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魔女と呼ばれた少女 -少女は死体の山で1人笑う-  作者: ひとりぼっちの桜
【第6章】 3日物語(裏)

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08 1日目 - 午後(2)

クリックありがとうございます(*ゝω・)ノ

先日、ゲオに任天堂スイッチを買いに行ったひとりぼっちの桜ですw

田舎のゲオ、抽選で当たる人間は4名。

私は舐めていた。。

トコトコ歩いてゲオの前(((((*´・ω・).

並んでいた人数は100人以上。


ひとりぼっちの桜は目の前が真っ暗になった(つд⊂)

結果は…


買えたよ。

悔し涙をね。

スプラトゥーン2…やりたかったな。。。



では今回のお話もどうぞご覧ください♪



 デレスティ・ウベールノウ。

 騎士学校において数あるクラスの中でもっとも成績の良いクラスを長年受け持ち、今までに何人もの優秀な人材を育て上げた名物教師。

 男性、小柄で少し肉付きのいい体格、年齢は姉妹の父であるムンガルと同じ40代といったところ。

 彼に教えをえば凡兵が将軍になるとまで言われる。

 厳しい訓練をすだけではなく、時に騎士が何たるかをさとし、時に迷った生徒の道を優しく示す。


 らしいが…


 妹ライオネルにとっては、まず終始授業が厳しいし、生徒に対して求めるハードルは高いし、言ってる言葉も良く理解できないし。

 結論から言うと苦手の一言で片付けられる人物である。



            ×            ×



 騎士学校での服装と同じで小奇麗な服を着飾った彼、胸元に輝く勲章が他人のそら似でないことを姉妹に確信させる。

 デレスティの対面に座っているのは20ほどの年齢の若い女性であった。

 彼女はふんわりとしたロングヘアーに胸元を大きく開いたドレスに身を包み、異性を誘惑するような甘い香水をつけていた。


 確かデレスティ教諭には奥方がいたはずだ。

 しかし目の前の2人、どう考えても夫婦というには歳が離れている組み合わせ。


(愛人だ)


 モルドレッド、ライオネル、2人はまだ幼いといってもそこは貴族社会に身を置くご令嬢、12という年齢であったが瞬時に愛人というワードに行き着いた。

 だからこそこれは見てみぬ振りをしなければならない場面だと理解した。


 他の家の事には立ち入らない。

 それが同格、ないし家柄が上であったら尚の事。

 この教師はムンガルの家に比べると少し劣るがそれでも貴族。

 つまり、いらぬ正義感を振りかざすには厄介すぎるのだ。

 見てみぬ振りをするのが正解であり、貴族社会の礼儀。


「君の瞳に映り続けれるだけで私はなんと幸せなのだろう」


 続くデレスティ教師の愛をつづる言葉。

 それは厳しくもあり優しかった(姉、モルドレッドへのみ。妹に関してはデレスティだけで無く、ほぼ全教師が度重なる失敗に怒ることも出来ず、空気と相対するようにスルーしていた)教師のイメージからは乖離かいりしたものであった。


「確かに君を愛する事によって私はたくさんの物を失うかもしれない。しかし愛することを恐がっていたら私は神に自分の気持ちを偽ることになってしまう」

「デレスティ様」


 うっとりとした瞳で手を握る。

 互いの指が絡めあう。


「惚れるのは状態であり、愛するのは行為なんだ」


 歯が浮くようなセリフの数々に妹ライオネルの顔は恥ずかしさのあまり真っ赤になった。

 姉モルドレッドは特に顔色を変化させることはない、しかしもちろん妹同様見てはいけないという貴族の礼儀に行き着いているので視線を外す。 そして外した視線でコップに入った氷を見つめて指でかき回す、口からは「男ってやつは…」という呆れ言葉を足しながら。


「奥様は?」

「今はいいだろう、私は君と話しているのだから」


 そうですわね、と女性は頬を赤らめる。


「そう言えば以前デレスティ様がおっしゃっておられた教え子の女の子はどうなったのです?」


 急に愛の言葉の中に挟み込まれた話題に当の2人は息を詰まらせる。


「ああ、あの2人か」

「ええ、デレスティ様のご指導で主席になられたのでしょう? 前回お会いした時は凄く自慢していらっしゃったじゃないですか」


 そして、そろそろご卒業の時期ですわよね?と続く言葉、それをデレスティは忌々しそうに頭を振る。


「それがあの姉妹、父親に黙って入学していたのだ」

「確か、女の子達の父親ってあの有名なムンガル卿でしたわよね」


 ああ、と1つ頷くデレスティ教諭。

 そして


「今朝方、お父上のムンガル卿が家に来て娘2人の退学を通告してきた」

「まぁ!ではその姉妹の主席のお話は」


 ちょっと待って下さい!わたしは主席じゃない!最下位です!

