34、大地は除け者・・・
遅くなりましたが、作成できましたので差し替えました…ペコリ(お辞宜)
34、大地は除け者・・・
☆★☆ 綾目 ☆★☆
現在、私達は、ワッツさんの案内の元(背中に乗せて貰っての移動)、神楔山の山中にある、選別の泉に向かっている
昨日の話し合いで、食料調達が可能かどうかの調査、並びに、他人に視られずに本来の姿での経験を積む為、封印されし迷路へ挑む事に決まりました。ワッツさんの御願いでもありました
封印されし迷路へ赴くには、まず、選別の泉で資格を有している事を立証しないといけません。立証と言っても泉に触れるだけで良いそうです。資格を有していれば、、祭壇へ転移し、資格を有していないと何も起こらないそうです。凄く簡単です。そして、祭壇から封印されし迷路へ至る道があるそうです。ワッツさん自身が確認した訳ではなく、末裔の人達から教えられた情報らしいです
ワッツさんが未確認なのは、選別の泉に行く正規 道は存在せず、偶発的に出来た特殊道を通るそうです。その特殊道は、入り口が狭く、体格的に通れないと仰っておられました(肉体変改しても無理との事)
『ここだ』…念話
「・・・ここ?」…キョロキョロ(左右見渡す)
「あの~、まさか山肌にある亀裂がそうなの?」…ピッ(指差す)
考え事をしていると、目的の場所に到着したみたいです。ワッツさんが屈み込んでくれています。そのワッツさんの後頭部に張り附いていた櫻さんが辺りを見渡し、隣に張り附いている桃子さんが、身を乗り出しています。平衡を崩さないか心配です
『うむ。ここが唯一 選別の泉に繋がっている場所だ』…念話
櫻さんと桃子さんが視ている光景(亀裂)を視る為に、ワッツさんの背から身を乗り出そうとした所で、花梨に止められました
「綾目様。危ない真似はせずに、素直に降りましょう。櫻殿に桃子殿。ワッツさんから降りますよ・・・っよっと」
花梨に、ワッツさんの背から降りる様に促されました。その花梨は、櫻さんと桃子さんに声を掛けてから、素早く飛び降りて私を見上げています。私の補助をする為でしょう。ワッツさんが屈んでくれていても、5㍍ぐらいはあるからでしょう。人間の時なら飛び降りたら危険な高さです。今の私なら・・・今も昔も関係なく怖いです。素直に背中を伝って降りようと思います
「いっくよ~~~・・・っとぉ~」
「・・・ん、いく」
声にワッツさんの頭の辺りを見上げると(ワッツさんの頭は、まだ、私より高い位置にあります)
「っあ! あぶな・・・ぃ・・・」
私が叫そうになった時に、櫻さんと桃子さんの背中の羽が拡がりました。翼を拡げた2人は地面より少し高い所で停止しています(1㍍程 浮いた状態でしょうか)。櫻さんは翼を拡げただけで羽ばたかず、桃子さんは翼を拡げて、何か光る粒子を噴出しています。確か・・・魔導を噴射して推力を得るのでしたね
「・・・ふぅ~~」
「2人共。幾ら翼があるからと言って、あまり無茶はしない事。凄く吃驚しましたよ」
2人の足がゆっくり地面に附いた所で、私は安堵の息を吐いてしまいますた。花梨が2人を諫めています。今の内に、背を滑り下ります
「・・・ごめん」…ペコリ(謝罪)
「ごめんなさい」…ペコリ(謝罪)
『わっはははは。確かに翼があると、試したくなるわな。まぁ~、翼が在る者と無い者の、感覚の違いがでるのは仕方がない。花梨に綾目、翼 在る者の行動に慣れる事じゃな。櫻に桃子、空中での活動に問題がない事を示さねばな。2人は、まだ、翼に慣れておらぬのだろう?』…念話
「・・・はい」
「はい。心配の掛けない低空での飛行に慣れてから高度を上げて行きます」
「2人が翼 持つ事は理解しているのですが、咄嗟の事態には、昔の感覚で判断していまいます。自分も、まだまだと言う事ですね」
「確かに、2人には翼があるのですから、高い所から飛び降りても、対処できるのでしょう。2人の翼の使用を今回が初めて見なければ、ここまで心配はしなかったでしょう」
ワッツさんの話してる最中に、滑り下りる事はできました。最後の所で、花梨に支えて貰ったのは内緒です。そして、花梨の発言の後に、私の意見も述べて、話を聴いていましたよ~っと、何食わぬ顔で佇む事にしました
「・・・ん。2人には、飛行の補助して貰う。そして、今は居ない大地さんを驚かす!」
「それ、いい考えだょ! 大地っちを、驚かそう!」
「まぁ~、ほどほどに」
「えっと、どういう補助が出来るか分かりませんが、がんばりましょう」
「え~っと、綾目様?」
「はい?」
「いえ、何でもありません」
私の発言に、花梨が驚いて話しかけて来ましたが、直ぐに打ち消しています。何に擬問を持ったのでしょう? 桃子さんが、此方に向けて右手の親指を立てながら突き出しています。櫻さんは何度の頷いています。一体 何なのでしょうか?
