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昔書いたやつ

不死鳥が死んだときの話

作者: 粟家 大三治

不死鳥が

老衰で死んだ、

というニュースが

世界中を駆け巡った。


ある者は嘆き、悲しみ、

ある者はただただ驚き、

ある者は残酷な事実を呪った。

また

ある者は

死なない鳥が死んだということは

不死鳥が死んだのではなく

不死鳥以外の

全ての社会が

死んだのではないか、

などと、わかった風な口をきき、

失笑を買った。




不死鳥は、

ついうっかり

死にはしたものの、

そういや、自分は不死鳥だったよ

と思い出すや否や

実は生き返っていた。


でも、

棺桶の中から外を覗いたところ、

あまりにも自分の死が大事になっていて

いまさら生きてましたよ

なんて言えなくなってしまった。

仕方なく棺桶の中でじっとしていた。

これがまた、けっこう辛くて、

不死鳥は生まれて初めて

“死んだほうがましだ”

という感情の流れを理解した。


そして、

火葬されるときに逃げよう、

と計画していたけれど、

土葬にされたもんから

今も困っているのだった。


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