 クラスも一番優秀な所に入れられて心底迷惑してました!!


「もちろん綺麗さっぱり流れた。私の3年間の努力も無駄だったというわけだ」

「まぁ~、それは…おかわいそうなデレスティ様」


 そっと再びデレスティの手を握る女。

 しかし、怒りが収まらなかったのだろう、デレスティ教諭


「そもそも姉妹の父親があのムンガル卿でなければ入学自体を断っていたところなのに、なのにも関わらずあの姉妹は私には父親の許可を取ったと言いおったからこちらも許可したのに嘘をつきおって!私を騙して恩を仇で返しおって!」


 先に言っておくけれどわたしは断じて何も言葉を発していない、ずっと姉の横で黙ってた。

 ていうか、見知らぬ人と初対面で会話とか無理です。

 そして正確に言うと姉は父の許可を貰ったとは言っていない。

 それはすぐ側で居たわたしが言うのだから間違いない。

 あの入学試験を受けに行った時、姉は「お父上の許可は…」と言ってきたデレスティ先生にこう言ったのだ


『父がよろしく、と言っておりました』


 と。


 正直、最初は3年という期間のカリキュラムを組んでいる騎士学校において、丸3年教師陣はもちろん両親も騙せるなんてわたしは思わなかった。

 どうせすぐバレて入学が取り消されて、怒られて終了、そう思ったんだ…。

 だからわたしも付いていった。。。もとい連れて行かれた。

 しかしそこはこの優秀な姉。


 厳格であり男社会で生きている父には――


淑女しゅくじょたしなみとして習い事をすることにした。は?習い事の内容? オヤジはいちいち女が何をしているのかを聞くのかよ、女には男が知らなくてもいい習い事もあるんだよ!」


 少しでも父に対してびを売りたいであろうデレスティ先生には――


「私の父に対しての途中報告は不要です。 我が家の家訓において過程に意味を見出しません、結果が全ての家ですので。ゆえに卒業時の私の成果をもってデレスティ先生がいかに優秀な指導者かという事を父に証明してみせましょう」


 その後も妹のわたしが言うのも何だが、実に姉は上手く立ち回っていた。

 結果『抜かりなし』と言わんばかりにゴール1歩手前まで来てしまった。


「まぁ、でも嘘をついてまでも男社会の騎士になりたいなんて、いじらしくてお可愛い姉妹ですわね」


 続けて彼女は「私も昔、男友達たちと遊んでいて楽しかった」と述べた。

 そこでライオネルは、あの望まず連れて行かれた地獄の日々をそんな可愛い思い出話と一緒にするな!と言いたくなった。

 だがデレスティ教諭は”かわいい”という言葉に反応してせせら笑う。

 そして背後に姉妹がいることも知らずに


「迷惑この上ない姉妹だった。そもそも私はあの姉妹を指導するのは嫌だったんだ、しかし父親がアレだから一番上のクラスにするしかなかったし、怒ることも出来んし、かといって結果を出さなかったら何を言われるか分からない。だから忍耐強くやったというのに」


 姉妹を背にしたデレスティ教諭は尚も怒気を強める。

 あからさまな怒りを込められた声質で。


「何の信念無く、ただ軽い気持ちで男社会である騎士になりたいなどと口にするとはおこがましい!本当に覚悟があったなら父親ぐらい説得できるだろうもの、ゴホッゴホ!」

「まぁ、大丈夫ですか!お水を」


 手渡された水を一口。

 気持ちを落ち着けるデレスティ教諭。


「子供のいたずらにしては度が過ぎてる、今朝方に父親のムンガル卿が来られたということはきっと今頃あの姉妹はきつくお灸を据えられて家で反省して女らしく編み物でもしている頃だろう」

