7、花梨のうっかり
7、花梨のうっかり
☆★☆ 花梨 ☆★☆
綾目様を部屋に入れてから、暫く部屋の様子を伺う事にする。無体な事をしたら矯正してやるぞ、大地殿!
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綾目様の生気に満ちた顔を視たのはいついらいか・・・あの事件・・・いや、自分が侍女適正試験を受ける為に離れて以来か・・・
自分が適正試験から戻って来た時には、綾目様が誘拐され捜索している渦中だったな・・・発見後。救助隊に強引に入れて貰い、閉じ込められてる綾目様の姿を視た時。我を忘れて突撃してしまい、致命傷になるうる一撃を受けてしまったな。綾目様に貰った留針式装身具のお蔭で、命拾いしたんだったな…ハァ~(溜め息)
綾目様が救助されて直ぐ(綾目様が意識を取り戻す前)。総合侍女(護衛、執事の能力を併せ持つ侍女)になる為に、長い年月を離れて過ごす事になってしまったが。この先、綾目様と一緒に居る為に必要な事として・・・1週間前まで何をしても綾目様の意思が戻る事は無かった。自分は、無力感に苛まれるだけだった
今度こそ、綾目様を守り通す!
・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・
・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・
部屋の中から身体を動かしてる気配がしたので、上手く行ったと思い退散する事にする・・・長く考え混んで居たようだ・・・部屋に戻って早々に寝よう
眼を覚ましたので時間を確認して視ると、朝の7時だった。周りを視ると櫻殿の姿が視えない、桃子殿は寝てるのを確認した・・・っが、浴衣が乱れている。浴衣を正していると扉を開く音がした。櫻殿が戻って来たのだろうけど? 違和感を感じて入り口を視ると・・・内扉に張り附き眼を輝かしてる櫻殿が・・・
「・・・あ、僕の事は気にせず続きをどうぞ」
櫻殿に誤解されてる…イヤァ~~(内心の叫び)
「さ、櫻殿。何かご、誤解してないかな?」
「・・・大丈夫。綾目さんの事は気にせず、欲望の赴くままに♪」
「だ、大丈夫じゃな~い・・・櫻殿、態とやってるだろ」…ジト~(上目遣い)
あ、眼を逸らしたよ
「櫻殿!」
「ん・・・ふぁ~(欠伸) おはようございます。どうしたんですか?」
「・・・おはよう」
「おはよう。どうもしないわよ?」
「?? そうですか?」
「朝食まで1時間程あるから、お風呂(大浴場)にでも入って来てはどう?」
「そうですね~・・・そうします」
自分の言葉に桃子殿が準備をしだし。櫻殿は座卓に備え附けの電気魔法瓶から急須にお湯を注いでいる。自分は布団を畳んで隅に積み重ねていきます・・・準備のできた桃子殿が
「行ってきま~す」
「気を附けて、行ってらっしゃい」
「・・・行ってらっしゃい」
さて、綾目様を迎えに行きましょう
「櫻殿、自分は・・・」
「・・・綾目さんの迎え?」
「え、ええ、そうです」
「・・・一緒に行く、大地さんの所でしょ」
!! な、何で知ってるん・・・良く考えたら、居ないのだから自ずと分かるか。自分より早起きでしたし…ポリポリポリ(頬掻き)
「・・・大丈夫、知ってるから」
っ! 今の言葉・・・理解しているみたいですね。仕方ありません
「分かりました、一緒に行きましょうか」
自分の言葉と共に連れ立って大地殿の部屋に・・・
部屋に着いたので鍵(昨夜、綾目様から預かった)を開け、扉を開けると・・・っ凄い匂いが・・・窓を全て開けて、換気しながら辺りを見渡せば、綾目様の姿が見当たらない・・・っえ!
「・・・綾目さんなら、浴室用散水中みたい」
内扉前に佇んでいる櫻殿からの指摘に、搬入組立型浴槽に意識を向けると、気配と水音がします…ホッ(息)
「・・・其よりも、あれ!」
安堵していると、櫻殿が映像受像機の方角を指差しています。一体何が?
「何で部屋に烏が?」
「・・・違うと思う、良く足を視て」
櫻殿から烏の足に注目するように指摘を受けたので、足を観察するも・・・っえ?
