『碧』火災
ほぼ説明みたくなってしまって、話がほとんど進んでいませんが、設定も楽しんでいただければ幸いです…
僕はいつものように食材の買い物のために、街へと向かった。僕と僕の師匠である、ビザンツの住んでいる家はここ、アズテック王国のなかでもかなり端のほうにある。端と言っても、国境の境って訳ではない。いや、実質は国境線の境に家が一軒ぽつんと建っている状況なのだが、何せその国境線は、一番高い標高のとこが7千㍍に及ぶ山脈のため、国境線の境目と言えども、いきなり隣国であるメシア王国に戦争をふっかけられようが、一番に襲われることはない。まあ、実際は隣同士仲がいいので、そんな事になることはないと思うが…
さて、話を戻すが、そういう事情もあり、一番近くにある街、ポロコに行くのも一苦労である。なぜあんな所に家なんか建てたんだあの人は、と思いながら歩くこと約45分、やっとポロコに着いた。食材は買い溜めしているので、一週間に一回ほどしか来ない。だが、この世界に来て一年も経つので、慣れたには慣れたが、この距離を歩くとなると、流石に萎える。帰りなんて荷物もあるから尚更だ、と思いながらも仕方のない事なので、諦めて食材を探す。
この街に来てはいつも思うが、かなりいい人が多い。それに街の造りもいい。中世ヨーロッパのような石畳の地面に、石造りの民家、僕の好きな雰囲気だ。そんな気分を味わいながら、いつもの露店通りを歩く。だが結局、いつもの露店で食材を買うことになる。
「ベルおじさん、今日も買い出しを頼まれてまたここに来ちゃいました」
僕は右手で頭を掻きながら、いつものように話し掛けた。
「おう!らっしゃい!コウ、いつものでいいか?」
「じゃあ、いつものでお願いします」
僕はいつも通りの笑顔でそう返した。「いつもの」っていうのはここ「bell's bakery」の名の通り、パン屋だ。ここのパンはポロコの住民にも人気が高く。僕自身も好きである。それに、残念なことにここには冷蔵庫なる家具があるわけではない。なので、保存の利く「いつもの」=パンをいつも買う訳だ。
「はいよ、コウ。いつものパンだ。だがな、今日のパンは今までより上手く焼けたから、いつもより更においしいぞ、きっと」
「いつもありがとうございます。美味しくいただきますね」
と言って、いつものように帰路に着いた。が、今日はいつもの『いつも』とは何か違っていた…
………………………
…………………
家に着いたとき、僕は目を疑った。
「なんだよ…これ…いったいどうしてこんなことに…」
僕と師匠の家が…まるで地獄の炎のような火を上げて、燃え上がっていた。何故そう見えたか…火が『赤』ではなく『碧い』炎だったからだ。
中学のときに習ったことをふと、思い出した。『碧』いほうが『赤』よりも温度が高いことを。
今、燃えている我が家にあった本では「普通、火属性の魔法は赤い」と、書いていた。しかし、こと続きには、こうとも書いていた「だが、火属性の魔法を究めることが出来たならば、火属性の上位魔法である、『碧劫火魔法』という輝ける碧い炎を扱えるようになる。」と。
そうなれば、僕の家を焼き払ったのはその「上位魔法」の使い手、ということになる。
いったい何で僕の家がそんな輩に狙われたんだろう…
そして、この先どうしようかと、腕に沢山のパンを抱えながら考える。
…師匠はまだ帰って来てないからきっと無事だな。はぁ…これからどうしよ…
考えても、全く答えが見つかりそうになかった…
終わりが中途半端ですみません…