58 不穏
洞窟の奥から武器を持ったコボルト4匹が襲い掛かってきた。
コボルトかステータスを見るまでもないな。
剣を抜き、切っ先をコボルトに向ける。走る勢いが一瞬止まった。それは常人から見れば僅かな隙だったがしかし俺にはそれで十分。
地面を思いっきり蹴りコボルトの隙間をすり抜ける。
「グギャ?」
コボルトには何が起こったかは分からなかっただろう。自分の命が失われたことどころか、首がなくなったことにも気付かない、それほどの速さで首を飛ばした。
剣を鞘に納めコボルト4匹を収納する。
「流石に首はいらないだろう、ファイヤーボール」
『ご主人!おはよう!』
「起きたかリム」
『ここ何処?』
「ああ、ここはエルナノ街のダンジョンの中だよ」
『そうなんだ!』
リムは相変わらずの様だ。
リムはお腹が減ったといいここで出会ったモンスターを片っ端から吸収していった。
そして直ぐに2階層の入口に着いた。
螺旋の階段を下る。
2階層は荒野のエリア、時々地面から尖った岩石が顔をのぞかせ、挑戦者の行く手を遮るように、立ちはだかる高い岩もあった。
此処ではゴーレムがあちらこちらに跋扈しており、一定の範囲に入ると襲いかかって来た。
リムは次々に魔法を放ちゴーレムを粉砕吸収しながら前に進む、俺はその流れ作業のような工程を見ているうちに3階層の入り口へと着いた。
第3階層も同じく荒野、違うところといえばゴーレムの強さぐらいだ。
ゴーレムは先ほどの階層よりも大きくなり4メートルほどのでかさで襲い掛かってくる。
「リム俺がやる」
そう言いゴーレムに拳をぶつける。
「硬い」
そうかスキル硬化で強化したのか。
ゴーレムの拳を避け魔法を唱える。
「エアカッター」
エアカッターは胸部を切り裂き二つの物体となって倒れていった。
「リム吸収するか?」
『する!』
吸収が終わった後、敵をなぎ倒しながら進む。
一気に来たな、4階層に下り進む。
「相変わらず荒野だな」
しばらく進むとゴーレムの大群がこちらに襲い掛かってきた。
これはラッキーだ。一気に経験値が習得できる。
その前に、スキル反物質発動。
名前:ヤナギ・タクシ
年齢:16歳
種族:人間
状態:普通
ステータス レベル87→90
HP:1163→1198
MP:956→974
攻撃力:999→1018
防御力:935→951
魔力:930→957
敏捷:1014→1054
器用:900→925
運:39→40
≪スキル≫
戦闘系スキル
剣王6 身体能力強化9 見切り1 腕力強化7 脚力強化6
魔法系スキル
火炎魔法1 風魔法6 水魔法5 土魔法6
感知系スキル
気配感知7 危険感知7
補助スキル
鑑定7 超回復3 生命力強化6
日常スキル
熟睡4 料理1
特殊スキル
空間収納 スキル整理 成長促進大 取得経験値5倍 スキル成長大 従魔 契約無効 経験値共有 必要経験値5分の1 通信 New縮地
≪ユニークスキル≫
絶対適応能力 反物質
(縮地)一瞬で離れた距離を縮める事が出来る。移動できる距離は1メート=MP1で決まる。
きた!
出来れば文字のスキル習得したかったがそんなことはいまは言ってられないからな。
さて、さっそく使ってみるか。
「縮地!」
ゴーレムの後ろに瞬間移動した。
剣王技、超連撃斬!
超連撃斬、新たな剣王技、連撃斬と違い決まった斬撃数はない、6~20の斬撃がランダムで一振りの斬撃に込められる。
ゴーレムの間を華麗に通り過ぎる。
今回は12の斬撃が出たようだ。
15匹いたゴーレムが3匹まで減った。
『リムがやる!』
リムは風魔法で一匹切り裂き、もう一匹をそのまま吸収する。
もう一匹はリムに拳を繰り出してくる。
リムはそれを避けず硬化を使い、ガードした。
「すごいな」
同じ硬化を纏った拳が砕けちった。
ゴーレムはもう一方の腕を振るうが、あっさり躱され、吸収された。
『ご主人終わったー!』
「そうか行くぞ」
『わかったー!』
ゴーレムを収納した後、5階層まで来た。
ここからは途中までしか地図には載っていないので少し時間がかかりそうだ。
5階層に下り周りを見る。ここも荒野だ。どうやらここのダンジョンは荒野ステージが多いようだ。
暫く進むと、声が聞こえた。
うん!こんな所に人が?
かなり高位の冒険者か?
俺は近くの岩場に隠れながら気配を殺し見えるところまでゆっくりと近付いた。
あれは?
黒いフードを頭までずっぽりとかぶった4人組が何やら話している。
耳を傾け聞いてみる。
「おい、もうそろそろいいだろう、エルガル当主をアバルス派に付くように言っても」
「ああ、奴隷の腕輪を外す条件に仲間にしろというのがオマス様の命令」
「あそこの当主はかつてSランクまで上り詰めた実力者、仲間に取り込めばいい戦力になる」
「そうよ、私達の任務はオマス様の計画を実行に移すためにアバルス王子を利用すること、その為にもさっさと終わらせましょう」
「やめろ、誰が聞いているか分からない」
「そうだ」
「ふん、こんなところまで誰も来ないわよ」
「おい」
「!」
「!」
「!」
「!」
「その話、詳しく聞かせてくれ」