「疲れてるのかな? 足が3本に視えるな?」
眼を揉み・擦り・周りを見渡し。再度、烏の足を・・・
「やっぱり3本。見間違いではなく・・・しかし、3本足の烏? 何処かで聞いたような」
「〔 <<・・・ ・・・ 鑑定>> 〕…小声」
櫻殿が小声で呟き、何かを確認しているように視える
「・・・八咫烏って霊獣だよ、綾目さんの卵が孵化したんだね。上がって来たら詳しく聞こう」
「ああ、3本足の烏って八咫烏だったか。然る神社で祭られてる神鳥だな・・・」
「・・・ん、知ってる?」
「あの神社とは縁があってな」
「・・・その割には、思い出すのに手間取ってた」
「そう、苛めんでくれ。自分達は遠ざけられていたし、関わり合う事は二度とないと思っていたのでな」…・・・・・(遠い眼)
櫻殿は、それ以上 何も言わなかった・・・
…ガチャ(扉の開閉音)
「あれ。櫻さん、おはようございます」
「・・・おはよう」
綾目様か浴室から出て来てきて、内扉前に佇んでいる櫻殿に挨拶していた
「花梨、おはようございます。迎えに来てくらたんですね」
「おはようございます。そうです・・・しかし」…チラッ(視線)
綾目様からの問に答えながら素早く審査し(浴衣着用に髪を乾かし中)、八咫烏に視線を向け・・・綾目様は、それを視て理解したのか、大きく頷き
「大地さんは、このまま寝かせて起きたいので、部屋に戻ってから説明します。櫻さんも宜しいですか?」
最後は、いつの間に部屋に上がり込んだのか大地殿を突々(ツンツン) 突いている櫻殿に向けて確認を問っている
「・・・ん、分かった」
「では、場所を移しましょう。おいで」
綾目様が八咫烏に近附き、手を差し出して呼び掛けると、綾目様の手首に飛び乗った・・・そのまま移動する事に
旅館内で許可の無い動物(鳥も含む)の連れ込みは不味いけど、今回は見逃して頂く事にしましょう
自分達は、大地殿を部屋に残し(換気中)、4人部屋に戻る事にした
朝食の配膳が始まり、5人分の準備が成される。準備が終わり、中居さんから退出時に
「御膳は廊下に御出し下さい」
っとのお言葉を賜る
中居さんと入れ替わりに、桃子殿がお風呂(大浴場)から戻って来た
綾目様の意向で、大地殿はもう少し休んで貰うつもりので、先に朝食を済ませる。後で、寂しく食べて貰おう!
・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・
・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・
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朝食が終わり。廊下に御膳を4組、積み重ねて置いて置く。座卓を真ん中に置き、四隅に皆が座り綾目様の説明を待つ
綾目様は手の甲に八咫烏を止まらせて
「私は昨夜、大地さんと今後の事について相談をしている時に、意識を失くしてしまい。明け方頃、誰かに呼ばれた気がして、辺りを見渡そうとした時に亀裂が入る音が響きました。 ッハァ! っとして振り仰ぐと、頭上に置いていた卵が上下に割れて、この子が出てきたんです・・・生まれた当初は、跳々(ピョンピョン) 飛び跳ねていましたが、殻を食べた以降は落ち着きだしたので、浴室用散水を浴びに向かいました。浴室を出た後は、花梨達に会いましたから」
綾目様が状況を説明してくれました、何か特別な事をして孵化速度を上げた訳ではなさそう。しかし、気になるのは意識を失うほど、凄かったと? 詳しく知りたいけど、現状で聞くのは憚れますね
「あれ、でしたら昨日、大地さんと一緒に寝たんですか!」…ッキラリ(耀く眼)!
「え、えっと・・・」…カァ~~(赤面)
綾目様、慌てたり赤面したら一発で張れますよ! …ハァ~(溜め息)
「自分が部屋に赴いた時は、2組の布団が敷かれてありましたよ」
「あれ? そうなんですか? ・・・な~んだ、同衾していた訳じゃないんだ」…ちぇっ(舌打)
同衾って何時の年代の人ですか~・・・大地殿なら分かるけど、桃子殿が使うってどうなでしょ
「・・・綾目さん、八咫烏の名前だけど決めた?」
「いいえ、まだ決めていません。その事でも相談をしたかったのです・・・っ所で、八咫烏とは、この子の名前ですか?」
「・・・八咫烏は種族名。名前は綾目さんが自由に附けて問題ない。ただ、正式に名附けるのは、花梨さんの卵の孵化後に会う、お爺さんに会ってからにして」
「残念ですが、名附けるのは先延ばしにします。名前だけでも考えて起きますね。しかし、八咫烏ですか・・・」…・・・・・(瞑目)
「・・・ん(頷き) それと、大地さんを起こさないと時間的にやばい。起こして来る」
綾目様の言葉に櫻殿が頷き、時間が差し迫っているとの指摘が・・・時計を見ると 9時を回り、20分を指している…あちゃ~(額覆う)
「でしたら、私が「・・・駄目」しに」
「・・・皆、おじさんを連れて来るまでに着替えて置く。着替える時間なくなるよ?」
…ッポン(掌叩く) 自分が起きた時から私服だった櫻殿 以外は、浴衣だよ。ここは・・・
「櫻殿、大地殿を起こして来て貰える? 浴室用散水を浴びて来る様に仕向けて貰えると助かるよ」
「・・・分かった、行って来る」
櫻殿が出て行ったので、2人を急かして着替えをする事に・・・勿論、綾目様の着替えを手伝うのは言うまでもない事!
