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絶望

【狐族の村】


 狐族の村は魔王の襲撃に遭っていた。強力な能力変化も魔王が能力を使わず、肉弾戦で戦ってくるため、意味がなかった。


「ぐあっ!!」

「ぐおっ!」

「ああ!!」


「ふん、強力な能力にかまけて体術を怠るとこうなるのだ。さぁ次は誰だ?」


 魔王の元へ次々と狐族が向かっていくが、魔王は能力を使う事なく、それを軽くいなし倒していった。そして魔王の元へ向かうものはいなくなった。


「ここにも歯ごたえのある奴はいなかったか。ん?お前は……。」


 木に隠れていたのはロマだった。


「う……あ……。」

「その黒い毛、呪われた証。あの時の狐族のガキか。貴様は厄介だったな。しかし1人でいたところで役には立つまい。」

「うぐっ!!……や、ヤマトさ、ん……」


 魔王は即座にロマに近づくと腹を1発殴り、一瞬で気絶させた。


「貴様は私を一度倒しているからな。褒美に殺さないでおいてやろう。」


 そう言い魔王は竜族の里へと飛んで行った。




【ミナジュの町】


 俺は宿屋の外で噂を流していた男を捕まえ、聞いた。


「おい!ドワーフの里が襲われてるってどういう事だ!?」

「俺も詳しくはわかんねえけどよ!さっきそっち方面から逃げてきた奴が言ってたんだ!間違いねえ!」


 なんてこった!!ドワーフの里は地獄沼の近く!やはりそこから復活したのか!?


「ミミ!アスリ!ヨミ!すぐに向かうぞ!!」

「はい!!」

「ああ!」

「わかったのじゃ!!」


 俺たちは急いで準備をし、町を飛び出した。


【竜族の里】


 魔王は闇の剣を持ち、竜族を次々と倒していた。


「クク、良いぞ!さすがに竜族はなかなか強いな!!もっと私を楽しませろ!」


「ぐっ!」

「あっ!」


「発現!!泥の人形!!」


 魔王が剣を振り下ろした時、泥でできた人形が現れ、剣を途中で止め、魔王の手首ごと泥で拘束した。


「ほう、やるな。動けん。」

「ノーン!!」

「わかってる!!発現!!薔薇の棘!!」

「これで直撃です!!」


「だが、甘いな」


 魔王は拘束された手首をそのまま右に動かし、剣で泥の人形を切り裂いた。そして迫ってくる薔薇の棘も剣で一瞬で切りさばいた。


「なっ……!」

「なかなか面白かったぞ?お前たち。」


 魔王はそのままノーンとエームを斬り伏せ、横を見ると竜の族長が立っていた。その身体はもうボロボロであった。


「やめておけ……。貴様はもう戦える身体ではない。」

「くっ!それでも負けられないんだ!!」

「馬鹿な女だ。」


 魔王はそこから一歩も動かず、迫ってくる族長を斬り伏せた。


「駄目だな……。やはり勇者でなくては。ヒューマンの里にでも行くか。」

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