まやかしの森
「さて、さっそく次の国に行きたいんだけど、どこが近いんだ?」
「ここからなら、狐族が1番近いな」
アスリは地図を見ながらそう言った。
「狐族か…彼らの特徴は?」
「まぁ特徴といえば、彼ら固有の能力【変化】だろうな。変化が上手くできれば一人前らしい。」
変化か…便利そうな能力だな。
「でも狐族って【まやかしの森】が有名ですよね。」
蚊帳の外だったミミも入ってきた。
「なんだそれ?」
「その森に入ると、自分の記憶の中を探られて、幻覚が見えてくるらしい。まぁ私のような強い精神を持っていれば関係ない話だが。」
「ふーん。でもそこの森に入らなきゃ良い話だろ?」
「ま、まぁそれはそうですが…」
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【狐族の村】
「えっ!?まやかしの森へ行ってこい!??」
「ええ、まやかしの森に伝説の武具は納められていますから。」
そう言ったのは狐族の族長だ。きつね色の耳と尻尾を持っている、美しい女性である。
「なら、仕方ない。行こう。」
「くれぐれも幻覚には気をつけてください。何人もあそこで亡くなっていますから…ロマ、貴女もついて行きなさい。」
「……はい」
そう言って出てきたのは狐の耳と尻尾をし、長いストレートの髪をした女の子だった。1つ違うとすれば…
「耳も髪も尻尾も、黒い………」
そうなのだ、何故か黒い。
他の狐族は皆きつね色である。
「その子は…呪われた子なのです。まぁその話は良いでしょう。とにかく、気をつけてください。」
妙な雰囲気のまま、俺たちは森へと出発した。
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【まやかしの森】
「全然幻覚なんて出てこねえな。」
「噂は尾ひれがつくというからな。」
アスリは相当自信があるらしい。
「もう!2人とも気を引き締めてください!」
ミミはプンスカ怒っている。
「………来る。」
ロマがそう呟いた瞬間、辺りはまばゆい光に包まれた。
「なっ、なんだ!!!?」
光が収まって辺りを見渡すと誰もいなかった。
「何が起きた!?皆無事なのか!?」
「………てか、ココって……見たことあるぞ…。」
そうだ、ココは……
「地震だーーーー!!!」
周りのオッサンが叫んだ。
地震、確かに揺れている。
それもかなり大きい。
「地震くらいで驚くなよ…」
そう言ってる青年を見つけた。
というか青年は俺だった。
あの制服は中学!そしてこの地震。
コレは…【あの日】だ。
「三年前の元の世界だ……!!!!」




