27、極度の空腹に襲われる
櫻と桃子が、各自を愛称で呼ぶ
櫻 ⇒綾目さん 花梨さん 桃っち 月夜見さん
桃子⇒大地っち 櫻っち 綾目っち 花梨っち 月夜見っち
27、極度の空腹に襲われる
☆★☆ 櫻 ★☆
「・・・う・・・う~~ん・・・うん?」…むくり(上半身を起こす)
…キョロキョロキョロ(周囲見渡す)
白を基調にした落ち着いた部屋、扉の反対側の壁際に寝台が置かれていて、その上で寝て居たみたい。家具に関しては寝台 以外の物は見当たらない
「・・・ここはいったい何処?」…???(疑問符)
傍らに寝て居た翠雨の背を撫で乍ら(鱗が冷たくて気持ちいい、お腹の方は体温を感じるのか仄かに温かい)。この場所の事と、昨夜の事を思う出そうと・・・っあ!
「・・・そうだった。この場所は、僕に割り当てられた部屋だ。それに、昨日は部屋で少し休むつもりが寝てしまったんだ」
…キョロキョロキョロ(周囲見渡す)
改めて部屋を見渡して、拡くて何も無い殺風景な部屋。拡いからかな、ちょっと寂しい感じがする
「・・・っと、そろそろ起きないと。今、何時だろう」
部屋の中には時計も無かった、時間が判らない。窓からは明るい光が射しているので、夜が明けているのは分かるんだけど。取りあえず、寝台から降りて、脱ぎっぱなしだった服を着て(下着で寝て居た為)、扉に向かおうとした時に
…ぐぅ~(お腹が鳴る)
お腹が空いた~。起きた時は気附かなかったのに、いきなり襲い掛って来た。確かに昨日の晩御飯は食べてないけど、この空腹感は・・・過去の経験から、一食や二食 抜いた程度では、ここまでにはならない。三日ぐらい食べられなかった時と同じだ(施設の懲罰の一種、食事制限(水のみ))
「・・・翠雨もお腹空いた?」
お腹を押えた状態で、翠雨に問い掛けてみた所。じっと見詰められ
『=腹=満<減=\(飯)/=』…意思疎通
お腹が空いている事と、ご飯を食べたいとの感覚が伝わって来た。普通だ、僕みたいに、空腹感に襲われていないみたい。この差はなに? ・・・取りあえず、何か食べたい! 翠雨を頭に乗せ、食べ物を求めて部屋の外へ
…ガチャ(扉の開閉音)
…カチャ(扉の開閉音)
外に出ると別の部屋から、蒼穹を肩に止まらした綾さんが出て来た所だった
「あら。櫻さん、おはようございます」
「・・・おはよう、綾目さん」
「今、眼が覚めた所ですか?」
「・・・そう、綾目さんも?」
「はい」
…ぐぅ~(お腹が鳴る) ×2
「・・・っあぅ」
「ぅうう」…ババッ(両手でお腹を押える)
お腹の鳴る音が二重に聞こえた、1つは僕だ。もう1つは・・・綾目さんが両手でお腹を押え、赤くなった顔を下に向けている。そこまで恥ずかしがらなくていいのに
「・・・綾目さん。お腹が空いたので、一緒にご飯を食べに行こう」
「そ、そうですね。私も([…カチャ(扉の開閉音)…っぐぐぅぐぅ~~(お腹が鳴る) ])・・・」
綾目さんが言いかけた時に、扉の開く音と何かの鳴る音が・・・音の方を視ると
「おや。綾目様、櫻殿、お早うございます」
紅蓮を小脇に抱えた花梨さんが、部屋から出て来た所だった。音の正体は、花梨さんのお腹の音と思われる。今も鳴り響いている
「花梨、おはようございます」…ペコリ(お辞宜)
「・・・おはよう、花梨さん。所で、先程から音が鳴りやまないね」
僕の言葉に、花梨さんが慌ててお腹を押え
「すみません。異常にお腹が空いてしまって・・・今まで、この様な事は無かったのですが」…しょぼ~ん(肩を落とす)
少し赤くなって言葉を継いでいたけど、最後には気落ちしたようになってしまった。そんなつもりで言ったんじゃないんだけど・・・でも、小脇に抱えられた紅蓮が([ポンポン])っと叩いて励ましている
「花梨、別に櫻さんは責めている訳ではないわよ」
「・・・っん(頷き) 僕も綾目さんも、お腹が空いてお腹の虫が鳴いてるからね」
「…ッポン(手叩く) そうだは、花梨。一緒に御飯を食べに行きましょう。櫻さんも良いですよね?」
「はい。お供します」
綾目さんの問い掛けに頷きで答え、花梨さんは良い返事をしています。そして、3人のお腹の虫も鳴いている(鳴る派手さは横に置いといて)。この事から考えて、大地さんと桃っちもお腹が空いていると予想できるけど・・・2人の部屋からは起きた感じがしない? 大地さんは起きても動けるのかな?
