01 学園入学
俺の名前は柳 拓志16歳。今日からルペル島に作られたルペル学園に強制的に通うこととなっている。そして今は入学式に向かっている途中だ。その時間を使って何故俺がこの学園に通うことになったか説明しよう。
俺は3歳のときに能力があると判断され、中学卒業後、ルペル学園に入ることが決められた。
能力のある人間は1万人に1人と言われており、非常に国から重宝された。そのため中学生まではボディーガードが付けられた。だが、実際は国が俺を監視するためにしたことだろう。
嫌なことを思い出し、お腹が痛くなってきた。
この道を引き返せるなら引き返したい。
しかし、もう入学式場の入口の前まで来てしまった。
俺はドアを開けるか開けないかを悩んでいると、突然後ろから鈍痛な衝撃をくらった。
「おい、ドアの前でちんたらしてんじゃねーよ」
どうやら蹴られたようだ。
突然何だこいつら?
「その通りだ。そこをどけ、ヘルドトス様が通られるんだぞ」
1人の人物を取り巻いている。2人組がそう言ってきた。
おい君たちその辺にしときたまえ、こんな庶民と関わると僕の品が落ちる」
なんだこいつらケンカ売ってんのか?変な名前しやがって。
しかし俺ももう大人だ。ここは無難な対応をしてみせる。
「すいません、では失礼します」
軽やかに立ち去ろうとした瞬間、ヘルドトスから声が掛る。
「待ちたまえ君は貴族の僕に対して礼儀がなっていないようだ」
「は?」
「は?だと全くこれだから庶民は」
ヘルドトスは呆れながらこちらを見てくる。
呆れてるのはこっちらも同じだが。
「もういい行くぞ」
ヘルドトスはそう言い、馬鹿2人と共に入学式の会場に慢心的態度で入ていった。
なんだったんだあいつら?おっと、時間だ。もうすぐ入学式が始まる、はやく席に着かないと。
入学式場に入り席に着くと、早速入学式が始まった。
ここは映画館のような外観で壇上に進行役が出てき、演台でおもむろに喋り始めた。
「これから入学式を始めます。それではルペル学園生徒会長から祝辞を賜りたいと思います」
暗がりから壇上を照らすスポットライトに姿を現しさっそうと言葉を述べる。
「私はルペル学園生徒会長天上凛音だ」
会長が名乗った瞬間、周りが一瞬騒がしくなった。
「あれが天上会長、始めて異世界でモンスターを討伐されたお方」
「前の異世界調査で剣術のスキルレベルが9になったらしい」
「9まじか!」
「さて諸君、まずは入学おめでとう、この後諸君らには異世界に行ってもらい、ステータスを確認してもらう、詳しくは先生方に聞くように。それと最後に言って置くことがある。ここにいるほとんどの者達は、自分は選ばれた者だと思っているだろうが、その考えは捨てるように、以上だ」
手短な入学式が終わり、外に出ると大きなボードに紙が張り出されていた。
そこには、Aクラス。Bクラス、Cクラスと書かれており、1クラス30人ほどで分けられていた。
俺はどうやらAクラスのようだ。しばらくするとAクラスの先生が教室まで生徒たちを連れて行き、自己紹介を始めた。
「私の名前はエレナ・アンジェリナ、アンジェリナ先生と呼ぶがいい、私は君達の先輩に当たる。さて、さっき生徒会長も言っていたが、これから君達には異世界に行ってもらいステータスを確認してもらう、しっているとは思うが地球ではステータスは開けない、異世界にいってステータスを知り、自分にどんな能力があるのか確かめてほしい、他に質問がある者はいるか」
「はい」
1人の生徒が徐に手を挙げる
「先生、異世界の調査はどの程度進んでいるのでしょうか?」
「ふむ、君達も今日からこの学園の生徒だ。知る権利がある。次元の穴の先は森だ、異世界の調査はその森するら調査を終えていない。それほど森が広く、モンスターが強いということだ。それと、まだコミュニケーション可能な生命体には遭遇していない」
「他に質問がある者はいないか」
・・・・・・・・・・・
「無いようだな、それでは今から次元の穴がある研究室地下2階に行ってもらう。なお、モンスターは次元の穴付近には近づけないとはいえ、気を引き締めて臨むように。」