16 ワイバーン
ワイバーンの一撃を剣で弾き飛ばし、風魔法、エアボールを放ち上空に吹き飛ばす。
その間に、エマの容態を見る。
「リム、エマの傷を回復魔法で癒してくれ」
『わかった』
リムは、新たに使えるようになった魔法、回復魔法をエマに掛ける。
「エマ、大丈夫か?」
「はい、大丈夫です。タクシ様は何故ここに?」
エマの声は普段より弱弱しくなっていた。
「門でワイバーンがでたという話を聞き、急いでここに来たんだ」
「そうだったのですね、私はまた迷惑を掛けてしまったのですね」
「迷惑じゃない!エマ、俺はお前に会って救われたんだ!」
「それはいったい?」
「俺はお前に会う前、人のことを信用できなかった。それを、エマの素直な気持ちで助けられたんだ」
そう、俺は信用できなかった。
ヘルドトスに裏切られ、人間不信になっていた。
実際に最初はエマと喋るときも警戒していた。
だが、エマの真っ直ぐな気持が俺の心を癒してくれた。
「タクシ様?」
「エマ、ここで見守っていてくれ、俺はあいつを倒してくる」
「はい、見守っています」
はあ、柄にもないこと言ってしまった。
正直すごく恥ずかしい。
これもそれもお前のせいだ。
俺は上空のワイバーンに鑑定をする。
名前:ワイバーン
種族:ワイバーン
状態:普通
ステータス レベル34 ランク5
HP:712
MP:206
攻撃力:562
防御力:628
魔力:205
敏捷:563
器用:420
運:16
≪スキル≫
爪5 風魔法2 回避5 腕力強化4 身体能力強化4 脚力強化2 生命力強化3 飛行3
レベルが低い割にステータスが高い、これは種族差のせいだろう。
それにしても、防御力が高いな、さっきのエアボールも衝撃波だけでダメージを負った様子がない。半端な攻撃や魔法は効かないな。
『グギャー』
上空にいるワイバーンがこちらに向かってくる。
俺はファイヤーアローを放つ、しかし、ワイバーンはそれを避けずこちらに突っ込んでくる。
それを避け。
ファイヤーランスを放つ。
直撃した。
しかし、ダメージは少なそうだ。
こちらに鋭い爪を振るってくる。
それを双撃で迎え撃つ。
「キーン」
お互いの攻撃がぶつかり合いこちらの体勢が崩れ吹き飛ばされた。
くっ、体重差がありすぎる。
正面から向かい合うのはまずいな。
吹き飛ばされた先に木があり、そこに足から着地し木の反動を利用して一気に間合いを詰める。
ワイバーンの片目はエマの短剣が突き刺さっており死角になっている。
その死角を利用し懐に飛び込み剣光を放つ。
剣光はワイバーンの腹に傷をつけた。
浅いな。
ワイバーンの白い鱗に少し傷をつけただけだ。
剣光でこれだ。
剣での攻撃はほとんど効かないと思った方がいいな。
ワイバーンは傷をつけられたことに怒り狂い。
こちらにその巨体を押し付けてくる。
一瞬の判断で土の壁を形成し、勢いを殺し脱出する。
巨体を押し付けることに失敗したワイバーンの体勢が大きく崩れ隙ができる。
そこにファイヤランスを集中的に浴びせ、次にウオーターボールを放つ。
それを繰り返し、集中的に浴びせた場所に剣を突きたてる。
『グギャーーー』
剣は、鱗に深く突き刺さった。
やはりか!
いくら硬い鱗でも膨張と収縮を繰り返し強度が弱くなったか。
剣を抜き、再び同じ場所に攻撃を繰り出そうとするが、ワイバーンの口がこちらに向き、風魔法、エアボールが放たれる。
突然の攻撃に避けれず、吹き飛んだ。
俺はすぐさま後ろに風を起こし落下の衝撃を弱める。
まさか、口から魔法が出るとは。
ワイバーンは腹から血を噴き出しながらこちら来る。
俺は魔法を唱える。
「ファイヤーランス!」
「エアボール!」
放たれたファイヤーランスがエアボールを取り込み、さらにでかい火の槍が形成される。
直撃したワイバーンは炎に包まれる。
「いまだ!」
俺はワイバーンに近づき、剣技、連撃斬を傷口に繰り出す。
傷口に繰り出された連撃斬は、傷口と傷口の周りに6つの傷をつけた。
「グギャオーヤー」
傷口からさらに血が噴き出し、最後の断末魔を上げ倒れていった。
勝てたか。
俺はすぐさま、エマの方に向かう。
「エマ大丈夫か」
「はい!リムさんのおかげで助かりました!」
「そうか、とにかく宿に戻ろう」
俺がそう言い、ワイバーンを空間収納に入れようと思った瞬間。後ろから声がした。
「なんだこれは!」
そこにはフル装備をした。冒険者らしき人物達がいた。
はぁ、まためんどくさいことが起こりそうだ。




