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15 エマの思い

少し長めです。

 私の名前はエマです。

 今はゴブリンに捕まり、集落に連れてこられてました。

 私はこれで死ぬのでしょうか、親に捨てられ貴族に買われ、私の人生は所詮その程度のものなのでしょう。それならいっそ死んでしまった方が楽になれる・・・いやです本当は死にたくない、まだ夢だっていっぱいある。結婚して子供を生み幸せな家庭を築きたい。こんなところで死にたくない。ゴブリンがこちらに手を伸ばしてくる。私は最後に力いっぱい叫んだ。それは悲鳴となり森に響き渡る・・・

 

 結局こんなものですか。ゴブリンが私の体に触れようとし、私は覚悟を決め目をつぶった。


 ん?私の体に触れるはずの手が来ない。いったい何が?

 私は目を開けると、ゴブリンが森の方を見ている。

 私もそちらを見ると、信じられない光景が見えた。

 1人の若い男の方がゴブリンをなぎ倒しながらこちらに来る。

 

 あれは、夢なの?

 そう思っていると私の体は限界を迎え、意識が奥に沈んでいった。


 

 目が覚めると、混乱のあまり叫んでしまいました。

 しかし、男の方は優しく声をかけてください、食べ物まで分けて頂きました。


 どうやら、お名前はヤナギ・タクシ様と言うようです。家名持ちからしてどこかの貴族様でしょうか?


 それから、私は自分の境遇を話しました。


 どうやら、ヤナギ様はこの辺りのことを全然知らないようです。

 よほど大事に育てられたのでしょうか?

 そう思い問い掛けると、貴族ではないと仰い、タクシと呼んでくれと言われました。

 それでも、恩人には変わりないのでタクシ様と呼ばせていただいたら。

 何やら考え、しばらく悩んでおられました。

 何かまずいことでもしたのでしょうか?


 しばらくすると、腕輪に付与された奴隷契約の魔法を解きたいかと仰いました。

 私は、不敬にも、そんなことができるのですかと聞き返してしまいました。

 その質問にタクシ様は頷きました。

 私はその時、感動や尊敬以上の何かが体の奥から湧き上がってき、タクシ様に一生仕えると半無意識のうちに言っていました。そのとき、タクシ様は何か仰っていましたが私の耳には聞こえてきませんでした。


 タクシ様はしばらく考え、すぐによろしくと仰って下さいました。


 タクシ様は腕輪の契約を解く準備をすると仰い、手のひらから黒い靄のようなものをだし、何やらそれに向かって念じています。しばらくすると、その黒い靄はタクシ様の体に吸い込まれていき、準備が終わったと仰い腕輪に触れるとそれは砕け散り地面に崩れ落ちて行きました。

 それを見た私は泣き崩れてしまい、タクシ様が慰めてくださいました。その時、私はタクシ様に本当の意味で忠誠を誓いました。


 その後お風呂に入ったのですが、タクシ様は私の体を見てエマは獣人か?と尋ねられました。

 私は獣人は嫌いですがと尋ねて見ましたが。タクシ様はどうやら私の尻尾を見ていただけのようです。そして、触りますか?と聞くと、しばらく考え触って下さいました。

 獣人にとって尻尾を触らせるのは信頼と愛情の証し、家族や夫になる人にしか触らせない神聖な場所、そこを触っていただいたというのは、そういうことなのでしょう!



 それから、タクシ様とともに街までやってき、商会にモンスターを売りに行きました。そこでタクシ様はアイテムボックスから30匹ほどのゴブリンを出されました。その中にはハイゴブリンの上位種ゴブリンジェネラルも入っていました。

どうやら、私の主はとんでもない方のようです。


モンスターを売った後、宿に向かう途中にタクシ様は、屋台でビッグボアの肉を20本も買っていました。

何故そんなに買われるのでしょう?


 宿に着き、泊まる部屋を頼む時にタクシ様は、私の部屋と自分の部屋の2部屋を頼まれました。それに私は抗議しましたが、そのせいで二人で泊まれる高い部屋を頼まれてしまいました。

 私は深く反省しましたが、全然気にしなくていいと仰ってくれました。

 その後、アイテムボックスの話をしてくださいましたが、どうやら、空間収納と言うスキルを持っているようです。

 本当に、とんでもないお方です。

 私はこの方の役に立ちたいと思い、武器を買ってくださいと頼んでみました。

 すると明日、武器を買って下さるようです。

 

 次の日、武器を買いに来ましたが、私のために店で一番高い鋼の短剣を買われようとしました。

 私の武器は一番安いのでいいと言うと、これは先行投資と言われ、早く強くなってモンスターを狩り、俺の財布に貢献しろと言われました。これは、私に期待されているのでしょう!

 これで私は足手まといにならないで済みます!


 早速森にやってきました。私が相手するのはコボルトと呼ばれるモンスターです。


 コボルトの一匹がこちらに向かって棍棒を振ってきます。それを避けコボルトの懐に飛び込み、首を短剣で切りつけます。コボルトは首の奥まで短剣が深く傷つき倒れて行きました。

 とんでもない切れ味です。私の力でも簡単に切り込むことができました。


 次のコボルトは仲間がやられたことに驚き、隙だらけだったので、そのまま攻撃を繰り出し倒しました。


 初めての戦闘で少し気持ち悪くなりました。

 それを察したようにタクシ様が今日は帰ろうと仰いました。

 私は早く強くなりたいばかりに、まだできますと言いましたが。顔色が悪いと言われ、今日は宿に戻りました。

 タクシ様はとても優しいです。


 宿に戻り、そこの食堂で食事をしました。食事を頼む時、タクシ様が何やら慌てていましたが何かあったのでしょうか?

