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異世界で転生した俺は勇者へ  作者: ハヤブサ
オーガとファントム
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VS話の長い化け猫

【ミミワープ先】


ミミはヤバイ奴とあたった、とそう思った。急に飛ばされた先にいた敵の初めの一言が美味そうなメス、だから当然と言えば当然である。ミミは既に怖くなって逃げ出したくなっていたが、ヤマトの顔を思い出し、なんとか自分を奮い立たせた。


「美味そうとは……どういう意味、ですか。」

「美味そうって言ったらそういう意味に決まってんだろうが……ああ早くむしゃぶりつきてえなお前。」


ミミは尻尾がゾゾゾとするのがわかった。そして今の発言を聞いて、私の貞操が危ない、と思ったのであった。こんな事ならさっさとヤマト様に夜這いでもかけて、無理やりにでも、と考えたあたりで頭の中がピンクになり始めたため、頭をブンブンと振り回し、今は戦い中である事を思い出させた。


「あなたのその仮面…猫ですよね?それは…。」

「ああ、コレか。コレはテラローシャの野郎が付けろとうるせえからつけてただけだ。もういらねえ外してやるよ。」


面を外した者の素顔は耳があり猫族の男の特徴そのものであった。しかし同時に不自然でもあった。何故なら彼には尻尾が無かった為である。


「貴方……!!猫族……!?でも尻尾がない……。」

「ああ、紛れもねえ猫族だぜ?お前も猫族なら聞いた事あるだろう。化け猫ガロの話を。それが俺だ。」


「化け猫ガロ、ですって……!?実在したなんて……。化け猫ガロ、またの名を不老不死のガロ。貴方は確か不老不死と言われるほど、老ける事がなく死ななかったといいます。」


「ふふふ、なるほど。割と俺の話はちゃんと語り継がせてるらしいな。なら、コレはどうだ?何故俺が化け猫と言われているか。わかるか?」


「……それは、貴方の尾が2つもあるから……。何故か今は尾すら見当たりませんが…。」


「そうだ、俺の尾は2本ある。しかし何も俺は昔から他の猫族とちがったわけじゃない。でもある日森で狩りをしていた時、変な声が聞こえたんだ。今になって思えばアレがカリスマの声だったんだろうな。俺は声がする方に向かった。するとそこには黒い球体があった。」


「黒い球体…?」


「ああ、そこから声が聞こえてきたんだ。お前の魂をくれるなら、私が永遠の若さと命をやろうってな。俺は喜んで了承したぜ。なにせ老人になんかなりたくねえと思っていたからな。その後、闇に包まれ、俺は不老不死になったんだ。そして黒い球体は俺に小さな黒い丸薬らしきものをくれた。やつは、万一死にたくなったらそれを飲め、退屈しなくなりそうな時に生き返らせてやる、と言った。」


「……。」


「その後、俺は不老不死を楽しんだ。永遠に終わる事のない人生は何をやるにしても自分のペースで出来る。最高だった。そして、100歳になった時、俺に異変が起きた。尾がもう1本生えたのさ。それを見た仲間は俺を化け猫と呼んだ。そして俺を村から追放しやがった。その後は様々なところを旅する事にした。永遠とも呼べる時間はそんな途方もない旅でさえ、可能にする。旅が終わった時、俺は死にたくなっていた。生きる理由が無くなったからだ。そして丸薬を飲み、面白い時代になったら生き返らせてくれと思い、死んだ。そして俺は生き返り、カリスマの復活、世界征服。俺には生きる目標が出来た。だから、俺はお前らとここで戦うのさ。」


「……。」


ミミは思っていた……。話長っ!!と。正直言ってミミにはヤマト以外の男の話などどうでもいいのだ。ヤマトがする話なら永遠に、それこそ不老不死になってまでも聞いていたいが、こんな男の話など心底どうでもいいのだ。とりあえずこの男が敵だという事はわかったので、貞操の危険もあるし、戦う事にした。


「発現!!四足しそく!!」

「え?おい、俺の話からの切り替え早くね?」


ミミは能力により四つん這いになり、爪の威力や機動性が大幅に上がった。それにより急加速したミミはガロの胸を引っ掻き、傷跡を残した。


「嫌いな男の話なんてどうでも良いんです。」

「ぐっ、てめえ。ふざけやがって、後悔するなよ!!発現!!化け猫!!」


ガロは能力を発動すると尻尾が二本生えた。ミミは間髪いれずガロを引っ掻いたが、逆に腕を引っ張られ、吹っ飛ばされてしまった。


「うっ!いっつつ。な、なんですか…あの急激な強さは……。」

「俺は普段尻尾をしまっている。これは無駄にエネルギーを放出しないためだ。しかし一旦尻尾を出せば、俺の真の実力が出る!お前は俺には勝てない!」

「くっ、発現!ブロック!」


ミミは接近してくるガロの方向に壁を出現させ、盾として利用使用した。しかしガロは構わず突っ込んで来てその壁を破壊しそのままミミへとダメージを与えた。


「ぐうう!!強い!!」

「わかっただろう?人の話は聞くもんだ。お前は俺には勝てん。」

「……強い。けどそれだけです!発現!ブロック!」

「そんな脆い壁は俺には効かねえってわかんねえのか!?」

「ええ、発現!転送!」


ミミは壁をガロの周りにドーム状に出現させ、閉じ込めたがすぐに前方の壁を破壊し突撃してきた。しかしその壁はただ前を見えなくするためのフェイクであり、ミミは壁を破壊される前に槍を手元に出現させ槍を投げていた。槍はそのままガロの腹に突き刺さり、ガロを吹っ飛ばして後ろの壁へと突き刺さった。


「なっ!ぐあっ!!」

「終わりです。」

「何を!この程度の槍で俺が殺せると!?……!?動けん!!」

「それは猫槍です。猫槍は対猫族専用の究極兵器。あなたがファントムだろうが、どれだけ強かろうが、食らった時点で終わりです。」


「バカな!猫槍はヒューマンが持つ秘密兵器のハズだ!何故それをお前が!」

「私はヒューマンの奴隷でした。万が一次に猫族と戦争になった時、コレを私に持たせ味方と油断させて族長を1発で仕留める算段だったようです。」

「ちっ!相変わらず胸糞悪い野郎だぜ、ヒューマンは。勇者もヒューマンだったな。どうせあいつもお前を欲を発散させる為のオモチャとしてでも使ってんだ、ぐああああああ!!!」

「ヤマト様の事を悪く言う人の話を聞く気はありません。死んでください。」


ミミはガロの腹に刺さった槍を足で深く刺し、その後ガロの体が腹を中心として崩れていき、やがて朽ち果てた。途中でガロの体から黒い球体が飛び出し、どこかへ消えていった。


「ヤマト様…今参ります。」


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