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51 学園3

 生徒会長について行き地下2階から学園長室がある3階までやってきた。テーブルを挟んで相対して座っている。


 「さて、柳、お前は危険地帯に足を踏み入れハイゴブリンに遭遇し死んだという報告を受けたが、なぜ生きている」


 警戒した声で言ってきた。表情も厳しめで特に俺の膝に座っているリムには最大限の注意を払い、何時でも剣を抜けるように準備している。


 「その報告は嘘だ。真実とはだいぶ異なる。実際はその報告をしたであろうヘルドトスが危険地帯に足を踏み入れ、ハイゴブリンと遭遇、俺たちは必死に戦うが仲間が一人死亡、それに錯乱したヘルドトスが俺を槍で刺し自分の罪を隠蔽しようとした。これが本当の真実だ」


 俺は嫌なことを思い出しながら少し不快気に話す。


 それを聞いた生徒会長は少し天を仰ぎみる。

 そしてしばらく、結論が出た。

 

 「その話を信じてもいい、実際にその報告には疑問が残った。しかしお前がしばらく戻ってこなかったのはその話が真実だと証明できないためか?」

 「一番の理由はそれだ。しかし今となってはそんな話はどうでもいい、俺は最近行方不明になったであろう生徒たちの話をしにきた」

 

 それを聞いた生徒会長は眉をピクリと動かす。そして凄むような声でこちらに言う。


 「そのこととお前は関係しているのか」


 答えによっては腰の剣でたたっ斬るといった感じだ。

 俺は慎重に言葉を選ぶ。


 「いや、勘違いしないでくれ、俺は寧ろその生徒たちを助けるため行動をしている。そして今はその生徒がどうしているかという情報を持ってきた」


 現状を知りたいであろう情報を俺が知っているということを強調する。

 すると生徒会長の警戒が少し解けた。


 「話してみろ」

 「俺は一カ月ほど前、いや2カ月ほど前にヘルドトスに裏切られ森で暮らしていた。そして強くなり俺は森を抜けた」

 

 !!!


 森を抜けたと聞いた瞬間、生徒会長と今まで沈黙をしていた学園長が驚きの顔を向けた。

 驚くのは分からなくもないがこんなところで驚いていては話が進まないので、本題を進める。


 「そして、異世界の人々と会った。国や街なども存在しこちらの世界とは異なる進化をしている。その国の王子の配下が次元の穴を発見し穴から出てきた生徒達を捕え自分の国の牢に幽閉しこちらの世界の情報を喋らせた。王子はどうやらこちらの世界に攻め込み未知の物資や資源を搾取する事を決めたらしい」

 「そんなことが!今すぐ各国に報告だ!」

 学園長が脂汗を垂らしながら椅子から立ち上がり叫ぶ。

 「学園長落ち着いてください、その話が本当かどうか判断ができません、ここは冷静に」

 「天上・・・ああ、そうだな」


 何とか落ち着きを取り戻しこちらを睨むように話してきた。


 「柳、その話は本当に真実か、正直言ってお前の話は驚きの連続でどこから聞いていいのかわからん、それでその話が真実だとして、お前は我々に何をしたいんだ」

「次元の穴を閉じる研究をしてほしい」


 一言、一言そう言うと学園長の顔が真っ赤に燃えあがり、こちらを罵倒してきた。

 

 「ふざけるなーーー、異世界は宝の宝庫!世界中で枯渇した資源を回復するチャンス、それを投げ捨てろと言うのか!そんなことできるわけがない、それにあちらが攻めてくるなら、滅ぼしてくれる!」

 「不可能だ。こちらの世界に来た敵に関しては兵器を使えば殲滅は可能だろう、しかし、あちらの世界の戦闘となれば負けは必死、籠城戦になれば負ける事はあっても勝つ事はない、何故ならあちらの世界には限られた人間と非兵器しか持ち込めないのだから」


 敬語を使うのも忘れ必死になってこの世界のフリを訴えかける。


 「そうか、そこまでコケにするか!お前は裏切り者の反逆者だ。もういい!こい!」


 そう叫ぶと、ドアから完全武装した人間が5人出て来た。5人はそれぞれ銃を持っており、こちらに向け合図を待っている。


 「これは」

 「こんな事もあろうかと警備のものを待機しておいた。お前の言う通り確かに兵器はあちらの世界に持ち込めない、だがな、電気やエネルギーを使わない火薬だけの銃なら持ち込む事は可能なんだよ、これで異世界の人間を殲滅してくれる!」

 「だったら、最初からそれを使いモンスターを倒せばよかっただろう、それができない理由があるはずだ。森の中では銃の特徴である遠距離攻撃は出来ない、更に小さな弾をモンスターに当てたところで大したダメージを与えられない、だから今まで銃を使ってこなかったんじゃないのか」

 「黙れ、柳、最後のチャンスをやる。異世界に行ったお前ならあちらの世界の情報を持っているはずだ。それを全て吐いて、異世界の戦いに貢献しろ」


 交渉は決裂か。


 「協力しない、情報も喋らない」

 「そうか、残念だ。やれ」


 生徒会長と共に警備の所まで行き、そう叫んだ瞬間、一斉に銃弾の嵐が吹いた。


 「リム!」

 『了解!』


 リムは体を伸ばし盾のように展開し、来る銃弾を当たった瞬間に全て取り込んだ。


 「なんだそのスライムは!こちらに来るモンスター、只者ではないと思っていたが、ここまでとは」


 生徒会長の驚きの声が聞こえる。


 銃弾が弾切れになった瞬間、警備5人を拳で気絶させる。


 「馬鹿な、馬鹿な、馬鹿な!銃がスライム如きモンスターに、ふざける」

 「うるさい」


 腹パンし気絶させる。


 「うっ」


 バタン。


 地面に倒れた学園長を無視し生徒会長に向く。


 「さて、あなたはどうしますか」

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