その1
新章に入りました。これからはヒロインも増えていくかも……
ということで、これからもよろしくお願いします
休日が終わると、当然のことだが平日がやってくる。そう、魔の月曜日だ。
当たり前だが、既に起きる時間は回っている。そんな俺が今どこにいるのかと言えば、お解りの通り我が布団だ。
冬の寒さはないため起きるのは余裕だが、どの季節にも存在する、休み明けの月曜日には敵わない。ここはもう一眠り……
「お兄ちゃん!? 朝だよ!! 」
その時、妹の瑠香がバァン!! と漫画なら大きく擬音が入るくらいの勢いで俺の部屋の扉を開けた。
俺はそれを確認すると、布団に潜り絶対守護領域を展開させる。
「って、なんで布団に潜るの? 起きなさい!! 」
瑠香は容赦なくカーテンを開けていく。暗かった部屋が一瞬にして太陽光を取り込み、部屋全体を明るくする。
全く、俺が吸血鬼なら即死だったぞ。
「もう!朝は忙しいんだからお兄ちゃんを構ってる暇はないの!早く起きて!」
瑠香は俺に跨ると、スター○ラチナの如くラッシュをお見舞してくる。
華奢な妹のパンチはあまり痛くないように感じるが、威力は相当なものでかなりのダメージを受ける。同じとこを集中的に殴ってくる辺り、うちの妹は頭が切れる様だ。
痛いし、そろそろ起きるしかないか……
「ちょ、瑠香!わかったよ、お兄ちゃん起きますよ! 殴らないで~!」
「もう、起きるのが遅い!! 遅刻したらお兄ちゃんのせいだからねっ! 」
瑠香は不機嫌そうに布団から下りると、そさくさと部屋を出ていってしまった。
妹のいなくなった部屋で俺は三分プラスで睡眠を取るのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
我が布団からの脱出に成功した俺は、制服に袖を通し、髪を軽く整え、妹の作っておいてくれた美味しい朝ごはんを食べてから家を出た。
玄関を開けると、春の風が俺を迎えてくれる。その風は暖かく、まだ春だと言うのに少し暑い気がした。
いや、気がしたではない。暑い。なぜって?決まっている。俺は玄関を出てすぐ、全速力で走っているからだ。ミサイルの如く自転車を飛ばし最寄り駅まで駆け抜けている。
春風や太陽が輝かせた青春の通学路を俺というミサイルがぶち壊しながら走る姿は哀れとしか言いようがない。
全く、朝から何やってるんだか。
数分後、俺は無事最寄り駅に到着した。いつもの電車には間に合っているためセーフだ。(かなりギリギリだが)割と寝ても間に合うように行動している俺って賢すぎる。
「ふぅ。明日は早く起きよう……」
そんな独り言をボヤきながら、駅のホームに突っ立っていると、電車はすぐにやってきた。普段は早めに行動しているため、駅のホームで待つ時間があったが、今日はギリギリに来たせいで待ち時間などほとんどなかった。
うむ、待ち時間がないっていいな。明日もこの時間に来よう。
しばらく電車に揺られたのち、乗り換えの駅に到着した俺は、電車をおり次の電車を待った。多くの人が乗り換えに利用する大きめの駅なので、今日も会社員や学生で溢れている。
疲労感からか人混みがいつもより鬱陶しいが、こればかりは自業自得なので諦めるしかない。
人が多いプラットフォームに立ち、電子掲示板で次の電車の時間を確認したあと、適当にスマホを操作していたら、後ろから声をかけられた。
「よっ!秋葉~」
振り向くと、そこには同じクラスで俺の後ろの席の、大塚がいた。
久しぶりだから軽く説明すると、自己紹介の時にイケメンオーラ出しまくってたキラキラした陽キャだ。
フルネームは、なんだっけ?あー、大塚春樹だ。確かね。
「お、おう。」
俺こいつ苦手なんだよな。陽キャ感が距離を感じさせるっていうかさ
「なんだよ、元気ねぇーなぁ」
大塚は俺のゲッソリとした顔を見ながら言う。
「いや、めっちゃ元気だよ。なんなら、頭取り換えたてのアソパソマソより元気だよ」
「なんだそれ、意味わからねぇーよ」
大塚は笑いながら俺の肩に手を回す。なんで陽キャはこんなに距離が近いんですかね……
「んで、なんで大塚がいるわけ?」
