03 実戦とスキル
朝か、初めてのベットだったがよく寝むれた。そういえばスキルに熟睡ていうのがあったな、それのおかげか?
俺はベットからおり、朝食を取り制服に着替えAクラスに向う、クラスに入ると訓練のチームを組もうという声が聞こえてくる。どうやらクラスのグループはすでに出来上がっているようだ。
今日の訓練のチーム、俺は残りものになりそうだ。しばらくして先生が来ると、今日の授業の説明を受けた。
「昨日言ったように今日は実戦訓練だ。AクラスだけではなくBクラスCクラスも合同で行われる。チームは他のクラスの者と組んでもらってもかまはない、初めての訓練において重要なのはバランスだ。攻撃系のスキルを持つ者だけで戦いを挑んでも、怪我をしたとき回復してくれる者がいなければそれで終わりだ。各自バランスを考えてチームを組むように」
アンジェリナ先生の話の後、次元の穴を通って昨日来たシェルターに移動した。そこには、既にBクラスとCクラスの生徒達もいた。もう、殆んどの生徒はチームを組んでいるようだ。俺も早くチームを組まないと本当に残りものになってしまう。
「おい、そこの庶民」
何か聞き覚えのある声が聞こえてきた。
後ろを振り向くとそこには、入学式で絡んできたヘルドトスと馬鹿2人がいた。
「なんかようか」
「なんかようかだと?君を私のチームに誘ってあげようと思ったのだよ」
「どういうつもりだ?」
「は、君は相変わらず礼儀がなっていないな、どういうつもりもなにも君を僕のチームに誘ってあげようと思っただけだ。それ以外なにもない、まさか僕が入学式のことを恨んでいるとでも?逆だよ、あそこまで失礼なことをした庶民は今までいなかったからね、逆に気に入ったのだよ」
おかしい、何故か俺が失礼なことをしたことになっている。しかし、ここは。
「わかったお前のチームに入ろう。だが、その前に名前とスキルを教えてくれ」
「おっと僕としたことが、失念していたようだ。僕はヘルドトス槍術と身体能力強化が使える。そして後ろの2人りはラルフとバルシュだ。ラルフは弓術と回復魔法が使える。バルシュの方は盾術と風魔法が使える」
「それで、君は何が使えるのかな?」
「俺は剣術と火魔法が使える」
「なるほど、どうやら僕らのチームは超バランス方のようだ貴族の僕にふさわしいチームだ」
他の生徒達もチームが決まった頃。武器と防具とポーチを選び、今から討伐するモンスターの説明を受るとこだ。
「さて、君達はこの後シェルターの外に出て、ゴブリンを討伐してもらう。ゴブリンは数が多く非常に好戦的なモンスターだ。そのモンスターを今から2時間以内に討伐してもらう、討伐した証拠は右耳を持ってこい、なお討伐数が1位のチームには強い武器と防具が進呈される。
それとシェルターから半径3キロを超えると突然強力なモンスターが出てくる。絶対近づかないように、もし近づいて仲間が死んだ場合は殺人とみなし死刑と同等の罰を与える。では今から30分後、シェルターに出て訓練を開始とする。それまではチームとよく相談する様に」
ゴブリンか少し厄介だな。
確か、強さは大したことはないが、ゴブリンの中には棍棒やナイフや剣などを装備している個体も存在しているそうで、集団でいることも多く十分脅威だ。
「アハハハ、ゴブリンか!貴族の僕の相手にこれほど相応しくないモンスターはいないな!」
ヘルドトスは周りの目を気にする様子もなく高笑いをしている。
それを見た馬鹿2人もヘルドトスに同調するような言葉を言っている。
「それで作戦はどうするんだ?」
「作戦?アハハハ君は相変わらず面白いな!この僕がゴブリン如きに遅れをとるはずがないだろう君は2人とともにサポートに徹してくれればいい、ゴブリンは僕が瞬殺してくれよう」
そう言ったあとヘルドトスはさらに高笑いを続けた。
俺はあきれ果てて隅っこで武器の練習をすることにした。
さて俺が選んだ武器は剣だ、しかしここで問題がある。
それは、革の鎧やポーチに入っているナイフや食料で既に体が重いということだ。
この状態で剣など振れるのだろうか?
