プロローグ
初めての投稿です。ご指摘やご意見、感想頂けると嬉しいです。
ご気楽にご覧下さい
皆に質問したい。ヲタクはヲタクであることを隠すことは許されるのだろうか。否か。
俺、秋葉誠はこれについて今、15年間の短い人生のなかで1番悩んでいる。
なぜ、この疑問に行き着いたのかと言うと、ざっとこんな感じだ。
俺は高校受験を成功させ、この春、光明高校に入学することになった。
光明高校は家からかなり距離があるため俺が”ヲタク”であることを知る人物、つまり中学からの同級生がいない。
ということは、俺が新しい人間関係を築き、高校生らしいバラ色の青春を送れるかもしれないということだ。
ここまでの条件を揃えた俺だったが、ここで今回の疑問に行き着いた。
それは、俺自身が変わることだ。髪型や服装などの見た目は妹に頼み込み、春休みの間にかなりイメージチェンジすることに成功した。
が、それはあくまで外見だけの話しだ。
大事なのは中身なのだ。
見た目が変わってもヲタクであることを変えなければならない。
最近はヲタク差別も無くなってきてはいるが、やはり全て受け入れられるわけではないし、中二病×ガチヲタの俺がこのまま行けば確実に青春どころか不登校だ。
100パーセント言い切れる。
ここらで、ケジメをつける必要があるのだ。俺はグッと拳を掲げ、本棚のライトノベルをダンボールへと入れていく。
「さ、さすがに、捨てるのは勿体ないからね……うん……」
そして、本を詰め込んだいくつかのダンボールをクローゼットへと滑らせた。
ひと段落ついたぜ、と汗を拭っていると
「むぅ!お兄ちゃん?それはどうするつもりなの?」
声の主の方へと視線を向けると、部屋の入口にツインテールの少女がいた。
俺の妹、秋葉瑠香だ。
瑠香は1つ歳下の妹なのだが、今日は片付けの手伝いを頼んでいた。
俺は片付けが得意ではないので、こうして物を捨てない方向へと考えてしまう。それを止めて貰うためにお願いしたのだ。
「ど、どうするって、決まってるだろ……コレクションを封印するのだよ……」
「へぇー、お兄ちゃんが私にした依頼はなんだっけ?」
「へ、部屋の片付けです…」
妹の威圧と、視線で声が小さくなる。情けない……
「じぁ、そのダンボールは?」
「え、えぇと……」
「そのダンボールは?」
「その……これは……」
「はぁ、そのダンb…」
「捨てます!!いやー、こんなの取っておいてどうすんだよ、全くもう~あは、あはは」
俺はダンボールをクローゼットから出すのだった。
何これ……思ってたよりしんどい……
俺自身はまだまだだが、バラ色の青春のためなら変わってやる!
可愛い彼女作って、ライトノベルのような青春を送ってみせるさ
そのつもりだったのに…3次元はいつだって3次元で2次元にはならないことを俺は忘れていたのだ。
本日はこの作品を読んでいただきありがとうございました。
かなり頑張って書かせて頂きました。
この作品を書くのにあたって、お手伝い頂いた関係者の方々、ありがとうございました。
この作品をこれからもよろしくお願いします
二週間に1回をペースに投稿させていただきます。
※早い時もあると思います。