「櫻殿、今はそっとしておきましょう。特に大地殿が気になるのは分かりますが、まずは、腹拵えをする事が肝心です」
「そうですね。花梨の意見に賛成です」…こくり(頷き)
花梨さんが、僕の視線? で理解したのか、自然に起きるのを待つべき事と食事を先に取る事を勧められた。綾目さんも同意した事から、僕もそれに倣う事に
「・・・ん、分かった」
盛大に鳴るお腹を押えた(片手で)花梨さんを先頭に、僕と綾目さんが後に続き、一階の食堂へ
食堂の扉前に来ると、中から香ばしい匂いが・・・
…っぐぐぅぐぅ~~(お腹が鳴る)&ぐぅ~(お腹が鳴る) ×2
匂いに触発されたのか、僕も含めた3人のお腹が合唱をする。お腹空いた~~~
…ガチャ(扉の開閉音)
「皆様、お早うございます。お待ちしておりました」
食堂の扉を開いて中に入ると、待ち構えていた月夜見さんから挨拶された
「お早うございます、月夜見殿」
「おはようございます、月夜見さん」
「・・・月夜見さん、おはよう」
「お食事の用意は出来ています、お席に御附き下さい」
月夜見さんが、食事の用意を整えてくれていた。食堂入り口に漂ってきた匂いは、月夜見さんお手製のご飯だ・・・でも、月夜見さんは休憩施設の管理人であって、僕達の世話係ではないんだけど? いいのかな~っと思いながら、皆が席に附き、空腹を満たす為に食事を始めた。勿論、翠雨達用のご飯も用意されていた。それも、月夜見さん特性の餌。内容は、野菜と肉を長時間 煮込んだモノに、米を足し(御粥? 雑炊? 何方だろう?)、最後に解した魚の身を振りかけると完成! かなりの手間が掛ってるよ(煮込み時に)。お手軽に弁当(人間用)を与えていた大地さんは、月夜見さんに厳重と絞られていたのは言うまでもないかな
結果から言うと、月夜見さんの料理はとても美味しかった! 食べた事ないけど、話に聞く五つ星 等級だと思う、それぐらい美味しい。綾目さんと花梨さんが絶賛していたからね、間違いないと思う。普段は小食な僕だけど、沢山 食べた。僕と綾目さんが、それぞれ3人前、花梨さんに至っては6人前だよ。お腹も膨らんでないし、何処に入ったんだろ・・・この分だと大地さんと桃っちも凄い量を食べると予想できる
「すいません。貪いてしまって」
「お気になさらず。あれ程の食べっぷりは、作った方としては嬉しいです」
「恐縮です」
花梨さんが満ち足りた表情から一転、願望(空腹からくる旺盛な食欲)に突き動かされた事を恥じ、無作法を月夜見さんに詫びている。月夜見さんは、旺盛な食欲に感心していた
「あの。私達が物凄い量を食してしまった後で、この様な事を聞くのも烏滸がましいですが、大地さんと桃子さん、月夜見さん自身の食べる物は足りているでしょうか?」
「そうですね。予想はしていましたが、仕込み分は粗方 無くなってしまいました。材料はまだありますので大丈夫です」
綾目さんが月夜見さんに食料の事で確認を取った途端、花梨さんの恐縮度が増した様です。誰が視ても6人前は食べ過ぎでしょう。でも、予想内って・・・
「ただ・・・今後の事を考えると、何か狩って来て貰えると助かります」
…ッガバ(顔上げ)
「それはもう、熊でも猪でも視掛けたら狩って来ます」
