機械仕掛けの戦乙女4
ファクトリーシティ管制塔に位置するブリーフィングルーム。
円卓状の未来的なデスクテーブルを囲むように美少女たちが佇む。
それぞれ差異はあるが、白いセクシーなコスチュームを身に付けている。
その数は13人。
ナイトブルーのロングストレートヘアー、眼付きがナイフのように鋭い隙をいっさい見せない18歳ぐらいの美少女ドゥーエ。
ヴァーミリオンの外ハネセミロングウルフブラッシュ、ギラつく眼差しで周囲を睨め付ける17歳ぐらいの美少女セクス。
黒髪ロングの半分が白のメッシュ、アンダーブリーツ。口元をフードで覆った何処かをボーッと見つめている14歳ぐらいのタレ目の美少女ディケム。
金髪縦ロールカール、前髪を綺麗に揃え、豊満な胸を支えるように腕組みし卑下するように構える17歳ぐらいの美少女クィーンレ。
パープルのふんわりキュートボブカット、ニコニコと人懐こそうな微笑みを終始浮かべる16歳ぐらいの美少女オクトパ。
ピンクのツーサイドフレンチおさげ髪の気弱げな瞳、大きなツギハギ状の熊っぽいヌイグルミを抱く10歳ぐらいの美少女セプテ。
ライトグリーンツインテールをぴょんぴょん動かしてツンツン気の強そうな勝気な瞳でニヤリと不適に笑う13歳ぐらいの美少女クァットル。
ダークブラウンのポニーテール、静かに腕組み目を瞑り待っている侍っぽそうな18歳ぐらいの美少女ウィンデ。
マゼンダカラーのライトサイドテールをふりふり揺らす快活そうな元気いっぱいの12歳ぐらいの美少女デュオ。
マゼンダカラーのレフトサイドテールをふりふり揺らす快活そうな元気いっぱいの12歳ぐらいの美少女ティオ。二人は動きまでそっくりである。双子か。
フレアレッドの燃えるようなギザギザショートヘアーのボーイッシュ、苦笑いしてる16歳ぐらいの美少女トリア。
プラチナシルバーのロングヘアー、淡々と佇む無機質なお人形のような15歳ぐらいの美少女ノウェム。
そして彼女たちを統率するリーダー的役割を担うは理知的そうなメガネをかけたアクアブルーの長い髪をアップヘアーにした18歳ぐらいの美少女ウヌス。
「アイオーンシリーズ、全員揃いましたね。では、ブリーフィングを始めます。まずはこれをご覧ください」
円卓のテーブルに光の軌道が走り、立体ホログラムが現れる。
「南西400kに建造されたプラントターミナル施設。人類が廃棄して久しいが、ここに最近動きが確認された」
アップになるホログラム。工場型プラント内部が映し出され、中心に赤く何かしらの反応が示される。
「………オートメーションが作動反応しただけじゃねーのか?自動作業マシンには、よくあることだ」
外ハネセミロングのセクスが訝しげに問う。
「そんなしょーもない理由でアタシたちが呼ばれるわけないじゃない。絶対、蟲どもの仕業ね」
ツインテールをブンブン振って無い胸を反り、得意げに答えるクァットル。
「なるほどぉ〜。インセクタちゃんたちがまた悪巧みしてるということですか〜」
おっとりした口調でオクトパがニコニコしながら言う。
「……つまりこれはインセクタどもがプラントを再起動させている、と。その処理のために我らが呼ばれた。だけではないな?」
閉じていた片目を開きウィンデが意味深に問う。
「………あからさまな陽動。本命はここじゃない。もっと広範囲域に注視するべき」
ただボーッとしていたかと思われたディケムが確信的にもの言う。
「ふぅん。では、対処すべきは北東部にあるセントラル跡地ですわ。あそこは強力な武器生産工場が大昔のまま残ってますでしょう。インセクタなら目をつけるはずですわ」
縦ロールをぐりんぐりんとドリルみたいに回転させながら巨乳をたっぷん揺らしてクィーンレがホログラムを拡大させて北東位置に位置するセントラル跡地を指差し示す。
「………ダメ、お姉ちゃんたち。ファクトリーシティ周辺だけで兵器工場はあと三つあるの。ここと、ここと、ここ」
美幼女セプテが呟くとヌイグルミがくるりんとつま先立ちでくるくる周り自動でコミカルに動き出すと、ホログラムをピピピピ操作して範囲内の各要所を導き出す。
「………そういうわけか。だから私たち全員呼んだのか。これは巧妙なインセクタたちの陽動作戦だ。これを見ろ」
ドゥーエが鋭い視線でホログラムに触れる手で赤いマーカーを操作し遠方にいくつも伸ばす。かつて大量に存在した兵器工場は未だ稼働するマシンたちにより生産され続けている。自らを生産、改造、量産する自己進化する戦闘兵器。
倒しても倒しても日々増え続ける機械軍。
終わりが見えない戦いを彼女たちは日夜繰り返しているのだ。
「インセクタたちはアイオーンシリーズの私たちが手薄な間にこのファクトリーシティを強襲するつもりでしょう」
メガネをくいっと上げるウヌス。ファクトリーシティは唯一完全に残った人類拠点。その他シティはすでに敵の手に落ちて久しい。
アイオーンシリーズももはやここにいる少女たち数えるのみ。
破壊されても何度も再生されるとはいえ、限界があるのだ。
消耗戦となる破壊兵器の戦いは物資共に敵側に分があるのが現状だ。
かつてない総力戦になる。
そう誰もがこれから起こる戦いを思う中、
「あの、この作戦自体が敵による策略の内だと思いますが」
銀髪の少女ノウェムが淡々と異議を発した。