07 準備と森の奥
ん、朝か。あれから1か月、俺はリムとともにモンスターを倒しまくった。
そして、今のステータスがこれだ。
名前:ヤナギ・タクシ
年齢:16歳
種族:人間
状態:普通
ステータス レベル31
HP:420
MP:310
攻撃力:316
防御力:298
魔力:270
敏捷:283
器用:260
運:23
≪スキル≫
戦闘系スキル
剣術8 身体能力強化3 回避5
魔法系スキル
火魔法5 風魔法2 水魔法3 土魔法2
感知系スキル
気配感知3 危険感知2
補助スキル
鑑定2 超回復2
日常スキル
熟睡3 料理1
特殊スキル
空間収納 スキル整理 成長促進大 取得経験値5倍 スキル成長大 従魔
≪ユニークスキル≫
絶対適応能力 反物質
俺はこの1か月の間にいろいろ便利なスキルを作った。特に空間収納は持ち歩く物が減り、狩などがやりやすくなった。
反部質様様だ、しかしこの万能にも思えるスキルだが、作り出せる物はあくまでイメージがしっかり出来る物に限られる。その証拠に空間収納に時間停止の能力を付けようと思ったが。時間停止という概念をイメージ出来ず失敗に終わった。そこで俺は時間停止ではなく時間が緩やかに進むイメージにすると成功した。
どうやら余りにも度を超える物は作れない様だ。
それにしても、かなり強くなったな、この辺りのモンスターではそろそろレベルが上がりにくくなってきた。
このレベルなら明日にでも森の奥に行ってもいいだろう、それに、森の生活は飽きた。食事は味気なく周りの景色も木だけだ、これで飽きない方がどうかしてる。
そうと決まったら、森を抜ける準備の為に、狩りに行く。
「おっ、いた」
少し離れた所にイノシシが見えた。
『ご主人、イノシシいるいる』
ああ、まかせろ、俺は飛び出し。
20メートルほどある距離を一気に詰めイノシシにタックルした。
イノシシは吹き飛びそのまま動かなくなった。
『ご主人、すごい、すごい』
リムは俺を称賛しながらこちらに向かってくる。
リムは大きくなりバスケットボールほどの大きさに成長し強さもモンスターを吸収することで飛躍的に強くなった。
だが性格はまだ子供のようだ。
俺はイノシシを収納し、それから4匹ほど狩り洞窟に戻った。
これで明日の準備は整った。
後は寝るだけだ。
しかし最後にやりたいことがある。
それはお風呂に入ることだ。
俺は明日に向け英気を養う為にお風呂を作ることにした。
まず、土魔法で浴槽を作り、そこに水魔法で水を入れる。これは時間がかかりそうだったのでリムにも手伝ってもらった。
そして、近くにある石を火魔法で熱し風呂に投げ込んだ。
適切な温度になると石を取り出し、リムと一緒にお風呂に入る。
とても気持ちいい、どんどん今までの疲れが取れていく。こんなことなら初めから作っておけばよかった。まあ、今更だが。
お風呂から出るとリムが。
『ご主人、おなか減った!』
そう言いながら足に体を擦り付けてくる。
「そうだな飯にするか、今日はここでの最後の晩餐だ豪華に行くぞ」
『やったー!』
まあ、調味料がないから肉を焼くだけなんだがな。
食事を終えた後、草を敷き詰めた床にリムを寝かせ、俺も隣で就寝した。
目覚めるとお腹の上にリムが乗っている。
こいつはほんとにここが好きだな。
リムを起こして朝食をしっかり取り。必要なものを収納し洞窟を後にした。
20分ほど歩き、俺はまだ足を踏み入れてない場所に進む。
「リム、ここからはまだ行ったことのない場所だ。気を引き締めていくぞ」
『わかったー!』
俺は危険感知と気配感知を使い慎重に進む、しばらくすると複数のゴブリンがやってきた。
俺とリムは、それぞれ魔法を唱える。俺の唱えるファイヤーアローは、小さな火の矢を複数飛ばす魔法だ。リムの唱えるウオーターカッターは水を刃に変え切り裂く魔法だ。
「ファイヤーアロー」
『ウオーターカッター!』
俺の魔法で5匹、リムの魔法で3匹、計8匹のゴブリンを撃退した。
俺はゴブリンを収納した後、更に奥へ進んで行く。
そして急に木々が一つもない平たい場所を発見した。
その目の前に広がる光景はゴブリンの集落だった。