緒戦終わり、主と
(洞窟の水滴音)
(荒い呼吸)
(静まり返る空気)
ナレーション
「黒い霧が消える。洞窟は再び静まり返った」
あなた
「……ひとまず、片付いたな」
(足音)
白巫女
「主様……」
(半歩近づく)
「お怪我はございませんか。戦いの衝撃が強かった……先ほど、肩に触れたのを見ました」
あなた
「問題ない。かすり傷だ」
白巫女
「……見せてください」
(衣に触れる音)
「少し、裂けていますね……ですが深くはありません」
(静かな呼吸)
白巫女
「少し、回復させます」
(手が光る)
ナレーション
「白巫女の掌から、淡い光が滲み出る」
白巫女
「蒼生の力よ――命をここに――命癒」
(柔らかな光音)
白巫女
「……どうでしょう。痛みは引きましたか」
あなた
「楽になった」
(小さく息を吐く)
白巫女
「……よかった」
(静かな声)
「主様が前に立ってくださるから、私めは後ろで力を振るえます」
(少し間)
白巫女
「ですが……どうか、ご無理だけはなさらないでください。この洞窟の本命は、まだ奥にいる気配がします」
あなた
「分かっている。だが、お前もだ」
(小さな沈黙)
白巫女
「……私めは」
(息を整える)
「主様の後ろで支える者。それが私めの役目です」
(足音・三歩下がる)
ナレーション
「三歩。だが、その距離はいつもより少しだけ近い」
白巫女
「……ありがとうございます、主様」
(洞窟の風)
ナレーション
「二人の呼吸が、静かに整っていく」
(洞窟の奥から低い唸り声)
あなた
「行けるか」
白巫女
「はい、行けます」
(胸元に手を当てる音)
(決意の声)
白巫女
「共に参りましょう」
(足音)
ナレーション
「主が前」
「巫女が後ろ」
「その距離は――信で保たれていた」
(洞窟の奥へ歩く足音)