月夜見さんの言葉に、物凄い勢いで花梨さんが反応して獲物調達を約束しています。僕達が初めて遭遇した生き物? は、煮ても焼いても食えなたものじゃなかったから
月夜見さんに渡す以外にも、今後の事を考えて色々と確保しとかない。主に換金用として! 桃っちが言ってたけど、小説では定番になる、街への入場料やギルド等の登録料など、必要経費(料金の幅は色々らしい)が掛るとの事(良く考えたら費用の事は聞いていなかった)。大地さんも桃ちゃんの意見に肯定していた
「・・・月夜見さん、僕達が空腹状態で起きて来る事が分かっていたの?」
「はい、予想していました」
「あの、何故 予想できたのか御聴きしても問題ないでしょうか?」
「簡単な事です。まず、種族が変化した事により、蓄えられていた活動力消費。初戦闘による緊張からくる疲れ。異世界転移による心身の疲れ。他にもありますが、大きく影響してるのはこの三点で、これらが休む(寝る)事で緊張が解け、表面化(活動力低下による空腹化)しただけの事です」
「この空腹化は、今後も起こり得る?」
「当分は起こり得ると思われます」
「解決策はありますか?」
「時間経過で、改善するはずです」
どれもこれも、初めて尽くしだったので、常に緊張していたと予想できるし、時間経過で改善されると言うのも、ようは慣れの問題だと思う。暫くは、極度の空腹に襲われるかもしてない。早急な食糧の確保が急務になるけど、今は考えても仕方ない
「・・・お腹も満たされた。空腹の意味も理解できた。後は、大地さんの様子を視るだけ」
「そうですね。一緒に大地さんの様子を視に行きましょう」
「それでしたら、自分もお供いたします」
「・・・ん、行く」
現状でやるべき事は大地さんの様子確認のみになり、三人で大地さんの様子を視に行く事に決まった
「皆様、少しお待ちよ」
皆で席を立とうとした所で、月夜見さんから呼び止める声が
「・・・どうしたの?」
「何か御座いました?」
僕と綾目さんは擬問を抱き、花梨さんは黙って月夜見さんを見詰めています
「現在、大地殿の部屋の入り口は、誰も侵入できない様に封鎖しています」
「・・・封鎖? なぜ?」
「大地さんに、何かあったのです?
「大地殿の容体が、悪化でもしたのですか?」
月夜見さんの口から、大地さんの部屋への立ち入り禁止が告げられたけど、なぜ? 出入りを禁じるって事は、面会謝絶? 考えられるのは、怪我(骨折)が悪化した(寝相が悪くて)。又は、毒状態が再発した(解毒が完璧ではなかった)。寝相で怪我(骨折)の悪化は、極光が居るから無いと思う。毒の再発は、他の子達が再発してないのに大地さんだけ起こるのは、変だと思う。う~ん、分からない、なぜ?
「誤解を招く言い方で、申し訳ありません…ペコリ(お辞宜) 大地様の経過は順調・・・いえ、現状ですと、2~3日で完治するでしょう」
「・・・? 僕の治療魔法(現段階)だと、骨を元の場所に戻す事は出来たけど、完治は無理だった。自然任せにしては早くない?」
「そうですね。自然経過で完治するには、普通は一月。早い人でも半月は掛るはずなのでは?」
「月夜見殿は、手を出す事を良しとせず、見守る方向で動かれていたはず。昨晩に何があったのですか?」
大地さんの怪我(骨折)が数日で治るのは嬉しいけど、ちょっと異常だと思う。立ち入り禁止の理由が、この異常な回復力に関係するって事かな?
