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2話

私たちは目の前で起きている光景に声にならない悲鳴を上げていた。

目の前の闘技場では武器を持った大柄な人?いや、あれはゲームとかで見たことあるオーガとか言うやつだと思う。と総一郎さんが戦っていた。正確に言うとひたすら攻撃を繰り出す化け物の攻撃をひたすら避け続ける総一郎さんがいた。総一郎さんが避けた地面は砕け散っていてあれは誰が見ても一撃で致命傷だと分かるレベルだった。

「総一郎!」

先ほどから彼女さんは叫び声をあげながら闘技場を見ていた。

しばらく私たちも見ていたけど、総一郎さんがバランスを崩したようで避けそびれ攻撃が当たった。真正面から当たったわけではなかったみたいで即死にはならなかったけれども着ていた服が裂けていた。

「総一郎!

ねえ、あなたなら助けられるんでしょう!助けてよ!総一郎を助けてよ!」

彼女は小田くんの服を掴んでいた。

その様子を小田くんは面倒くさそうな顔をしながら見つめていたけど、大きくため息をはいてから立ち上がった。

私たちは小田くんが助けるために手を貸すんだと思っていた。だけど、小田くんはそっと彼女に触れただけだった。小田くんが触れた瞬間彼女は糸の切れた操り人形のようにばたりとその場に倒れた。

小田くんはその様子を一瞥してから闘技場の方に向けて歩いていった。

「総一郎!

これでいいか?」

小田くんの叫び声に総一郎さんは右手を掲げた。

化け物は総一郎さんに向かって武器を振り下ろしてきた。このままだと当たると思った次の瞬間、化け物が爆散した。

そこから先はとても恐ろしいものだった。

次々と登場する相手を総一郎さんは殴って殴って殴っていた。そして、殴られた相手は皆爆散していっていた。

「うん。」

小田くんは満足そうな顔をして再び壁に背中を預けて座った。

その様子に私たちは顔を見合わせた。

皆、目でどうする?と言っているのが分かった。だけど、誰一人として声を上げようとしない。

「ねえ、小田くん。」

私はそんな空気が嫌で小田くんに声をかけていた。

「岩谷さん。どうかしましたか?」

小田くんは私の顔を見ながら静かに言った。

「なんなの?あれ?」

私が真顔で聞くと小田くんは首を傾げていた。それから、小さく頷くと私の顔を見た。

「総一郎はああ見えても人で、男です。

だから、大好きな彼女に怖がられることは避けたいみたいですよ。多分、彼女に怖がられたり、嫌いって言われたら病みますよ。」

「え!」

私はその宣言に何も言えなくなった。

そんな嫌われたら病むぐらいに愛されているなんて、なんというか恐ろしさを感じた。

多分、総一郎さんはどこまでも一途なんだと思う。

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