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僕は水滴だ。  作者: 亜紋
3/3

裏切りの恐さ

突然美紗が嘘をついた。

その嘘はあまりにも小さいことだが、俺の心に深く傷をつけた。

初めて信頼した相手それが美紗だ、その美紗が小さなことで嘘をついた。

親に連絡をいれずにここに泊まっていることだ。

美紗の親はいつものことのようにしていて体が弱いのも嘘、そんなこと俺にとってはどうでもよかった。

問題はその嘘をなぜついたか、内容は関係ない小さな嘘ほど大きい裏切りは無い。

その場の冗談ならまだしもそれでもない。

初めて信頼したのが美紗だった。

親も信用できない俺は本当は人が恐くて何のかも全てから逃げ出していた。

そんなときに学校で初めて声をかけてくれたのが美紗だった。

信頼しきったわけではないが信じていた。

そして嘘をつかれた。

信用という壁が作られない内から嘘という攻撃に耐えられずつぶれてしまった、心という土台と一緒に。

美紗はこのことについて、まだきずいていない。

言ってしまったほうがいいのかもまだわからないでいる。

俺は美紗の中にいないでは無いのか、聞いてしまうとそれがわかってしまう。

それが恐い。

もし美紗の心に俺がいなかったら、ここから先誰も信じることができない気がした。

でもこのままだと前に進めない、ただ立ち止まるだけ動かないと何も始まらない。

自分ではわかっていてもできない自分に腹を立てながら今を過ごしている。

心が痛い、治すことも知っている、でも失敗するともっと痛い。

涙がこぼれてきた。

この家も、今の俺にとっては悲しい家でしかなかった。

居場所の無い自分の家、それほどに楽しかった毎日が、今は悲しい場所。

突然変わる世界がこんなにも絶えられなくなるものになるなんて想像もつかなかった。

その日学校は休んで外に出た。

周りのやつらにも裏切りの心があるやつにしか見えなかった。

裏切りは全ての人間の心の中にある。

いつどんなときに出てくるかはその人しだい。

俺の心の中にもあり、周りのやつらもある、こいつら全て裏切りという悪に声を傾けたことがあるはずだ。

そんなことばかり考えていると意識が無くなった。

目が覚めると、みていた光景と違う景色、周りはいろいろの花が綺麗に咲いている。

俺以外に誰もいない、そして声が聞こえてきた。

周りを見渡しても誰もいない、でも確かに聞こえた声。


「よぉ、元気か、さっきから俺を探しても意味無いぜ」


「どこにいる」


「うるさいね、あんたの心の中だよ」


「お前はいったい誰なんだ」


「俺か、俺は君、君は僕一心同体だから」


「何を言ってるんだ」


「仕方ないな姿みしてやるよ、後ろ見てみな」


そのとき俺は自分の目を疑った。

そこには俺が立っていた。


「どうした、望みどうり出てきてやったぞ」


「どうして」


「さっきも言っただろ、君は僕だ、生きている奴には誰でもふたりの自分がいる、つまり天使と悪魔だ」


「今の俺はどっちなんだ」


「そんなもん誰にもわからない」


「何で、何でなんだよ」


「誰だって自分を理解し続けることはできない、それが事実だからな、もう時間だ何も言えなかったが後は自分で考えな」


そこで夢から覚めた。

俺は涙が出た。

事実そうだったからだ。

俺は自分のことがまったくわからない。

もしかしたら美紗も自分自身がわからなく、それがわかったとき俺が離れてしまうかも知れないだから恐くて嘘をついたと思う、自分のこともろくにわからないのに、美紗のことまでわからない。

でもそう思う。

俺は言葉だけで信じきっていなかった。

だから美紗も俺を信じろことができなかったに違いない。

少しでも美紗のこと信じていなかったことにたいして恥さえも感じた。

俺と美紗が苦しくなるのも、悲しくなるのも、嘘をつくのも全部お互いに信じきれていない証拠だともいえるに違いない。

止まらない涙、何時間たっても止まらない。

後悔が流れているみたいだった。

俺は自分を恨んだ。


自分にの心の弱さをうらんだ。


信じるという本当の意味を知った。


軽く口に出してしまうけれど、すごく重たくて大切な言葉。

自分に嘘をついていた時の辛さも学んだ。


本当はみんなも恐さと戦っている。

辛すぎて絶えられなくなったら、すぐに逃げ出せばいい。

自分にとって大切な人が助けてくれる。

でも自分を甘やかしてしまうとそれが、戦わない理由になってしまう。


傷ついてしまうと元には戻らない、で逃げてしまうと戻ることもできない。


自分に後悔の無いように生きないとやがて人は死を考えるだろう。


死は何も無い、最後に逃げる場所でもないいんだ。


だから生きるもの全ては戦う。


人の生きる目的はそれぞれ違うけれどみんな戦う。

生きる目的のために、目的が無い人は重大な何かを抱えているだからい、今は見つからない、きっといつかは見つかる、そしてそのために戦う。


僕は水滴だ。


水滴でも集まれば生きているものにかけがえの無い存在となる。


だから戦い、いい結果をだそうと努力する。

逃げてもいい結果が出る。

後は自分がいつ逃げるのかの調整だけすればいい。

俺も今から戦いが始まる。


生きていて、楽しくないのは逃げつづけている証拠、戦いてきどに逃げれば生きるのも悪くない。


さぁ、目的が決まれば物語の始まりだ。




END

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