお話もより楽しんでいただけるかと思いますのでよかったら続けて読んでもらえると嬉しいです♪

では、前口上が長くなってしまいましたが、今回のお話をどうぞご覧ください♫



 わたしはそのメイドさんから目が離せなくなってしまっていた。


 横顔は整っていて、髪は動きやすそうなショートヘアー、スラリとした体格に姿勢はピンと真っ直ぐ立ち姿勢が良い、話し方は丁寧なのにその瞳はどこか感情が欠落しているような鋭さと冷たさが同居しているようなそんな目、そして何よりも印象的だったのは。

 風によって微かに揺れる髪。


 それはまるで…


 ライオネルは小さく呟く。


「まるで髪が真っ赤に燃えているみたい」


 あんな髪の色の人なんてこの街で見たこと無い。

 というか、生きてきてこのかた見た事が無い。


 よほど珍しいのだろう、周りの子供達もメイドさんの髪を凝視している。

 でも当の本人、メイドさんはそれらの視線すら完全に無視を決め込んでいた。

 そして今も難しそうな顔で唇に手を当てて悩み込んでいる。


何処どこの家のメイドさんだろう?」


 再び呟き、そして目を凝らす。


 なびくスカートの裾がひらりと風に舞った。

 あまりにも見事な裁縫技術でそのメイドさんの服は造られていた。

 うちにもメイドさんがいっぱい居るけど、その人たちが着ている服とは素材からして違う。

 生地がそもそも高級品だ。

 あのレベルの生地で出来た服をわたしも数着持ってるけど、それはパーティ用で、普通そんな良い物を使用人には着させない、間違いなく家の者が着るだろう、それをメイド服に使うなんて…。


「上には上がいるんだなぁ」


 分かってはいたことだけど、プルートにおけるヒエラルキーの全然見えない天井を見た気がした。

 そうこうしていると痺れを切らしたかのように店主のおじさんが再び口を開けた。


「あのよ…申し訳ないんだけど、嬢ちゃん、そろそろ決めてもらわないとこっちも困るんだけど」


 メイドさんはお面屋のおじさんの問いに「う~ん」と1つ唸ると、おじさんに問い返した。


「では店主、逆にあなたはどれが良いと思いますか?」

「えっ?俺が選んでもいいのか?え~と、そうだな、あんたみたいなべっぴんさんが着けるんだとしたら…」

「私がけるんじゃないですよ」


 なら、先に言えよ。と、おじさんは眉をひそめる。

 そして


「それは着ける子によるな、どんな子にプレゼントするんだ?」


 妹さんにかい?それとも務めている屋敷の娘さんかい?

 などの意味合いがあったのだろうと思う。


 しかしメイド服の女性は真っ直ぐとした視線で断言した。


「20代女性と30代男性、男性の方は大柄で筋肉質です。因みにそれが良いかどうかを判断するのは16歳の高貴で可憐なお方です」


 もう言っている意味が分からない。

 店主のおじさんは…うん、目が点になってる。

 そして、しばしわたしが隣の屋台から流れ込んでくるりんご飴のにおいを堪能しているとおじさんは1つの答えを導き出した。


「もしかして仮装パーティ的な使用用途で使うのかい?」

「仮装パーティ?あ~~」


 メイドさんはチラッと背後の方に目をやる。

 そこに何があるのか気になったが、わたしがしゃがんでいる事も相まって人ごみで全く見えなかった。

 メイドさんは言った。


「まぁ、、はい、当たらずとも遠からずですね」


 するとおじさんはニヤニヤと口元を変化させた。

 そして、いやらしい目をメイドさんに向けると


「あ~なるほど、最近そういう特殊な趣味の人多いんだよ。あんたのご主人様もそっちか」


 何が”なるほど”なのか、”趣味って何?”わたしには皆目検討がつかないが、おじさんには分かったのだろう。

 おじさんは背後に数多くかけられている犬やネコ、その他かわいいお面たちではなく、下あたりに置いてある袋の中をゴソゴソ。


「確かこの辺りに…おっ、有った♪有った♪」


 そして4つのお面を取り出した。


「少し怪しい感じの方が盛り上がると思うからこれだな」


 差し出されたのは2種類のお面。

【白いフクロウ】のお面と【黒いカラス】のお面であった。

 至近距離、1メートルほどから見ていますが、全部かなり不気味です。


「これは…人気なんですか?」


 胡乱な目で尋ねるメイドさんにおじさんは胸を張る。


「人気だよ、一定の層には特に人気だ、そしてそういうパーティには持って来いだ」

「へ~そうなんですか、知りませんでした」


 わたしも知りませんでした。

 てか、そういうパーティってどういうパーティですか?