とりあえず剣を振って見る。そうすると今まで重かったはずの身体が軽くなり、剣を軽々振ることができた。これがスキルの力か!それから俺は剣を振り下ろしたり、横に薙いだり時間いっぱいまで練習をした。
訓練開始時間になり、生達は一目散にシェルターの外に出て行く。
外は見渡す限り木で、それがどこまでも続いている。
「おい庶民、なにをもたもたしている。さっさといくぞ、私が1位になって強い武器と防具を手に入れるのだ。君はそのおこぼれに預かるだけなのだからさっさとついて来い」
こいつは相変わらずいつも一言多いな。
20分ほど森の中を探索したが既に近くのゴブリンはほかのチームに狩られているらしく、いるのは小動物とスライムぐらいだった。
「くそ!このままでは1位になれない!庶民お前がもたもたしていたからだぞ!こうなったらもっと奥の方にいくしかない」
「おい先生の話聞いてたか?奥の方は強力なモンスターが出てくるって言ってただろう。もしそれで誰かが死んだら・・・」
「黙れ~~~!!!、お前は黙ってついてこればいいんだよ、ここで負けることは貴族としてのプライドが許さん!!!」
「だったら勝手にしろ!万が一誰かが死んだらお前が全責任をとれ」
「最初からそのつもりだ、いいから黙ってついてこい!」
それから10分後、先生が入るなといっていた危険地帯に足を踏み入れた。
そして3分、後前方の木の方から足跡が聞こえてきた。
俺達4人は即座に近くの木の裏に隠れ様子を見るこにした。木の裏から前方を覗くとそこには小学生ほどの身長で灰色の肌をした普通のゴブリンが3匹、そして灰色のゴブリンより一回り大きい緑色のゴブリンが1匹。
1匹は素手、2匹は棍棒、そして緑色のやつだけ革の防具と剣を装備している。
あの緑色はあきらかにゴブリンの上位種だ。
ここは撤退した方がよさそうだな。
やっとゴブリンが現れたか、俺がこの槍で串刺しにしてやる!」
いきなりヘルドトスがゴブリンに向かって飛び出した。
「まて、その緑色のゴブリンはただのゴブリンじゃない!」
「貴族に命令するな!」
ヘルドトスは素手のゴブリンに攻撃を仕掛けた。
「くらえ、1段突き!」
その瞬間ヘルドトスの動きが急激に速くなり一瞬でゴブリンの心臓に風穴を開け、ゴブリンは声も鳴く絶命していった。
ヘルドトスは素手のゴブリンを倒し、すぐに棍棒を持ったゴブリンに向き直る。
「グギャ?グギャギャ」
ゴブリンたちも仲間がやられたことに怒り狂いヘルドトスの頭めがけて棍棒を振りかざす。
しかしヘルドトスは頭を下げて回避する。
そしてすぐさま頭を上げ腕に力を入れる。
「1段突き!」
ヘルドトスはさっきより速い速度で棍棒を持ったゴブリンを貫いた。
しかしその隙に棍棒を持ったもう一匹のゴブリンが後ろに回り込み攻撃を仕掛けた。
まずい、槍はまだゴブリンに突き刺さったままだ。抜いて攻撃を仕掛けたんじゃ間に合わない。
「避けろ!!」
そう俺が叫んだ瞬間、ヘルドトスは槍から手を離しすぐさま拳を作り、腰をひねりらせ、棍棒が当たるより速く拳をゴブリンの顔面に繰り出した。
ヘルドトスの拳をくらったゴブリンは4メートル先の木にぶつかり絶命した。
速い!!!あれはあいつの持つスキル身体能力強化のおかげなのか?
ヘルドトスはゴブリンに刺さった槍を抜き、いまだ何もしない緑色のゴブリンに言った。
「次はお前だ!」
戦闘シーン難しいです。