49 学園1
ゴブリンの棍棒を左に躱し、剣を左側に向け軽くゴブリンに振るう。首をあっさり切り飛ばし、「どさり」という音を立て倒れていった。
弱いな、ハイゴブリンに手こずっていた頃が懐かしいな。
こいつはいらないので燃やしておこう、新たに進化した火炎魔法を使ってみることにした。
手のひらサイズに火をとどめゴブリンに投げつける。ゴブリンに触れた瞬間爆発を生みゴブリンの周りが消しとんだ・・・・・・これは調整が必要だな。
焦げ臭い匂いを感じながらその場を立ち去る。
僅かな記憶を頼り森を進んでいく、しばらく歩くと見慣れた平地を見つけた。そう、かつてエマと出会った場所だ。ここがはじまりの場所といってもいい、エマと出会わなければ俺は今頃何をしていたことやら。
少し感傷にふける。
さてそろそろ行くか、再び足を運び森の中を歩く、ここからは知っている。何しろ一ヶ月も過ごした場所だ。ある意味庭のようなものだ。
ゴブリンが襲ってこようが俺の敵ではなく全て両断した。
その間に火炎魔法の練習もできた。死体処理の練習で。
ついたか、懐かしい洞窟まで来た。
身をかがめ洞窟内部に入る。そこには前と変わらぬ姿で存在した。
今日はここで寝るか。
『ご主人!ここ久しぶり!』
ポーチで寝ていたリムが起きた。
「そうだな、本当に久しぶりだ。思い出の場所だな」
『思い出の場所!』
嬉しそうに跳ねている。
はあー眠い。
エマ達と別れったきり、一睡もしていない。
流石に疲れた。それに日も暮れ始めた。丁度いいだろう。
久しぶりに横になり、天井を見つめる。
今までいろいろなことがあった。ルペル学園に入学し、訓練で裏切られこの世界で暮らすことになった。そしてエマと出会いエリスとティーヤと出会った。そして今はとんでもないことに巻き込まれている・・・ふん、人生何があるか分からないもんだ。他人にほとんど興味を示さなかっためんどくさがりの俺が今はあの3人の為に奮起している。
不思議なものだ。合縁奇縁まさにこの言葉が相応しい。
はあー、頑張らないとな、主人としてだけではなく・・・・・・やめだ、やめ、こんなこんな恥ずかしいことが考えてられるか。
風呂にするか。
空間収納から土魔法で作った浴槽を出す。空間の中は時間がゆっくり流れているが流石に時間が経ち過ぎているのでぬるま湯になっている。
洞窟の外にあった手頃な石を火魔法で焼き浴槽に入れ温める。
この位の温度でいいか、いい温度になったので隅で遊んでいるリムに声を掛ける。
「リム入るぞ」
『入るー!』
服を脱ぎ捨てリムと共に入る。
はあ、気持ちい最近はシャワーばかりだったからな。やはり風呂がいい。くつろぎながらリムの方を見る。
リムは仰向けになりながら風呂に浮かんでいる。
『ご主人!』
「おっ!」
触手の先から水を出してきた。まるで水鉄砲のようだ。
「やったなリム!おりゃ!」
『やあ、ご主人楽しー!』
お互い水を掛け合った後、湯冷めする前に出た。
『ご主人!ご飯!』
くつろいでいたらリムがそう言った。
「そうだな、飯にするか」
『やったー!』
空間収納からオークを出す。
『ご主人これ!』
「ああ、オークジェネラルだ。今日は大奮発だ!」
「やったー!」
嬉しそうに俺の周りを駆け回っている。可愛い。
土魔法で鍋を作り、地面に岩を横にそれぞれ等間隔に置き木を間に詰める。そして鍋をその上に乗せ、オークジェネラルを解体し入れる。
そしてその間に蜂の巣の一部を出し木の皿に蜜を出す。
いい具合に焼き上がったな、肉を蜂蜜の入った皿に入れ完成だ。この蜂蜜と肉の組み合わせは意外に旨い。
『ご主人!食べていい!』
待ちきれないのかプルプル震えている。これはこれで可愛い。
「いいぞ!」
『やったー!』
触手を皿に伸ばし自分の体に取り込んでいる。凄い勢いだ。このままでは全部無くなる。
いただきます。
これは!旨い!今まで食べた何よりも美味しい!食が進むこれで米さえあれば完璧だんだがな。
『ご主人!おかわり!』
速い!このままでは全部食べられる。急がねば。
リムにおかわりをよそい自分も急いで食べる。
「ふう、旨かった」
『美味しかった!』
リムもご満悦で震えている。
それにしてもおいしかったな!こんなことならオークジェネラルをもっと狩っておくんだったな。
膨れたお腹をさすりながら思う。
さて、そろそろ寝るか外はもう暗い。
後片付けをしリムに言う。
「リム今日はもう寝るぞ」
『寝る!』
跳ねながら俺のお腹に乗った。
「本当に好きだなそこが」
「好き!」
かわいい!なでなで
「お休みリム」
『お休みご主人!』
はあ、明日はついに学園に戻るか、頑張らないとな。3人も頑張っているんだから。
こちらもできる限りはホローしないとな。今頃何をしているんだろう危険なことになっていないかな、まあ、エマに手を出せば危険になるのはそっちの方なんだろうが。
はあ、眠い寝るか。




