ダークエルフ
「ココがダークエルフ地区か…」
中はどんな感じなんだろ?
「待て、止まれ、迂闊に地区の中に入るな。また弓を撃たれたいのか?いるんだろ、コトリ!私だ、アスリだ。エロチカはいるか?」
建物の陰からスッとダークエルフが出てきた。
黒髪ストレート褐色でどこか妖艶な感じがある。
あぶねぇ…マジで撃たれてたかも……
「ありがとうアスリ」
「ふん」
「あらぁ、アスリじゃない。久しぶりね。そちらは、ヒューマンと、猫族?貴方人間嫌いじゃなかった?」
「今でも嫌いだ。そんな事はどうでも良い。エロチカはいるのか?いないのか?」
「エロチカ様ならいるわよ。いいわ、案内したげる。おいで、ヒューマン」
そう言うとダークエルフは俺の腕を絡め取って歩き始めた。な、なに考えてんだ!?コイツ
「なにやってんですか!ヤマト様を離してください!」
ミミが尻尾をピーンと立て威嚇している。
「なになに?貴女彼女なの?」
「ち、ちがいます、っけど」
「じゃあ良いじゃない、貴方ヤマトっていうんだ。一目見た時から感じてたわぁ。貴方のオスの匂い大好き。ねぇどう?私可愛いでしょ?付き合おうよ」
「ヤマト様…付き合っちゃダメですよ…!」
な、なな、なんだって?匂い?変態なのか?コイツ
しかも付き合おう??なんじゃと!?
「おいっ盛るのもそこまでにしとけコトリ!さっさとエロチカのとこに案内しろ!!お前もデレデレしてるんじゃない!これだから男は…」
そ、そうだそうだ!今はとりあえず
ダークエルフの事を考えないと!よし!
「はーい、わかったよぅ。エロチカ様ー!」
「どうしたんですか…?コトリ……??」
な、なんだ?このワガママむっちりボディは!?
コトリとかアスリも胸デカいけどそれ以上だし!
メガネかけてるし!エロチカっていうかエロだろ。
「ヤマト様っ!!!」
「痛っ!」
ミミに足を踏まれてしまった。
顔に出てたのか…。
「なるほど?そのヤマトくんが私と話をしたい、と。良いでしょう聞きます。」
「単刀直入に言う!独立をやめて欲しい!」
「良いでしょう。」
「えっ?」
「良いと言ったのです、もちろん条件はあります。条件は、里を北に行ったところにある山で虹トカゲから取れる【虹の涙】を取ってきてください?」
「っ!どういうことだ?なぜそこまでアッサリと独立をやめる?独立と虹の涙、何が関係してるんだ。」
「独立がダークエルフからの不満によるものだというのは知っていますね?それをもっと具体的に言うと、ハイエルフの女にダークエルフの男が取られてるのです。ただでさえエルフは男が少ない。だから独立してハイエルフと断絶させよう、となったわけです。」
「そんな事で?と思うかもしれないけど大事な事ですよ?ダークエルフ存続の危機ですからね。そして虹の涙があればそれを解決できる。それを飲めば男の脳に作用し他種族に興味が無くなるのです。でも虹トカゲは強い。ダークエルフの男はそもそも手伝う気ないから貴方がとってきてくれたら万々歳です。」
「話はわかった。俺が虹の涙とやらを取ってくる。」
「ではお願いしますね。コトリ!ついて行きなさい。」
「はーい。ヨロシクね?ヤマト♡」
「ぬぐぐ、ヤマト様……!」
「コトリとは…余計な奴が付いてきたな…」
「あーっアスリ!もしかして私にヤマト取られんのが怖いの?」
「ば、バカッ。私はあんなヤツ好きじゃない!」
「ジョーダンジョーダン♡」
「じゃあ行こう。いざ虹トカゲ討伐へ!」