「編み物?姉妹は編み物が得意ですの?」

「さぁ、どうだろうか。たぶん苦手なんじゃないかな、まぁどれだけ努力したところで美麗でしおらしい君のような女性にはなれないだろうがね」


 声音には憎憎にくにくしさしか感じられない。

 つまりこれがデレスティの本心ということだろう。

 そして同時に分かった。

 わたしは自分自身が先生達に嫌われていることを自覚していたし、名門の教師として出来の悪い生徒を一番エリートのクラスにいることに不満を持つなと言うほうが難しい。

 だから覚悟していた。

 でも姉は違う。

 姿はどれだけ似ていようが実力で主席の座を手に入れた、それは先生たちにとってはかわいい生徒であったのだろうと。


 しかし違っていた。

 そう、わたしたち2人は両方とも…。


 腫れ物扱い。

 邪魔者扱い。


 だったわけだ。


 負け犬根性が染み付いているわたしにとってはどんな侮蔑ぶべつを含んだ言葉も右から左であったが、この姉にとっては我慢出来るものではなかったのだろう。

 奥歯をかみ合わせる音が正面から聞こえた。


「ギリッ」


 モルドレッドの表情は噴火直前の火山のようだった。

 だがその後、急速に冷めて今度は不自然な笑みを浮かべた。


「………」


 立ち上がるモルドレッド、水の入ったコップを持って。


「お、お姉ちゃん」


 何とな~く、だがこの後の展開が薄っすらと…いえ嘘です。かなり明確に未来視していたライオネルであったが姉の手、空いたほうの手の平に食い込む程の爪あとを見るとすぐ諦めた。


 ごめんなさい先生、わたしには止めることは出来ません。

 わたしが送ることが出来る言葉は1つだけです。


 主よ…あわれみをみたまえ、アーメン。


「まぁ、そんな事をおっしゃったら、その姉妹がかわいそうですわ」

「はっはっは、あの2人がこんな所にいるわけが、うわっ!冷たっ!?」


 急に上空から凄い勢いで浴びせられたキンキンに冷えた冷水と氷。

 少しの静寂、そして一泊いっぱくおいて当然だがざわつく店内。

 相手の女性は口に手を置いて目を丸くしている。

 そして冷水を浴びせられた当人はというと…


 激昂だった。


「無礼者!私を誰だと思って!」


 その真っ赤になった顔は水をかけた張本人を権力で消し去るために勢い良く振り返った。

 しかし振り返った瞬間、彼は絶句した。

 そしてその両目は大きく見開いて、顔色は怒りの波が一気に潮が引いていくように青ざめた。


「お、お前はっ!?いや、君は!」

「大変悪ぅ~ございましたね、女の分際で騎士を目指しちまって。それと編み物なら得意なんで今さら練習する必要なんてないんだよ」

「な、え…あ、え?」

「その水はオレからのおごりだ。じゃあな、デレスティ、先、生。 行くぞ!ライオネル!」

「え、まだデザ」


 まだ外はサックリ、中はふわふわのスポンジケーキ、食べるとバターと蜂蜜はちみつが混ざり合ったスポンジ生地が口いっぱいに広がるパンケーキなる食べ物を食べ終わってない。

 というライオネルの声はもちろん最後まで言い終わることが無かった。


「君達!ちょっと待て!」

「あーそうだ!神様とやらに自分の気持ちを偽らなくてすむようにオレから奥方に今日の事を報告しておいてやるよ」

「えっ!?それは止めて!ちょっと待って!お願い!!」


 背後から聞こえる先生の懇願こんがんという名の断末魔を置手紙のようにして姉妹は店を後にするのであった。

 行き先も決められぬまま…。



閲覧ありがとうございましたm(_ _ )m


次回ですが…かなりペンが止まりませんよ♪(☆´Д)人

これはいい兆候ですね、ですがこのままだと1つ問題が、、、10ページ超えそう(笑)

まだ正確には何ページになるかわかりませんが、2つに別けるかどうかも考えないと(^^汗


ではまた次回お会いしましょう(^_^)/~

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