53 帰還
最近少し多忙でタイトな時間を過ごしています(泣き)
それはともかく、最近暑いので熱射病にはお気を付けください。
後ブックマークありがとうございます。
王国に着き、門で検問を受け、中に入り直ぐに徒歩で城に向かいます。
途中でエマ様がお腹を鳴らし恥ずかしそうにこちらを見ました。とても可愛かったです。近くの屋台で串肉を買い食べながら我が家に向かいます。
王城は周りに溝があり正面の門を通らなければ中にはいけません。門に近付くと門の左右に兵が槍を持ち警備しています。ここで騒ぎ立てたくは無いですが仕方ありません。一息つき、足を前に進ませます。
「まて!何者だ!ここがどこか知っているのか!」
「貴様ら、この方をどなたと心得る!お前達が守るべき者の、1人では無いか!」
横でティーヤがそう言うと兵士達は気づいたようで一気に緊張し敬礼してきた。しかしそれと同時に周りの注目を集め、こちらに視線を集める。
「はあ!失礼しました。まさか王女様とその騎士様とは知らず大変無礼な事を、しかし隣にいる人物はどなたなのですか?」
「この方はエリス様の友人だ。それより早通せ」
有無を言わせない威圧を感じさせる態度でティーヤは言います。ティーヤは王国でも有数の騎士、更にダンジョンで経験を積み更に強くなった。その威圧は兵士たちは委縮させ、すぐさま道を開けさせる。
「失礼しました!」
兵士達のその言葉と同時に、後方から声が耳に聞こえる。どうやら、後ろにいる人達が私の噂をしているようです。耳を傾けると、王女様が何故ここにいるや、あの方が王女様など口々に騒いでいる。早く行かなければ。騒ぎになりそうです。
「行きましょう。エリス様、エマ殿」
そう考えていると、思いが伝わったようかにティーヤがそう言い、兵士たちの横を通り過ぎ行く、すると背後でばさりと言う音が聞こえた。そこに映る姿は糸が切れ疲れはてた人形のように座り込んだ兵士がいた。そんなに怖かったのでしょうか?ティーヤはそこまで強くなったのでしょうか。そう考えながら王城の庭を通り過ぎ城の中に入ります。
中に入ると仕事をしていたメイドたちが慌てて頭を下げてきますが、それを無視し大臣の元に向かいます。
大臣はお父様の相談役で小さい頃から親しんでいる方です。お父様が倒れてから大臣は王城の維持の中、政務に勤しんでいます。恐らく今はお父様の仕事部屋にいるはずです。速足で向かいドアを叩きます。
「いますか大臣」
「その声は!」
扉の向こうから声が聞こえて足音が近づいて来ます。
どうやら気付いたようです。
「やはり姫様でしたか、それにティーヤも、お二人共ご無事で何よりです」
優しく人当たりの良さそうな顔で話してくれます。
私にとって大臣はおじいちゃんみたいな存在です。幼少期はよく遊んでもらいました。
「大臣もご無事で何よりです。それで王国の現状はどうですか」
大臣が難しそうな顔をし、一言。
「よくはありませんね」
「そうですか・・・」
「特に以前から王に反対していた勢力がアバルス様に集まりつつあります。このままでは本当に異世界に踏み込むことになります」
「それだけは何として止めなければいけません、大臣私に味方する勢力に連絡をしてください。それとエマ様には1週間後に模擬戦をしてもらいます」
「模擬戦?」
「はい、お兄様の部下の戦士と戦って勝っていただきます。そうすることで優勢感をアピールするのです。そしてお兄様の勢力を徐々に追い込んでいきます」
エマ様はしばらく考え同意してくださいました。
「あの、姫様この方は?」
大臣が不思議そうな顔で聞いてきます。
「この方は勇者のスキルを持った救世主です」
「勇者のスキル!それはまた凄い人物を連れてきましたね。なるほどそれで模擬戦というわけですか、しかしアバルス様の部下は一騎当千のつわものばかり、その中には名を馳せた冒険者もいます。それに最近それこそアバルス様の部下に勇者のスキルを持った物がいるという噂です。大丈夫なのでしょうか?」
「それは初耳ですが、しかしそのためにも、これから王国に伝わる試練の森に入っていただきレベルを上げてもらいます」
「なるほど、しかしあそこはあまりに危険ではないですか?あそこは今では秘境の地、森に結界が張ってあり、森からモンスターが出てきませんが、足を踏み入れたら最後終わりだといわれております」
「だからこそです。失礼ですが今のエマ様ではまだ勇者としては経験不足、そのために急激なレベルアップと経験を積んでもらいます」
「姫様がそこまで言われるなら、分かりました。では兵の者に試練の森まで案内させましょうか?」
「はい、お願いします。私はこの後やることがあるので」
「エマ様、申し訳ありませんが・・・」
私がそう言おうとした時、手のひらを前に出し制止されました。
「エリス、私は私のやりたいことの為にはなんでもするつもりです。それとこれからは私のことは呼び捨てにしてください、王女が一介の人物に呼び捨ては不味いでしょうし、それに友・・・」
「エマ様!いえエマその続きを聞かせてください!」
「いえ、何も言ってませんよ」
「嘘ですーーーーちゃんと言ってほしいです」
「・・・また今度です」
尻尾を腰に巻きつけ可愛くそう言ってきます。その仕草は照れ隠しのように物凄く破壊力がありました。
「うう、そんな可愛く言われたら仕方がありませんが、何時か言っていただきますよ」
「その内ですよ」
「ふふ」
そんな会話をティーヤは微笑ましそうに見ています。
「ティーヤなんなんですかその顔は!」
「なんでもありません。それより早く行きましょう、やることが沢山あるのですから」
「うう、分かっています。大臣後の事は任せましたよ!」
「はい分かりました」
大臣までそんな顔をしています。もう何なんですか!