「昨夜、大地様の様子を視に部屋へ赴いたのですが、部屋の中で予期せぬモノを視てしまいました。それの効果の程を推察(調査)し、若干の手助けをしました。部屋を封鎖したのは、予備知識もなく、手を出してしまうと予期せぬ事が起こる可能性がありましたので」
「・・・予期せぬモノとは何?」
「では、予備知識を得るまでは、出入り禁止なのですね。今、教えていただく事は出来るのでしょうか?」
「その、予期せぬモノのおかげで、回復は早まったと。話しぶりから察すると、後遺症 等は大丈夫なのだな?」
「回復が早まった為の後遺症はありません。寧ろ機能回復訓練の必要が無くなりました。予備知識に関しては、私と同伴いただければ問題ありません。予期せぬモノは、ここで説明するよりも、自身の眼で視て貰う方が良いでしょう」
「・・・今から行く」
「宜しければ、これから御一緒 願えますか」
「2人とも落ち着く。心配なのは分かるけども、月夜見殿の予定もあるでしょう」
月夜見さんの言葉に、大地さんの様子を早く知りたくなり、月夜見さんを急かした所で花梨さんに落ち着く様に言われた。綾目さんも一緒に諫められていた
「私の方は問題ないですよ。ただ、桃子様も揃ってからの方が助かります」
「そうですね。自分達のみで行くと、桃子殿は別枠で行く事になり、月夜見殿の手間が増えてしまいますね。それに・・・」
「・・・お腹空かせた桃っちが食堂で行き倒れ!」
「いや、流石に行き倒れは・・・」
「行き倒れは可哀想ですね。桃子さんが起きて来るのを待ちましょう」
「綾目様まで・・・」
「行き倒れにならない様に、食事の仕込みをしてきますね。直ぐに食べれる様に」
「・・・ ・・・ ・・・」
桃っち行き倒れ説! 花梨さんが否定しようとするけど、綾目さんまで乗って来たうえ、止めを月夜見さんが差し、花梨さんが否定を諦めた~
月夜見さんは、皆にお茶を配っ てから隣の厨房(=台所)へ向かった。因みに厨房は食堂と廊下、それぞれに入り口がある。綾目さんと花梨さんは、桃っちが来るまで安穏の予定。僕は、月夜見さんの手伝いに向かう事にした。本当は、花梨さんが向かおうとしたけど、僕が行きたい事を告げて、安穏して貰う事にした
月夜見さんの指導の元、仕込みの手伝いをしていると
…ずだだだだだだだぁだ~(勢いよく突っ走る)
何かの音が近附いて来る。月夜見さんは、音を聞くと一瞬で食堂に消えた・・・っえ? 今まで後ろに居たのに、どうやって移動したの? って、そうじゃなく、僕も食堂へ行く事に。勿論、調理中の火は落としたよ
…ずだだだだだだだぁだ~(勢いよく突っ走る)
…っきききっきぃ~(止まる)
…がちゃ(扉開く)
「お腹すい([スパーーーン!])ぃたぁ~~」…ッツゥゥ(頭押える)
僕が食堂へ差し掛かった所で、桃っちが勢いよく部屋に入って来た。そして、間髪を入れずに月夜見さんから御盆で叩かれ、頽れている(頭を押えて女の子 座り中)
「…っつぅ~~(疼痛) もぉ~、誰よ~頭 叩いたの~」
「私です。因みに、何故 叩かれたのか分かりますか?」
「っえ …タラ~リ(汗) っえ、っえっと、な、な、なぜかな?」…ッチラ(上目使い)
桃っちが呻いて悪態を附き、月夜見さんが答えた事で誰に叩かれたのか理解し所で、汗を掻きだす桃ちゃん。月夜見さんから感じる威圧感が凄い。今の月夜見さんの問いに、疑問系で返してどうするの~…ひゃ~~(冷汗)
「分かりませんか?」
「えっえ~っと、」
「・・・ ・・・ ・・・」
「い、勢いよく扉を開いた、こと? えっと、叫んだ、こと? っえっとっえっと、そうだ! 挨拶をしていない」…ッポン(掌叩く)
桃っちが連続で答えた(最後に勢いよく)。間違ってはいない、けど、肝心なのが抜けてるよ。
「確かに桃子様の仰る通り、どれも褒められたものではないですね。ですが、肝心の事柄が抜けています」
「ぇえ~っと、なにかな?」
「屋敷内を走り回る事です」
「えぇ~~、それぐら([スパーーーン!])ぃたぁ~~」…ッグぉぉ(蹲る)
「何がそれぐらいですか。良いですか? 淑女、いえ、女性が家(屋敷等)で一番やってはいけない事は、音を立てて走り回る事です」
ぇえ~と、音を立てて走り回るのは駄目なのは分かるけど、それが一番かって聞かれると・・・綾目さんと花梨さんを盗み視ても微妙な表情してるし