「んー?俺は毎朝この時間にいるよ。秋葉が毎日プリントと睨めっこしてはため息ついてるし、たまに上野さんと一緒に歩いてたりするから話しかけられなかっただけだ」
こいつ、全部見てたのかよ
「盗み見とは、趣味が悪いな」
「あっはは、一応気を使ったんだぜ?」
大塚は笑いながら俺の肩を叩く。いや、痛いんですけど
「いってぇ!お気遣いどうも」
「気にすんなって」
これまた、どこかから取って付けたようなイケメンスマイルを俺に向ける。
周りにいる女子高生がめっちゃ見るからやめろよそれ。
そうこうしているうちに、プラットフォームにアナウンスがながれ、電車が到着した。既に車内も人がいっぱいだ。憂鬱な気分と共に俺たちは車内へと足を踏み入れた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
月曜日だろうが、金曜日だろうが、人以外はそう変わるものではない。
今日も光明高校の校舎はライトノベルに出てくる魔法学園みたいな見た目だ。
白を基調とした外装に、金色のラインが入った外装は、太陽の光を反射させとても眩しい。
何度見てもラノベの世界観に巻き込まれた、という錯覚を与えてくれるこの校舎自体も俺の脱ヲタを邪魔している気がする。(この高校を選んだのは俺なんだが……)
「んでさ~お前が上野さんと付き合ってるんじゃないかって噂になってて~」
素晴らしい校舎には興味無い大塚は、駅からずっと1人で喋っている。
俺の会話のボキャブラリーは貧困で、基本は「うん」「それな」「わかるわー」しかない。
それでも会話が成り立つ?辺り、こいつはかなりアホだ。
「わかるわー」
「え?まじ?付き合ってんの?」
「あー、うん」
「はぁ!?お前もっと早く言えよー」
なんだ、こいつ。急にでかい声出しやがって
「ん?何が?」
「だから、お前上野さんと付き合ってるのかって話。今、うんって言ったよなぁ?」
「いや、付き合ってるわけないだろ。」
大塚は少し考える素振りを見せてから
「お前、俺の話聞いてないだろ?」
いや、今更かよ。考える必要も無いだろ
「き、聞いてたよ。だから、俺は上野とは付き合ってない。」
「そっかぁー仲良さそうだから付き合ってるのかと思ってたわ」
まぁ、実際入学当初からあんなヲタトークを繰り広げていたらそんな噂をされても否定はできない。過去の俺だったら黙れクソリア充がって思ってたかもしれないしな。
「俺みたいなブサイクによってくる女など俺から願い下げだ」
「まぁ、確かにな~」
大塚は俺の頭からつま先までじっくり見てからそう言って笑った。
ダマレミタメダケノクソッタレイケメンガ
「そーゆー、お前はどうなんだよ。彼女いるのか?てか、イケメンなの利用して女を食べまくってる感じか?」
「おぉ、なんだ?急に毒舌だな。俺も彼女いねぇーよ。ほら、俺って2次元にしか興味ないからさ」
え、今こいつなんて?
「おい、お前今なんて言った?」
「ん?彼女いねぇーよって」
「その後だよ」
「2次元にしか興味ないって言った」
「お、お、お前もヲタクかよ!」
どうやら俺はここにもヤバいやつがいたのに気づかずにスルーしてしまっていたらしい。
「ていうかさ、お前もヲタクだろ?秋葉。」
って、おい! バレてるし
「い、いやぁー、そんなわけないだろ?」
「無駄だぞ?上野さんとの会話で分かってるつーの。」
まじかよ。まぁ、知識ある人間が俺と上野の会話が聞いていたら気づくのは当たり前か
「そうだよ。正確にはそうだった。もうやめてる。」
俺は仕方ないのでここまでの経緯を全て話した。
「そうだったのか……辞める必要ないと思うんだけどな」
大塚は顎に手をやり、真剣な顔で言う。
それにしても、上野に大塚……俺はヲタクに囲まれてしまっていたとは……もしかしたら、大塚以外にも勘づいてるやつもいるかもしれない。
と、なると……マジで俺の脱ヲタ計画どうなんの??
ご愛読ありがとうございました。
よろしくければ、評価、ブックマーク、感想をよろしくお願いします!
次はいつになるかわかりませんが、気長にお待ちいただけると嬉しいです。
この作品を書くにあたって、ご協力して頂いた友人には感謝しております。
これからも協力願います




