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【160万PV突破】オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする 【完結済み年間13位獲得作品】  作者: 山親爺大将
2章 氾濫編

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第83話 オッサン齢53歳にして突貫する 3

 交代で4時間づつ仮眠をとった。


 皮肉にもボスがいるおかげで、それより下の階層のモンスターが堰き止められている。

 その分、これが決壊すると下の階層のモンスターが一斉に地上に向かう事になるんだが…。


「ボス倒さないと、下に行けないんだよなぁ」


 俺は頭を抱える。


「とりあえず、村重さんの使役で戦力増やしましょ」

 千紗が俺に寄り添ってくれながら、そう声をかけてくれる。


「そうだな、そこから始めようか」

「どうせなら少しでも強いの選んであげたいですね」


「そんな事出来るの?」

「うーん、すごく曖昧ですけど、なんとなく強いのはわかります」


「じゃあ、それで強いの探してみようか?」

「はい!」



 しばらく探していると、反応が強い個体を千紗が見つけてくれる。


「あの群れの中にいますね」

「どれかは分からない?」

「うーん、そこまでは分からないです」

「じゃあ、あとは村重さんに任せるか」


「え!そんなこと言われても、私じゃどれ選んで良いか分からないですぅ」

 村重さんが半泣きになってる。

 そこまで、重大じゃないんだけどなぁ。


「いや、直感で良いから」

「でもぉ」


「村重さん復唱っす!」

「はい!」

 笹かまが急に村重さんに何か言い出した。


「村重イケてる!」

「村重イケてる!」


「村重最高!」

「村重最高!」


「村重やれば出来る子!」

「村重やれば出来る子!」


「よし!1匹選んで使役するっす!」

「はい!あの子!」


「…笹かま…お前、なんかもったか?」

「なんつー事言うんすか!ちょっと村重さんの性格利用しただけっすよ」


「じゃあ、あれが普通なのか、変な宗教に引っ掛からなければいいけどな」

「俺も同じ事考えたっす」


 村重さんの選んだ個体は他の個体より2回りほど小さい個体だった。

 こちらに使役される事になった為かトリケラトプス同士の戦いが始まる。


「お!まずい!俺たちも戦うぞ!」

 使役してないトリケラトプスを掃討して、ボスに向かう。


「ところで、このサイズってゲート通れるのか?」

 トリケラトプスを指さして聞く。


「もっと大きいの氾濫で外でてるじゃ無いっすか、余裕っすよ」

「それもそっか、ちなみに使役した奴らって、みーみたくそのまんまで外出るか?」


「そっすね、このまんま出るっすね」

「騒ぎにならないかな?」


「なるっすよ」

「他のテイマーとかはどうしてるんだ?」


「ダンジョンから出る時にリリースするか、ポツンと一軒家的な場所で暮らすかっすね」

「テイムされてるって言ってもダメなのか?」


「あー、完全に調教されて牙抜かれた虎が隣の部屋で飼われてます。

 絶対襲わないから大丈夫っすよ言われて、じゃあ大丈夫かってなる一般人がどれだけいるかっすね」

「大型犬でも逃げたら大騒ぎになるもんなぁ」

「実際モンスターは虎より強いし牙も抜くわけいかないっすしねぇ、ダンジョン連れて来る時も檻とかケージ入れて移動許可証発行してもらってるっすね」


「で、それが嫌な人は全部リリースしてしまうのか」

「そっすね、普通のテイマーは変な縛り無いんで現地調達が基本っすね。

 愛着湧きすぎたり、ネームドみたいな特殊なのテイムした人が人里離れた場所に住む事多いっす」


「村重さんにいきなり自給自足強要も出来ないしなぁ、全部リリースになるかなぁ」

「あ、北海道はもう1個選択肢あるっすよ」


「ん?なんかあるのか?」

「夕張が財政再建政策の1つとして、テイムモンスター特区を宣言したっす。

 探索者って稼ぎ良いんで、地元の経済活性と住民税狙いっすね」


「なるほど上手いこと考えたな」


「モンスターのエサ用に栽培や飼育して消費する、地産地消してるっす」

「モンスターッてエサ食うのか?見た事ないんだけど」


「あーなんかダンジョンから出て日数経つと食べるようになるらしいっすよ、ダンジョンの中では必要ないらしいっすけど」

「へーそうなんだ」


「ボスの所に沢山のモンスターいます!」

 千紗が慌てた声で俺に伝えてくれる。

「下から上がってきたか!」

「あえてスルーして漁夫の利取りに行くっすか?」

「そう思って行動して、うまく取れた事1度もないからな!

 ここは考え無しでごり押そうと思う」


「都合よく美味しい所だけ取れるとか、世の中そんなに甘くないっすもんね」

「俺が勇者や英雄だったら出来そうだけどな!残念ながら、その他大勢側だしな」

「そっすね、立派なモブ顔とモブ体型っすもんね」

「自覚してても傷つく事もあるんだぞ、まぁ良いや、とにかく向かおう!」


「うわぁ、なんかグロいっすね」

「モザイク処理して欲しいな」

 そこでは、トリケラトプスとレイクワームの戦いが繰り広げられていた。


 この騒ぎを聞きつけたのか、それがダンジョンのルールなのか分からないが、周りからトリケラトプスが集まりだしている。


 そのお互いが戦ってる姿がなんとも気持ち悪い。


「ワームって沢山集まると気持ち悪いですね」

「本当だな、なんとも言えない気持ち悪さあるな」

 千紗の言葉に同意する。


「うちのプス子もあそこに行かせるの抵抗あるなぁ」

「そうだよなぁ…ん?プス子?」

「はい、トリケラトプスだからプス子です」

「名前取るとこ、そこっすか!」


 笹かま!ナイスツッコミ!

お読み頂き、ありがとうございます。

この作品を『おもしろかった!』、『続きが気になる!』と少しでも思ってくださった方はブックマーク登録や↓の『☆☆☆☆☆』を『★★★★★』に評価して下さるとありがたいです。


誤字報告いつも助けられてます。


イイねも作者のモチベーション維持になっております。


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