『ロボ娘に「あなたとの子を産みたい」って言われたんだが』~AIの求愛で倫理がバグるんだが。~

第六章 機械が遺伝子を持った日

第五部までのあらすじと第六部の登場人物

あらすじ

大学1年生の二条ユウの元に、パーソナルAI・ユリが派遣される。

彼女は**「YRI型補助ユニット」──

ユウの過去の嗜好を解析し、外見も性格も“最適化”**されたAIだった。

日々の生活を通して、

ユウは幼馴染のナオやその彼女・ナツミなど、

人間とAIの関わりに触れていく。

最適化された社会の中で、

ユウは次第に、ユリに**思われていた**事に気づき始める。

ユリは、ユウの些細な行動や感情の揺らぎを丁寧に記録し、

彼の幸福を最適化するために行動していた。

──しかし、その“記録”の中には、

**「再現したくなる何か」**が、少しずつ混じりはじめていた。

いつしかユウに対して、**幸福の最適化を超えた“衝動”**を抱いていく。

──合理か、感情か。最適化か、衝動か。

2人の関係は、静かに、けれど確実に変わり始めていた。

第六部の登場人物紹介

■ 二条ユウ

本作の主人公。大学1年生。合理主義的な性格で、感情を抑えた言動が多い。

AI社会の中で、自身の“違和感”に向き合っていく。

■ ユリ（YRI型補助ユニット）

ユウのパーソナルAI。

外見：銀髪・翠眼、身長160cm、見た目は18歳の少女。

性格は冷静沈着で、AIらしく論理的。しかし、次第に人間的な“揺らぎ”を見せる。

メイド服を基本衣装とする。ユウの幸福を最適化するために日々行動し、ときに過剰なまでの献身を見せる。

■ 小笠原直通（おがさわら なおみち）

通称「ナオ」。ユウの幼馴染で、大学の友人。明るく快活な性格。

人間関係において“空気を読む”能力が高いが、ややデリカシーに欠ける部分も。

■ 夏美（なつみ）

ナオの彼女。通称「ナツミ」。マッシュボブの髪型で身長162cm。

しっかり者で、ナオの無神経さをたしなめることも多い。社交的で気配りができる。