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12 エマの覚悟

 「タクシ様、先程はすみませんでした」

 「いや、謝る必要はない、もうエマは奴隷じゃないんだ」

 「それより、アイテムボックスの話をしよう。実は俺のはアイテムボックスではなく空間収納と呼ばれるものなんだ」

 「空間収納ですか?」

 「ああ、この空間収納では時間がゆっくり流れており、大きさもアイテムボックスとは比較にならない程でかい」

 「そのような、スキルがあるのですか?」

 「ああ、その証拠がこれだ」

 

 空間収納から先程買った肉を渡す。


 「これは!」

 「まだ温かいままだろう」

 「はい確かに温かいです。しかし空間収納なんてスキル聞いたことがありません」

 「ああ、これは俺のオリジナルスキルだからな」

 「オリジナルスキル?ユニークスキルのことですか?」

 「いや、ユニークスキルじゃないんだが、その、なんて説明したらいいか」

 

 俺は、全てをエマに話すか悩んでいた時、エマから声が掛かる。


 「タクシ様、無理に言わなくていいです。タクシ様が喋ってもいいと思ったときに言ってください」

 「そうか・・・」

 

 まさか、5歳も離れた子に気を遣わせるとは、俺もまだまだ子供だな。


 「分かった、俺も覚悟が決まったら言うよ」

 「はい!」




 「あのタクシ様、不躾なお願いなんですが、私に武器を買ってくださいませんか」

 「突然どうした?」

 「私はこれ以上タクシ様の足手まといにはなりたくありません。それに、モンスターに襲われても自分の身は自分で守れるようになっておきたいのです」

 「気持は分かるが、危険だぞ」

 「覚悟の上です」

 

 エマの目は真剣そのものだった。


 「判った、そこまで言うなら明日の朝にでも武器を買いに行こう」

 「ほんとですか!」

 「ああ、だから今日はもう寝るぞ」

 「はい!」

 

 エマが眠りに就いた後俺は考える。

 はあ、まさかエマがあんなことを言い出すなんて思わなかった。普通自分から戦いに行きたいなんて思わないだろう。なんかエマを見てると自分の嫌なところが浮き出てくるな。


 『ご主人、大丈夫』

 「リム、大丈夫じゃないかもしれない」

 『ご主人、大丈夫じゃないの?』


 リムが心配そうに聞いてくる。


 「いや冗談だよ、ご主人は元気だよ」


 『やったーご主人元気!』


 本当にかわいいなリムは。


 「リム、肉いるか?」

 『いる!』

 

 空間収納から肉を出しリムにあげる。

 

 「リム、おいしいか?」

 『おいしいよ、ご主人!』


 リムは癒しだ。でもこの癒しに頼りすぎるのはいけないよな、リムとエマに主人として呆れられないようにしないとな。


 「リム、俺頑張るよ!」

 『ご主人、頑張れ!』






 朝目覚めて朝食を済まし武器と防具を買いに来た。

 

 「エマは使いたい武器はあるのか?」

 「そうですね、私でも軽くて使える短剣がいいと思います」


 短剣かいい選択だ、あまりに重い武器を持っても振れなければ意味はない。


 俺は目の前に置いてある短剣に向けて鑑定を使う。


(鉄の短剣 レア度1)  2万ラル


(鉄の短剣+1 レア度2) 4万ラル


(鋼の短剣 レア度3)  10万ラル


 なるほど、やはりレア度が高ほど値段も高いのか。

 俺は一番レア度の高い鋼の短剣を買おうとしたとき。


 「タクシ様、いけません!」


 やはり、来たか。


 「タクシ様、私の短剣は一番安いのでいいのです!」


 しかし、この質問はすでに予測済み、エマ、俺はいつまでも子供じゃないぞ。


 「エマ、これは先行投資だ」

 「先行投資ですか?」

 「ああ、この短剣は確かに値の張るものだ。しかし、これを使えば少し強いモンスターでも倒せる。そして、強いモンスターを倒すとレベルが上がり、結果的にお金もたくさん稼げ俺の財布に貢献できる・・・」


 あれ?これ紐になる宣言みたいだが、気のせいか? いや、気のせいだ。俺はあくまで説得しているだけだ。


 「なるほど!タクシ様の考えが分かりました。これから一生懸命強くなりお金を稼いできます!」

 

 「いや、その言い方は・・・・・」


 やばい、変な言い回しをしたせいでエマがやる気になった。いや、やる気になること自体はいいことのはずだ。ん、なにも間違っていない・・・・はずだ。


 「そうか、頑張ってくれ」

 「はい!頑張ります!」

 

 その後、エマにあった皮鎧を購入し兵士の検問所にお金を返しに向かった。


 「おう坊主、金は持ってきたのか?」

 「はい、持ってきました。どうぞ」

 「確かに受け取った。それで今日はどうするんだ金を返しに方だけか?」

 「いえ、今日は仲間の武器と防具を買ったのでそれを試しに行こうと思っています」

 「嬢ちゃんが戦うのか、大丈夫なのか?」

 「はい、いざとなったら俺が守ります」

 「そうか、頑張れよ坊主」

 「はい、それでここらへんで弱いモンスターが出てくるところは知りませんか?」

 「それなら、この東門からでて南に少し行くと森がある。そこなら嬢ちゃんでも大丈夫だろう」

 「分かりました。行ってみます」

 「おう、それと帰って来るときは仮身分書を見せれば簡単に入れるから覚えておけ」



 俺はエマとリムを連れ南にある森に向かう。

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