☆★☆ 大地 ☆★☆
「・・・ ・・さん、・・さん、大地さん、大地さん」
「んあ?」
体が激しく揺れて、声が聞こえてきた上に、誰かの間抜けな返事?…ぼぉ~(呆ける)
「・・・大地さん!」
「ぅお」…ッギク(吃驚)
耳元での大声に吃驚した・・・誰が大声だしたのかと思えば
「櫻ちゃんか、吃驚したよ~・・・おはようさん」
「・・・おはようございます。大地さんが中々起きないから」
ありゃ、そうだったのか…ポリポリポリ(頬掻き) ・・・寝起きはいい方と思ってたんだけどな~、疲れが溜まっ・・・…ッポン(掌叩く) ああ、昨夜は・・・周りを視るも綾目さんの姿が視えず
「・・・綾目さんなら既に起きている」
なるなる~
「・・・ 9時半回ってる、急いで浴室用散水浴びて清爽する! 朝ご飯はその後」
ありゃ。もう、そんな時間か~、急いで汗流すかな
「汗、流してくるは~」
「・・・急いで、部屋 片附けとく」
「よろしく~」
櫻ちゃんに後をお願いし、着替えを持って搬入組立型浴槽へ
清爽して出てくると、見事に片附いていた・・・昨夜の事情で大惨事を引き起こした一組の布団は、座椅子の背凭れに乗せられている・・・視なかった事にしよう
忘れ物がないか確認後、鍵だけもって4人部屋に撤収~・・・会計の時に布団の代金も払おう(後腐れをなくす為にも)
移動中に綾目さんの卵が孵化した事。じいさんと会った後に、名附けをするように誘導した事。などを説明してくれた
「皆、おっはよ~さ~~ん」
部屋に入るなり挨拶をかました・・・寝過ぎを誤魔化す!
「「「おはようございます」」」
「大地さん、こちらに朝食の準備出来ています。どうぞ」
3人が揃って挨拶を返してくれた、寝過ぎを突っ込まれなくて良かった・・・綾目さんに促されて、御膳の前に座り、綾目さんが粧ってくれたご飯を掻っ込みながら朝食を平らげていく
朝飯を食べながら、映像受像機 上面に止まっている八咫烏を観察し、対応を考え・・・ってる余裕もなく 5分で食べ終わり、部屋を撤収する事に。皆の支度は清んでいる・・・部屋を出る時に御膳を廊下に出して精算に向かう
精算の時に備品は使用してなかったので通常料金のみ。ただ、何か言いたそうだったので・・・布団の件かな?
「迷惑料だ」
っと、言って諭吉を足しておいた。頷いたので、これで問題は発生せんだろ
さて、昨日買いに行けなかった小物関係を買いに行くとしよう・・・背嚢か籠か仕入れて八咫烏を入れ直そう。現在は昨日の買い物袋を2重にして旅館の手拭(粗品)を敷き詰めてた状態の所に押し込んでる・・・酷いが仕方ない
設備雑貨複合販売店、雑貨屋、登山用品店等を梯子して必要な物を仕入れる事ができた・・・八咫烏は籐製網籠を仕入れて移し替えた。何故か俺が持っている
仕入が終わったのは、昼を大分超えて14時になっていた。昼は食べていない、皆と話して駅弁を食べる事に決まったから。まぁ~お腹の空きは間食して誤魔化していたけどね~
駅で駅弁を購入して電車に乗り込んだ・・・4人掛けと6人掛けの対面式座席が合ったので、6人掛けの対面式座席を確保っす
乗り継ぎは電車から乗合自動車に乗り換えだけで、各乗り物は一本ですむらしい。楽でいいよ~・・・電車は約3時間だから手が空いたら思い附いた暗器? でも製作しよう
電車も動き出したので、漸く昼食だ~。駅弁は売店に置いてた全種類を買って来たので重複は無し! 皆のを摘まんだりしながら寛と昼食を満喫・・・っできるわけね~だろ! 俺が選んだ駅弁からは摘まんでいくのに、逆に俺が摘まもうとすると防御が凄いんだよ・・・取らして貰えない…シクシクシク(泣)
そんなこんなで昼食が終わり、桃ちゃんと花梨の2人は卵に向かい合い、櫻ちゃんと綾目さんは何やら相談してるので、あぶれた俺は暗器製作に取り掛かろう
