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目覚め
風が頬を撫でる あぁ…昨日窓を閉め忘れたのだろうか?
少し目を開けると長い間寝ていたからなのか、目に差し込む光がやけに眩しく感じる。
「…うん?」
やがて光に慣れ目の前の光景をしっかりと認識出来るようになる 。しかしそこにあったのは慣れ親しんだ我が家ではなく、青々とした草木が広がる草原であった。
「………?」
どうしたものか…目の前の情報を正しく認識できない。確かに私は自宅の布団で寝ていたはずだか…?
「ここは…もしや噂に聞く異世界というやつなのだろうか?」
自身の観測を口に出してみる、バカバカしいと思うが目の前に広がる光景はそれを否定する要素が今のところ見当たらない。ただの草原ならまずドッキリなどを疑うのが先だろうがそれはありえない。
「はは…でっか…。」
草原のはるか奥にいるであろう、しかしそれでもなおはっきりと目視出来るほどの巨大な赤毛のゴリラ。普通ならありえないその化け物の存在は嫌が応にもここが異世界であることを認識させる。
「まいったなぁ…ハァ…。」
男の冒険はこうして不安に駆られながら始まったのであった。