っと、そうです。今 現在、大地さんは別行動中です。昨日、皆で話し合って、大地さんには傷が癒えるまで霊獣郷にて療養して貰う事になりました。但し、夕食だけは一緒に食べる約束になっています。緊急事態が起こった時には、その限りでは無くなってしまいますが、数日で緊急事態が起こるとも思えません
っで、残りの私達。櫻さん、桃子さん、花梨に私の4人で、封印されし迷路を下見に訪れたのです。それと、私としては、未来を知る祭壇・・・っいえ、未来を知るお告げでしょうか。自身に迫る死のお告げ、視方に寄っては苛酷な、絶望しかない未来。自暴自棄に陥っても可笑しくないでしょう。私が注目したのは未来の回避が可能な点。私達の常識とは懸け離れた世界で、堅実、健全に生活基盤を手に入れるまでに訪れるかもしれない死を、少しでも回避できる手段があるのなら、試したい所です
「ワッツ殿。この亀裂は、発見当時からこのままなのですか?」
『そうだ。吾等が発見し、調査当時から変化はない』…念話
「では、この亀裂には、全く手を加えていないのですか?」
『ふむ。自崩れがしない様に、代々の継承者・・・っいや、末裔達が固定化の魔法を掛けている』…念話
「ワッツ殿が入れる様に、規模を拡大しなかったのですか?」
『ふむ。調査の結果、特殊な泉と分かったのでな。下手に手を加えるより、崩れない事を優先したのだ・・・だが、それが良かったのかどうか。今までに、幾人か試したが、初代の血を受け継ぎし、次代の者が1人だけしか認められていないのが現状』…念話
花梨が、亀裂に附いて質問しています。ワッツさんの返答にて、泉に認められた人物は、初代の血族で一世代に1人との情報が聴けました。継承されている洗礼とは一体・・・何か、秘匿される様な神秘でもあるのでしょうか?
「世代に1人の継承者。何か神秘的ですね」
「神秘的って言うよりも。血統を重んじた一子相伝だよね。何かの秘奥を伝えているんじゃないの?」
私は、神秘的だと思いました。でも、桃子さんは、別の何かを思い描いているのでしょう。
『いや、それはない。洗礼を受けて得るのは、場所を弁えぬ神託と、後は、祭壇での死の告知じゃな(映像附き)』…念話
「あの。弁えぬ神託とか死の告知とか、言い方が疎略に聴こえるのですが?」
花梨の言葉に、深く頷いてしまいます
『気のせいだ。そうそう、代々の継承者達は、死の告知を有効に使っていたぞ』…念話
「回避可能な死の告知は、有り難い事だよ。私達も、洗礼を受けて今後に生かしたい所だよ」
桃子さんの言葉に、全員が深く深く頷いています
「さて、崩落の危険性は無さそうなので、選別の泉に向かう事にしましょう。先頭は自分、桃子殿、櫻殿、綾目様の順で入って行きます。灯は、先頭の自分と最後尾の綾目様で作り出します。宜しいですね」
『〔・・・ほぉう〕…小声』…念話
花梨の言葉に、私達は、頷きを持って答えました。私達は、素人の集まりです。暗視の能力を宿した目の技能を有するとはいえ、心理的に光源が欲しいのです。全員で灯すより、先頭(前方の確保)と最後尾の者が生活魔法の灯を灯す事で、隊列の目印として有効ですし(迷子防止)、ワッツさんに対して、暗視系技能の偽装としても有効なのでしょう。各自の目の技能は、教えていませんから。花梨の言葉に、ワッツさんが小声で何かを呟いた気がします。内容は判りませんでした
「〔並列思考。兎の目〕…小声 <<灯よ>> では、ワッツ殿。行ってまいります」…ペコリ(頭下げる)
『ふむ。気を附けて行ってまいれ』…念話
花梨が、小声で並列思考と兎の目を使用しました。多分、ワッツさんには聴こえていないでしょう。その後、生活魔法の灯を、聴こえる様に唱えました。策士さんですよ。今の所は、真似をするべきでしょう。右手に灯を灯した縄楔を携え、ワッツさんと挨拶を交わした後、身体の右側を前面に向け、横向きで亀裂に入って行きます
「〔並列思考。鷲の目〕…小声 行ってくるよ~」…ペコリ(頭下げる)
「〔・・・並列思考。空間認識。梟の目〕…小声 ・・・行ってきます」…ペコリ(頭下げる)
花梨に続き、桃子さんと櫻さんは、それぞれ翼を畳んでから、花梨と同じ様に技能を使用して、亀裂に入って行きます。ですが、幾ら小柄と言っても、翼が在る分、少し窮屈そうに視えます。並列思考の使用は、万一に備えての事でしょう。櫻さんは、空間認識も使用していました。次は、私の番です
「〔・・・並列思考。蛇の目〕…小声 <<灯よ>> それでは、行ってまいります」…ペコリ(頭下げる)
『ふむ。気を附けてのぉ。吾は、此処で待機しているのでな』…念話
「はい」…ペコリ(頭下げる)
ワッツさんの返答に答えてから、私も、皆さんと同じ格好で亀裂に入って行きます。因みに、灯については、花梨と同じ様に縄楔に灯しています
少し進んだ所で、皆さんが待って居てくれました。私の合流後、ゆっくりと進んで行きます。蝙蝠とかが居ても良さそうなのですが、何も出ずに進んで行きます・・・蝙蝠と考えた時に、影蝙蝠を偵察に出せば良かったのだと思い至りましたが、時 既に遅し! って、感じです…ハァ~(溜息)
っあ! そうそう、霊獣達も一緒に行動していますよ。蒼穹は、私の左肩に器用に止まっています。翠雨は、定位置の櫻さんの後頭部に張り附いています。漆黒は、桃子さんの頸に纏わり附いています。紅蓮は、花梨の足元で一緒に歩いています
☆★☆ ◆◇◆ ☆★☆
その頃、別行動になった大地は、霊獣郷の屋敷の自室に設置されている治療水槽装置内で、浮遊している・・・もとい、液体浸けっと言うよりも、極光浸けと表現した方が適切でしょうが、この際、何 浸けでもいいでしょう。そういう理由で、何も出来ない状態が続いています。意識があるのかは不明ですな~
つづく
生活魔法・灯の使用者を2人に変更、それに伴い、本文を一部修正




