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54 森と準備

 エリスと別れた後、大臣が兵士を呼び、私を馬車で試練の森とやらに連れて行きます。はあ、タクシ様と連絡していいでしょか、いえ、タクシ様、何やら忙しそうな事をしてそうです。ここは我慢しましょう。そんな事を考えていると、前から声がかかる。


 「もうすぐですよ」


 30才程で気弱そうな兵がそう言います。

 馬車を走らせ3時間、青々とした巨大な森が見えてきた。ここで私は一週間レベル上げをしてアバルスとか言う奴の部下と戦う。


 「それにしても貴女は何者ですか?姫様とも知り合いなんて只者ではないですね、もしかして、姫様の切り札とかですか、まあ、何にしろ姫様と仲良くしてやって下さい、昔から友達がいなくて寂しい思いをしてきたでしょうから」

 「エリスのことよく知っているんですね」

 「ええ、私は大臣の護衛を古くからしています。姫様が小さい頃はよく大臣の部屋で遊んでいました。その関係で私も顔見知りなわけでして、王子との一件でギスギスしているのも知っております。ですからどうか姫様をよろしくお願いします」

 「できることはします」

 「ええ、よろしくです」


 たわいもない雑談をし森に到着した。

馬車から降りると、御者の兵士から、せたらのに丁度いい中ぐらいの紐付き革袋が手渡された。

 

 「その袋に1週間の食糧と水を入れておきました。それではまた一週間後に来ます。それではお顔つけ下さい」


 そういい、馬車は王国に向かう。受け取った袋には携帯食で一週間分、あまりかさばらないような物ばかりが入っています。軽くて結構です。

 森に足を踏み入れる。普段より強い気配が周りにします。これは一筋縄ではいかなそうです。

 短剣を両の手に構える。一つはタクシ様に以前買っていただいた短剣、もう一つはタクシ様に頂いた新たな短剣、その二つを持ち森を慎重に歩いていく。森は青々とした巨木がそこら中にあり高さも30メートルはある。しばらく歩くと近づいてくる気配があるのが分かった。

 

 「あれは」


 初めて見るモンスター緑色のトラのようなモンスター、四足歩行で爪は鋭く、歯はこれでもかというほどに尖っている。そして涎を垂らしこちらを凝視してくる。どうやらこちらを餌だと思っているようですね。

どちらが餌か教えてあげましょう。


 「ん!」


 危険感知に身を任せ、咄嗟に地面を蹴り、横腹を見る。一瞬の判断で横に飛んだ。革の鎧が切り裂かれている。あと少しでも遅ければ・・・なるほどこれが試練ですか、奴隷制度の廃止の為に、私には力が必要です。それにはここは恰好の場所の様です。

 振り返り、集中する。確かに速かったですが見えないわけでもありませんでした。これなら・・・トラは地面をへこませるほどの脚力で首元に襲い掛かってくる。しかし地面がへっ込む瞬間を見逃さない、その瞬間にすでに行動を起こし横に避ける。そこから流れるような動きで空中にいるトラの腹にブラッドダガーを差し込む。


 『ギャーオーー』


 トラは低いうなり声をたて、再びこちらを襲う、しかし先ほどのスピードはなく、紙一重で避け懐に仰向けになるような格好で滑り込み、腹を見上げ中心を短剣で切り裂く。トラは着地を誤り頭から地面に激突する。


 体勢を立て直し立ち上がろうとする。しかしトラの腹に深く突き刺さった短剣がそうはさせない、トラの身体は見る見る内にしぼんでいく、表面から血の気が引くころには動かなくなっていた。


 短剣を抜き、腰に刺す。

 そしてステータスを開く。

 


名前:エマ

年齢:11歳 

種族:獣人(犬)

状態:普通

ステータス レベル58→60

HP:668→681

MP:428→446

攻撃力:563→585

防御力:532→548

魔力:498→513

敏捷:598→623

器用:547→567

運:25

≪スキル≫

苦痛耐性3 料理2 裁縫1 身体能力強化8 忠誠8 短剣術9 腕力強化6 回避7 神聖魔法4 光魔法3→4 脚力強化5 集中6 危険感知4 気配感知5

≪ユニークスキル≫

勇者

 


 タクシ様との経験値共有は切られています。これからは自分の力だけで戦っていかなければいけません、取りあえず運以外のステータスを600以上にすることを目指しましょう。


 森の奥に足を進める。先ほどのモンスター予想以上に強かったです。ここからは最大限の警戒をしながら進みます。



-------------ーーーーー


 「エリス様、もう少しお腹を引っ込めてください」

 「ティーヤ、これ以上は無理です。もう勘弁してください!」

 「いえ、今からアバルス様とお話をされるのです。今までの服装ではいけません」

 「・・・分かっています。お兄様に試合を申し込みに行くのです。これを了承してもらえないことには話が進みません」

 「でしたらまずは、お腹を引っ込めてください」

 「分かっています!でもコルセットは嫌いです。お腹が痛くなります」

 「それでもエリス様はこの国の王女様!それらしい格好をしないといけません」

 「ううっう、分かりました。やってください」

 「はい」

 「痛い、痛い!・・・はぁはぁはぁ、久しぶりなのできついです」


 さて、準備も整ったことですし、そろそろお兄様のところにまいりましょう。覚悟して下さい。

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