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32 関係の進歩?

 ティーヤさんが回復した後、5階層の入り口に向かって歩き始める。

 またモールか、こちらに2匹のモールが向かってくる。


 「エリス様、下がってください」

 「いえ、私も戦います。こんどは2匹もいますティーヤ1人では厳しいでしょう」

 

 横でそんな話をしている。しかしこの2人ではモール2匹の相手は厳しいだろう。

 

 「俺が戦います」

 

 そう言ってモールに向かって行く。


 「いけません!タクシ様お一人でなんて、私たちも一緒に戦います」

 「そうだ!あのモールは強い、お前ひとりで戦える相手ではない」


 なんでそんなに、騒いでるんだろう?あ!そうか、俺達が今どの階層を攻略しているか言っていなかったか。それにしてもこのぐらいのモンスターなら1人でも簡単に倒せるんじゃないのか?そういえば、この階層のモンスターはほかの探索者が1人で戦っているところは見たことがないような気がする。


 「大丈夫です。すぐ終わります」


 俺はそう言ってモールのもとに飛び出す。


 「エマ様、タクシ様を止めてください、あの方は私に必要な方なのです」

 「その必要はありません、タクシ様があの程度の相手に負けるはずがありません、それとタクシ様を必要としてるのは私のほうですから!もしあなたがタクシ様に危害を加えようとしたら殺しますよ」


 「え!」

 「貴様、無礼だぞ!この方をどなたと心得る」

 

 剣の柄に手を掛け、エリスを守るように前に出る。


 「誰なんですか」

 「くっ、それは!」

 「あなた達が何をしようと勝手ですが、タクシ様を巻き込むことは許しません、私にとってタクシ様はとても大切な方です。それこそ私の人生を全て捧げるぐらいに、その方にあなた達はちょっかいを出そうとしてるのです。その意味を考えて行動してください」


 非常に冷淡な声でそう言い放ち睨みつける。


 「くっ!」


 エマの迫力で体が思うように動かない。それでも負けずと睨み返し、剣を構える。


 「やめなさい」

 「エリス様」


 震えた声でティーヤを止め、おもむろにエマに話しかける。

 

 「エマ様、私達はタクシ様に危害を加えるつもりも、強引にモノを頼むつもりもありません。あくまでタクシ様の意思で決めてもろうつもりです」

 「そうですか、それならいいです」


 そう言い殺気を抑え、少し離れて何事もなかったようにタクシの方を見る。


「はっ」


 エリスはその場に座り込み安心した表情を浮かべた。


 「エリス様、大丈夫ですか」


 すぐにティーヤがエリスの肩に手を置き安否を確認する。


 「エマ様の言う通りです。私の勝手な願いで他人を巻き込もうとして、これではお兄様と一緒です。他人のことをどうとも思っておらず、自分の都合のためならどんなことをしても許されると思っている汚い人間です」

 「それは、違います!国王様がご病気で倒れられてから、アバルス様の暴政を止めるべく、この国のことを思ってここまで頑張ってきたのです。最後の希望を持って、長い旅をしてきたのです。それに、領国の民衆ならばエリス様が頼めば喜んで協力してくれるはずです」

 「いえ、そんなことはありません、少なくとも今の民衆が興味があるのは税の変化や戦争が起こるか否かなのです。民衆は我々が思っているほど王族に興味など示していないのです。それはこの旅であなたも学んだでしょう」

 「くっ、それは、しかしそれではどうするのですか」

 「最初にいった通り、彼自身の意思に任せます。断られた場合ほかの対策を考えます。私が強くなってお兄様を止めるのもいいでしょう」

 「・・・」


 そんなことは不可能だと思ったが、それを言い出すにはあまりにも重苦しい雰囲気だった。しかしその雰囲気を吹き飛ばすかのような衝撃的な光景を見た。


 「はっ」


 そこにはモールを剣で両断しているタクシの姿があった。


 「あのモンスターを一撃で!」

 「あれが勇者様・・・」


 エリスはモンスターを両断するタクシの姿をとても勇ましく美しいものだと感じた。


 「エリス様、顔が赤いですよ?」

 「へっ!そんなことはありません!」

 「いえ、しかし」

 「何でもありません!それよりタクシ様の戦闘を見て学びましょう」

 「はい!」


 どうされたのでしょう?タクシ殿を見る目が潤んでいるように感じます。


 ふっ、終わったかティーヤさんの実力ではこの階層は少し厳しいだろう、それにエリスの実力も知っておきたい、それとさっきエマと少しもめていたようだ。少しは仲良くなってほしいがエマの性格上難しいかもしれないな。そう思い3人の元まで向かう。


 「タクシ様、お疲れ様です」

 「エマあの2人と何かあったのか?」

 「何もありません、ただ忠告をしただけです」

 「忠告?」

 「タクシ様に迷惑を掛けたら許さないと」

 「そうか・・・ただ、ダンジョンはチームワークが大事だ少しは仲良くしてくれ」

 「はい・・・」


 はあー、これは無理そうだな。


 「タクシ様」


 こちらに来たエリスから声がかかる。


 「どうしたエリス?」

 「すごかったです!」

 「そうか、ありがとう」


 あれ、顔が赤い?このパターンどこかで見たような気がする?


 「タクシ殿失礼しました」


 ティーヤさんはそういいながら頭を下げてくる。


 「どうしたんですかいきなり?」

 「昨日や今日など今まで失礼な態度を取りました。それに対してのけじめです」

 「別に気にしてませんよティーヤさん」

 「タクシ殿、私のこともティーヤと呼び捨てにしてください」


 いきなりどうしたんだろう?まあいいか。


 「分かった。よろしくティーヤ」

 「はいよろしくお願いします。それでタクシ殿、私を鍛えてくださいませんか?」

 「何故?」

 「今の戦いを見て己の未熟さを知りました。このざまではエリス様を守れません、ですので鍛えていただきたい」

 「分かった。だが俺は鍛えるなんてことは出来ない、だから俺の戦いを見て盗んでくれ」

「分かりました。これからよろしくお願いします」


 なんかだか、分からないが距離が縮まったのかな?

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