まずは練習用で錘を高弾性玉で製作っと・・・紐を連結させる留め金具を高弾性玉自身に釣糸を使って何種類か製作する。過程で高弾性玉に2㍉の穴を開けるのに電動の螺旋錐を使用するが、充電できる場所がなかったので乾電池で簡易的に起動させる。負荷は少ないので何とかなった
採用したのはV型に穴を開けた高弾性玉だ。開いた方で釣糸結びをした。錘と錘の間の紐を1㍍に設定して完成だ、中国の暗器で縄楔を基にしている・・・車内なので使用は出来ないが上手くいったと思う
櫻ちゃん専用の縄楔に取り掛かる・・・片側の錘を皮製手首巻に変更し、紐の長さも60㌢に短くする。皮製手首巻の上下に穴を開けて金具を附け、指先側に紐を取り附け肘側に錘を取り附けれる様に細工をする・・・想定通りに出来た
後は、通常版を3個と桜ちゃん用を1個。暗器と違うが、旋棍を一組、作って置きたい。だが、一旦休憩しよう・・・疲れた…ふぃ~(一息)
「何を作っているんですか?」
こちらの手が止まったのを見計らって綾目さんが質問してきた
「ん~っと・・・一様、暗器に属す護身具。かな?」
「暗器?」
「隠し武器の事、護身用で持っておけば何かと便利だよ・・・使い慣れればだけど」
「護身用・・・私でも使えるのですか?」
「使えるよ。基本的な動作は、投げる、振り回す。後は応用だな・・・全員に渡す予定だよ」
「・・・僕にも貰えるの?」
「おう、櫻ちゃんには専用のになるけどな」
「・・・専用?」
「櫻ちゃんの技能に合わせた物だよ・・・片方しか出来てないけど、はい・・・綾目さんにも」
綾目さんには通常版、櫻ちゃんには専用の皮製手首巻右側を渡す
「櫻ちゃん、皮製手首巻を右手に附けたら手首巻の上に紐を巻き附けて、錘を肘側に取り附けれる様になってるから取り附けて・・・綾目さんに渡した方は、取り出しやすい方法を各自で考えて貰わないけないんだは。束ねて衣嚢、ないし腰等に取り附ける様にするとかね」
「・・・これ、かなり面倒」
「衣嚢に入れるより、腰に吊るす方がいいかもしれないです」
「綾目さんに渡した方は色々検証がいると思う。櫻ちゃんに渡したのは技能と併用しないと駄目だぞ」
「・・・っむ」
櫻ちゃんが考え込んでしまった・・・綾目さんも色々 試してるので、2人の邪魔をしない為にも残りの製作に掛かるか・・・
錘を必要個数作っていたら、([ピキッ])っと、亀裂の入る音を聞いたので顔を上げると、小さく感喜姿勢する花梨と項垂れる桃ちゃんの姿が目に入った
「亀裂が入ったのは花梨の方?」
「ああ、もうじき産ま([ピキピキピキ])ぞ♪」
花梨の産まれるぞ~、発言途中で新しい亀裂 割れの音が
「やった~、私の方も産まれる~♪」
桃ちゃんも嬉しそうに報告してくれた・・・さて、どちらが先かな。先に亀裂が入ったのは花梨だが、勢いは桃ちゃんの方があるな~
っと、気長 構えてたらいかんな
「 <<我が守り 主を守り 友を守り 皆を守る その存在を隱せ 守護結界(認識阻害)!>> 」
…薄い膜の穹窿
6人掛け対面式座席に認識阻害系の守護結界を掛ける、これで生まれても周りに騒がれない・・・綾目さんも籐製網籠から八咫烏を取り出している
結果から言うと、先に産まれたのは桃ちゃんの霊獣(狐)だった。花梨の霊獣(熊)は手足と頭を殻から飛び出さして肝心の胴体部分の殻を割れずにいた。視かねたのか八咫烏と産まれたばかりの狐が胴体部分の殻を割って助け出していた・・・凄い間抜けな熊さんが誕生した!!
それぞれの霊獣(狐と熊)が殻を食べた事により、呼び出しが掛かる
つづく
烏を鳥に変更
漢字を何個か旧字体に変更 例、気=氣 神=神と神の二種類
呪文を囲いました
アヤメ ⇒ 綾目 に変更。他のカタカナに漢字(当て字)を当てて視ました