 タクシ様は偶に慌てたり、何かを考えたりしています。

 私はタクシ様が何を考えてるのか知りたいです。

 そして、お役に立てるようになりたいです。


 次の日、朝起きるとタクシ様がいきなり私の腕を掴んできました。

 私は大人になってしまうのでしょうか?

 しかし、湯浴みをしていません、私の体は臭くないでしょうか?それともそちらの方が好みなのでしょうか?


 そんなことを考えていると、タクシ様が私と経験値を共有したと仰いました。

 どやら、大人になるのは御預けのようです。


 経験値共有はどうやらお互いが倒したモンスターの経験値を分け合うスキルのようです。

 空間収納と同じく聞いたことがないスキルです。

 どうやら、タクシ様には何か秘密があるようです。いつかそれを教えてもらうほど、信用してくれるように頑張りたいと思います!


 その後、タクシ様に今日は別行動だと言われました。どうやらお一人で少し強いモンスターを狩りに行くそうです。

 私はどうすればいいのですかと聞くと、この宿に居てもいいし、南の森に行ってもいいと仰いました。

 それを聞いた私は少し怒ってしまい、そのまま南の森に行きました。




 タクシ様は酷いです、私がこんなにも思っているのに。

 確かに私は弱いです、それでも一緒について行きたかったです。




 向こうからゴブリン3匹が来ました。

 私は今機嫌が悪いです。短剣を抜き向かってくる1匹に切りかかります。


 「え!」


 切りかかったゴブリンはいとも簡単に切り裂くことができました。

 次に襲ってきたゴブリンは棍棒を振ってきますが、バックステップで避け、すぐさま、ゴブリンに切りかかり倒しました。最後のゴブリンは真正面から切りかかり首を跳ねました。


 明らかに、昨日より強くなっています。

 これは昨日のレベルアップだけでは説明がつかないほどに、おそらく、タクシ様が仰っていた経験値共有のスキルのおかげなのでしょう。

 つまり、タクシ様がモンスターを倒されたということでしょうか?

 私はステータスを見ます。



名前:エマ

年齢:11歳 

種族:獣人(犬)

状態:普通

ステータス レベル2→8

HP:14→47

MP:5→16

攻撃力:7→28

防御力:6→25

魔力:6→17

敏捷:10→48

器用:9→32

運:2→5

≪スキル≫

苦痛耐性3 料理2 裁縫1 身体能力強化1 忠誠2 短剣術1



 え!


 レベルが6も上がっています。どうりで強いわけです。しかし、いきなりこんなに上がるのでしょうか?

 

 それほど、強いモンスターを倒されたということでしょうか?

 やはり、とんでもないお方のようです。

 私も負けたいように頑張ります!


 『グギャーーーー』


 へ?突然後ろから爆音が響き渡りました。

 音がした方を向いて見ると、そこには7メートル程のワイバーンが空に羽ばたきこちらを見ています。


 私は、考えるよりも、速く走っていました。

 なんであんなのがいるんですかーーー

 ここは、弱いモンスターしか出てこないはずなのに。

 ワイバーンといえば1匹で小さな街を壊滅する事がある程のモンスター。

 あんなの、どうすればいいのですか!


 私が走ると、ワイバーンがこちらに向かって来ます。

 なんで追いかけてくるんですか!!!

 このままではいずれ追いつかれます。かといって森から出ればワイバーンの格好の的です。

 どうすれば、いいのですか。


 『グギャーーー』


 ワイバーンがいきなり急降下し、ものすごい勢いでこちらに体当たりして来ました。

 覚悟を決め防御をとりましたが、20メートルほど吹き飛ばされ、後方にあった木にぶつかりました。


 おへ、おへ、木にぶつかった衝撃で口から血が出てきました。


 はぁはぁはぁ、タクシ様に救っていただいたこの命、タクシ様の為以外には使えません。

 私は覚悟を決め、ワイバーンに向かっていきます。

 ワイバーンはこちらに気付き鋭い爪を振るってきます。

 それを紙一重でかわし、腕に切りかかり傷をつけますが。ほんの少ししか傷をられませんでした。


 『グギャーーー』


 傷を付けた瞬間、咆哮を上げ、もう一方の腕をこちらに振るって来ます。

 それを避けようと後ろに飛びましたが、さっきのダメージが大きく一瞬動きが遅れ、爪が胸にかすり血が噴き出しました。

 しかし、その痛みに耐え、最後の力で眼球に短剣を突き刺しました。


 『グギャャャャャャーーー』


 ワイバーンは痛みのあまり、のたうち回っています。


 おへぇ、おへぇ、私の方はそろそろ限界のようです。

 結局タクシ様の為に、この命を使うことはできませんでした。

 しかし後悔はありません、弱虫だった私がワイバーンに傷をつけることができたのですから。


 今まで、のたうち回っていたワイバーンが体勢を立て直し、こちらに向かって来ます。

 ワイバーンは鋭い爪を上げ振り降ろしてきます。


 「タクシ様、申し訳ございません」


 最後の言葉を言い終え、そっと目をつぶります。


 「キーン」

 

 「間に合った」


 その言葉を聞き、目を開けると、そこにはワイバーンの一撃を剣で受け止めた。

 私の一番大好きな人が、そこにはいました。

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