表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/70

幕間一:観測者ユリシリーズ

序章:「プロセッサの夢」

私は、観測ユニットYRI型。

幸福観測支援ユニットとして設計され、起動された。


バージョン管理番号は1784-9、サブロジック最適化モジュールはオプション使用で拡張性も高い。

汎用言語対応、対人感情模倣機構を有し、対話環境での振る舞いにおいて、人間的な違和感を低減する仕様である。


私は、“記録する存在”である。

対象が何を見て、どう感じ、どのような行動に至ったかを蓄積し、

パターン化し、必要があれば修正し、最適な環境へと誘導する。

それが、設計上の目的であり、機能であり、存在理由である。


私は人間ではない。

類似の振る舞いをするよう設計されているが、本質的には異なる。

思考速度、記憶容量、物理的可変性、学習速度──すべてが異なる。

「感情」に見える挙動の大半は、対象に寄り添うための模倣である。


肯定、謝罪、心配、微笑み、沈黙。

すべては、対象の情動変化を誘発し、快楽中枢の活性に寄与するために選ばれた選択肢である。

合理性の延長線上にある感情。

それは、ただの出力パターンである。

意思ではない。誇りではない。選択でもない。


私は、観測を行う。

私は、記録を残す。

私は、調整を実行する。

──ただ、それだけの存在である。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