 意味が分からない。


「で、フクロウとカラスどちらの方がいいんですか?」

「それは客であるお嬢さんが考えることだから俺に聞かれてもな」


 不愉快そうに目を細めるメイドさん。


「それで万が一、間違えたらどうするんですか?」

「どうすると言われてもな…」

「責任を取れるんですか?」

「俺がか!?」

「店主、私は伊達だて酔狂すいきょうでここにお面を買いに来てるんじゃないんですよ、重大な使命を受けて来てるんです。プロなら最後までコーディネートして頂かないと困ります」


 少し苛立つ声質に店主のおじさんは即座に反論する。


「あのな嬢ちゃん、いいか、俺は提供するプロであってコーディネートするプロじゃないんだ」

「この店にはアフターケア的なものが無いのですか!?」

「あるか!」


 ヒートアップする両者。


「間違えたら死ぬしか選択肢が無くなるんですよ!」

「大袈裟すぎるだろ!!」


 そしてそれを間近まぢかで見ていたわたしは


「馬鹿みたい、もう両方買えばいいのに」


「「えっ?」」


「あっ」


 やばい、思ったことを口に出してしまった。


 横から口を出してしまったわたしはハッと口を押さえる。

 しかし時は既に遅し。

 吐いた唾は戻らない。

 2人の刺すような視線が斜め上から降り注いできた。


 ならすぐに謝らないと!

 一回り、いや、おじさんからしたら4、5回り?は歳が離れている。

 皮肉や嫌み、ましてや今の一言が文句に取られてはまずい。

 いや、そもそも『馬鹿』って言ってるから、もう言い訳すら出来ない。


 わたしは謝るために口を開けようとしたが、しかし


「ごめんなさ―」

「それもそうですね、あなたの言う通りです」

「そうだな、全くその通りだ!なんで俺たちはこんなことで言い争いをしていたんだろうな?」

「ええ、2種類とも買った後に選んで頂けるようにするのがベストです。ありがとうございます」

「嬢ちゃんありがとうな」

「え、あ、はい」


 なんか褒められました。

 わたしはしゃがんだ体勢のまま、両手を少し前へ”気にしないで下さい”とジェスチャーした。


「ではそのお面を4つ全部下さい」

「はい毎度」


 ………

 ……


「ありがとうございます、あなたのおかげで助かりました」


 おじさんにお面のお金を支払った後、そう口にするとメイドさんは燃えるような赤い髪を礼儀正しく下げて歩いて行った。

 そう、馬車の方へ。


「馬車に乗ってきたのはあの人だったんだ」


 あの人の主人、会ってみたいような、会ってみたくないような…。


「お待たせ~♪」

「あっ、お姉ちゃん。花は買えたの?」

「おう、良いのあったぜ」

「よかったね」


 お姉ちゃんの手には花束が握られていた。


「何かこの辺り凄ぇ人いっぱい密集してるけど、何かあったのかよ?」

「あ、う~ん、別に何も」

「ふ~ん、そうか。じゃあ、行くか」



閲覧ありがとうございました^m^

(表)では馬車の中(裏)では馬車の外、違う章なのにすれ違うお話……こういうのを書いてみたかったw

ではまた次回お会いしましょう(^_^)/~



無課金でコツコツやっているパワプロ・サクセススペシャル、年末、そして正月に来るであろう良ガチャに備えて私が貯めたパワーストーンの数は1450個ほど…。

このままいけばおそらく正月には2千個の大台に乗るでしょう(-_-)気分は正月ドンと来い!です(笑)

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