「この際です。一度、淑女としての嗜みを身に附けるべきですね」
「ま、まってまってまって。今回は私が悪かったから、それは許して下さい」…ペコリ(土下座)
「そうですね、今回は見逃しましょう。次は、教養を身に附けて貰いますので、よろしいですね?」
「は、はい~~」…カクカクカク(連続頷き)
「さて。お腹も空いたでしょう。席に附いて下さい、直ぐに用意しますので」…スタスタスタ(歩)
月夜見さんは、桃っちに席を勧めて、料理を取りに隣の厨房へ向かった
「ぅうぅううう~、痛かったよ~」…シクシクシク(泣)
桃っちが半泣き状態で席に附く。今回の事は、自業自得だと思う
「おはようございます、桃子さん。頭は大丈夫ですか?」
「・・・おはよう。自業自得、我慢する」
「おはよう、桃子殿。もう少し、落ち着きを持って行動する事を覚えた方がいい」
「ぅうぅううう、慰めの言葉が一つもない~~ …がっくし(凹) 皆、おはよう」
桃っちが席に着くなり、机に突っ伏した。漆黒は、翠雨達の横でお座りして待ってる。主人よりも躾(礼儀)がなってる。暫くすると、調理場から良い匂いが漂って来た、月夜見さんが、最後の仕上げに入ったみたい。匂いが漂って来たと共に
「…ッガバ(身を起こす) こ、この匂いは、空腹にはたまらない~~」…がたがたがたがた(振動)
「落ち着け、そろそろ出来上がるだろう」
「もう少しの辛抱ですよ」
「・・・漆黒を見習うべき」
「で、でも、お腹が空き過ぎて・・・皆さんは起きた時、どうでした?」
桃っちの気持ちは分かる、僕達も同じ状態だったから・・・でも、知られてないから如何とでも言える。おおお、自分の状態を鑑みて、此方の事を聴いてきたよ
「自分達も、異常にお腹の空いた状態だったよ」
「お恥ずかしいですが、お腹の音が止まりませんでした」
「・・・空腹は最高の調味料っと言う・・・っでも、空腹に関係なく月夜見さんのご飯は美味しいから、期待していい」
僕の返答に、綾目さんと花梨さんが、うんうんっと頷いている。桃っちは、涎が止まらなくなったみたい、だらだらと垂れてる
「桃子殿、涎を拭きなさい」…っす(差し出す)
観かねた花梨さんが、お手拭きを差し出し、桃っちは受け取って、涎を拭いています、どうにか止まったみたい。そんな事をしてると、料理を持った月夜見さんが食堂に入って来た
「お待たせしました」
月夜見さんが、持ってきた料理を桃っちの前に並べている。それを、箸を持ちながら今か今かと眼を輝かせている桃っちが・・・って、いつ箸を持ったの? 直前まで持ってたお手拭きは何処に消えたの?…キョロキョロキョロ(周囲見渡す)
「櫻殿、どうかした?」
「・・・っえ~っと、桃っちがもっ・・・」…じぃ~~(凝視)
「いっただきま~~っす」…バクバクばくばく(早食い)
花梨さんの問いに答えようとした所で、花梨さんが持っている物に気が附いた。ヨレヨレになったお手拭きを持っている事から考えて、桃っちの手の内容物が変わった原因は花梨さんだ! 月夜見さんの無音移動(気附いたら居ない)も凄いけど、花梨さんの互いの手荷物瞬間交換(気附いたら無手の状態から手荷物を交換していた)も凄い、奉公系の職を持ってる人は何か突き抜けてないと駄目なのかな?
「…ふふふふふ(微笑み) 櫻さん、気にしても仕方ない事ですよ。花梨だから。月夜見さんだから。っで、良いのですよ」
「・・・そういうモノ?」
僕が驚いていると、綾目さんが気にしても仕方ないっと、教えてくれた。綾目さんの眼が、何処か遠くを見詰め、何かの悟りを開いた感じになってる。諦念できる何かが過去(幼少の頃? 最近?)にあったのだろう。綾目さんを視てると、この事は深く考えない方が得策かもしれない。因みに、桃っちは物凄い勢いでご飯を食べています。月夜見さんの姿が視えないので、多分、厨房に行っているのだろう
そして、桃っちが4人前を平らげた。これから大地さんの部屋へ向かう事と理由を述べて、皆で向かう。因みに、僕と桃っちは満腹で、綾目さんと花梨さんは腹八分で止めていた事がわかった。花梨さん、6人前 食べたのに腹八分って・・・僕が一番の小食、一番 小柄だからね!
つづく




