来客2
「あ。」
「あ。」
たぶん同時だったように思う。
お互いがお互いを見つめあって?固まった。
そこにいたのは、
「ふ・・・」
「ふ?」
「二股さん!!」
「・・・・!!!??」
そう。そこにいたのは、遅刻の原因・・・もといさっきの二股男だった。
(やっぱりきれいなひと・・・。)
改めてみても、ほんとに「綺麗」っていう言葉が合ういとだと翠は思った。
今は、うつむいちゃってるけど。というか、なんか震えてる?
「えと、なんでここに?」
「ここがおいしいと聞いてね。」
「え?」
透き通った聲。
二股さんとは違う声だ。
カランとドアの閉まる音がして、二股さんの後ろから一人の人が顔を出す。
「はじめまして。月野さん。」
たぶん男の人だと思うけど、ニコッとやわらかく笑って、なぜか名前を呼ばれてあいさつをされた。
「あ、えっとはじめまして。」
(なんで名前を・・・。)
?マークが頭の上を飛び交う。
「君は有名だからね。知ってるんだよ。」
あの柔らかい声で言われる。
「・・・なんで考えてることわかるんですか・・・・。」
もしや、エスパー?なんて思っていると、
「ふふ、なんでだろうね?」
上品に笑って、返された。
(品のある人だな・・・。)
中的な顔立ちの柔らかい雰囲気をまとっている。
大人っぽいという感じだろうか。
「そんなにみられると恥ずかしいんだけどな。」
「や、すいません!!」
冗談だよ、と彼は笑っていった。どうやら、凝視してしまったらしい。
「いい雰囲気のお店だね。やっぱり来て正解だった。ね、二股さん?」
「誰が「二股さん」だ、誰が!」
いきなり二股さんが叫んだ。
「君以外いないんじゃない?」
「んだと!このサド魔神!」
・・・さ、サド魔神??
「うるさいよ、二股。公共の迷惑考えなよ。二股の上馬鹿なのかい?」
「いわせておけば・・・!!」
なんか、喧嘩ぽくなってるんですけど。
・・・・こうして二股と魔神の熱き?(むしろ冷たい)戦いが始まったとさ。
おしまい。