06 名前付け
俺は今ゴブリンと向かい合っている。さっきまで水を探していたが、その途中でゴブリンと遭遇し今に至る。そういえば、ステータスが上がってから一回も戦っていない。ここでどれだけ強くなったか確かめさせてもらう。
俺はゴブリンに突撃し一振りで首を切り落とす。あまりの剣の抵抗のなさに一瞬呆然とする!
「え!」
まさかここまで成長してるとは、普通のゴブリンといえど前ならもう少し手こずっていたはずだ。
俺は水を探しに行く間再びゴブリンに襲われたが全て一撃で倒していった。
一通り探索したが、残念なことに水は見つからなかった。しかし第二目標であるレベルを上げることには成功したのでよしと思おう。
そのあと洞窟に戻る間にもゴブリンやスライムが襲ってきたが全て俺の経験値にした。
洞窟で残り少ない食料をスライムと食べながら、俺は水をどうするか考えていた。水の残量は500mlのペットボトルあと一本分、明日には見つけなきゃまずいかな?
俺は昼の間スライムとゴロゴロしていると、あることにきずいた。スライムに未だ名前を付けていない、今までスライムと呼んできたがそれではあまりに味気ない、なのでスライムの名前を決めることにした。
「スライム今から地面に名前を書いていくから、気に入った名前を選んでくれ」
スラ
ラム
ライ
イム
リム←
スイ
「リムか、いい名前だ。これからもよろしくなリム」
『よろしくご主人』
「ん?頭の中に少女の声?幻聴か?」
『ご主人?』
「まさか、リムか?」
『そうですご主人』
「なんでお前喋っているんだ?というか頭の中に直接聞こえてくる」
『ご主人が名前を付けてくれたら喋れるようになりました!』
「名前?どういうことだ?」
『ご主人ステータスを見てください』
名前:ヤナギ・タクシ
年齢:16歳
種族:人間
状態:普通
ステータス レベル3→5
HP:26→40
MP:10→20
攻撃力:13→23
防御力:8→17
魔力:10→17
敏捷:15→28
器用:13→21
運:6→8
≪スキル≫
剣術2 火魔法1→2 回避2 熟睡2 超回復1 New従魔
≪ユニークスキル≫
絶対適応能力 反物質
(従魔)モンスターが主と認めた者だけに贈られるスキル、主がモンスターに名前を付けそれを受け入れると契約完了。契約したものは念話で話すことができる。(ステータス観覧可能)
これのせいか!
『ねぇねぇご主人』
「どうしたリム?」
『ご主人水必要?リム水出せる』
「!!!ほんとか?」
『ん、リムできる。ご主人、半透明ちょうだい』
「半透明?ペットボトルのことか!」
俺は空のペットボトルの蓋を開け、リムの目の前に置いた。するとリムは体から細長い管のような物をペットボトルに差し込み水を注入した。
「リムは水魔法を使えるのか!」
『ご主人、欲しくなったらリムに言う!』
これは、大収穫だ!まさかリムが水魔法を使えるとは、確かにスライムのイメージと聞かれれば水だが、リムはまだ子供のスライムだ。リムはもしかしたら、将来化けるかもしれないな。
「リム狩りに行くか」
『行く!』
森を探索していると目の前から複数のゴブリンがこちらに向かってくる。その複数のゴブリンの内、剣を背負い後ろの方を歩いてる奴は緑色のゴブリンだ。
緑色のゴブリン・・・この前に苦戦させられたゴブリンの上位種、だが今の俺ならいける!
俺はまず雑魚を蹴散らす為にレベルアップした火魔法を使う。
「ファイヤーボール」
「ファイヤーボール」
「ファイヤーボール」
レベルアップしたファイヤーボールは前のものより一回り大きくなっており、容易にゴブリン達をほふり去る。そして、緑色のゴブリンに射線が通った瞬間、俺は再びファイヤーボールを放つ、ファイヤーボールは剣に阻まれたが、その瞬間、隙ができ懐に入り込む、そして剣を振り胴に切りかかりゴブリンの体を切断した。
「ちっ、少しかすったか」
最後の瞬間ゴブリンの剣が肩に僅かだがかすった。しかしこの程度なら超回復のスキルで直ぐに治るだろう。
それから俺は、リムが見つけたウサギを狩り洞窟で晩御飯を食べ就寝した。
名前:ヤナギ・タクシ
年齢:16歳
種族:人間
状態:普通
ステータス レベル5→8
HP:40→65
MP:20→36
攻撃力:23→37
防御力:17→34
魔力:17→28
敏捷:28→46
器用:21→36
運:8
≪スキル≫
剣術2→3 火魔法2 回避2 熟睡2 超回復1 従魔 New気配感知1
≪ユニークスキル≫
絶対適応能力 反物質
名前:リム(レアスライム)
年齢:2か月
種族:スライム
状態:普通(従魔)
ステータス レベル1 ランク1
HP:2
MP:3
攻撃力1
防御力:2
魔力:5
敏捷:1
器用:2
運:10
≪スキル≫
水魔法1
≪ユニークスキル≫
吸収
(吸収)モンスターを吸収することで、そのモンスターが持っていたスキルとステータスを一定の確率で少し奪うことができる。