転生
「ここは……どこだ……??」
「お前が…因果を狂わせし者か…」
因果?何言ってんだこの白髪だらけの髭もじゃオッサン?厨二病か?良く見えたら羽生えてんぞ、しかも杖持ってるし、末期患者じゃねえか。
「何言ってんだよオッサン。ここどこだよ。」
「ここは、そうじゃな、言うなれば【天国】」
天国?何言ってんだ?やべえよ絶対やべえオッサンだよ。なんかやべえ事に巻き込まれてない?俺。
「信じてない顔じゃな。無理もない。ならば思い出すが良い。」
オッサンが杖をふりかざした時目の前が真っ暗になった。
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あー、退屈な毎日だな。こんな事なら高校もテニス部入っときゃ良かったかな。
ん?道路で子どもが遊んでやがる。危ないなぁ
「おいボーズ、危ねえぞ公園とかで遊べよ」
「………」
わかったのか?まぁあっちの方行ったからわかったんだろ、たぶん。
キンコンカンコーン
「よし、学校終わったし、帰るか」
今日も何事もなく終わったな。ん?あ、またあのガキ道路で遊んでやがる。全然わかってねぇ。全く…ん?
ブオオオオオオ
アレは…車!マズイ!なんてスピードだ。
このままだとガキにあたる!チッ
ゴチャゴチャ考えるより先に身体が動いた。
別に良いことしようとかそういう事じゃなかった。
そうだ、あの時俺は……
キキィイイイイ!!ドンっ!!
「う、うわああ!!轢いちまった!!すまねぇ!!!少年!!子どもは…無事か!け、警察と救急車呼ばないと!!!」
「お、おいボーズ。へ、平気だったか?」
「う、うん」
「へへ、そうか、なら、良かっ、た……」
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「思い出したようじゃな」
そうだあの時俺は子どもを庇って…
「死んだ…」
「そうだ、お主は死んだ、しかしアレはイレギュラーだった。本来はあそこで死ぬのは子どもの方だったのじゃ。つまりお前は因果を狂わせたのじゃ。」
「因果とかなんとか知らねえよ。身体が動いちまったんだから…」
「後悔…しておるか?」
「してないな…あの時、俺はただ【助けたい】、それだけしか考えてなかった。」
「良い答えじゃ」
「お主のようなケースは稀じゃ。そして例外なく措置は決まっておる。異世界への転生じゃ。」
「転生?」
「ああ、現世では流石に生き返らせる事は出来ないからな。異世界への転生になる。どうする?断る事も出来るが…」
急にそんなファンタジックなこと言われてもな…
まだ全然整理出来てねえよ…けど
「退屈しないで、済む世界か?」
「退屈なんていうのはお主の行動次第であろう。それは現世でも異世界でも変わらん。しかしまぁ現世よりは少々ファンタジーな世界じゃな。ドラゴンとか出るし。」
ど、ドラゴン??マジかよ
「わかった、このまま死ぬのも嫌だし…行ってやろうじゃねえか!!異世界!!」
「では送り届けよう…!」
あ、また意識が遠のいて…い、く…
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「はっ!!ここは??」
夢か?さっきのは?
「おお!!本当に現れたぞ!!!」
「伝説は本当だったのか!!!」
なんだこの豪華な部屋は
「あの〜ここはどこ、ですか、?」
「ここはヒューマンが治める国ジパング王国ですぞ!!我らを救ってくだされ!!!」
「勇者殿!!」
ゆ、勇者ぁ????