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【160万PV突破】オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする 【完結済み年間13位獲得作品】  作者: 山親爺大将
2章 氾濫編

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第71話 オッサン齢53歳にしてクランを組む

皆さまの日々の評価、ブックマーク

ありがとうございます。


誤字報告ありがとうございます。

助かります。


いいねをいつもしてくださる方もありがとうございます。

日々の執筆のモチベーションになっております。


これからも応援よろしくお願いします。

 とりあえず、中田に中春別に向かうという連絡をする。

「良いか、俺はお前たちを助ける為に行くんじゃないぞ!周辺住民の迷惑を考えてだなぁ」

「分かってる!分かってるから、とにかく早く来てくれ!」

 本当に分かってるのかコイツ…。


「クエスト内容は中春別での氾濫兆候の調査及び、氾濫阻止。

 報酬は魔石のみで買取額を20%増しで買い取るっす。

 それ以外のドロップ品は通常価格、現地まで行く為の車のレンタルと現地での宿泊費は協会で負担するっす。

 今回の主な目的は調査なんで、氾濫が起きても剣崎さん達に責任の追求がいかない様になってるっす。

 報酬安い代わりに責任も少なめで」


「助かる」


「じゃあ、人員募集かけるんで、2日程待機っすね」


「頼む!俺たちもその仕事行かせてくれ!」

 いきなり3兄弟の1人がそんな事を言い出して来た。


「何言ってるんすか?3人とも現行犯逮捕っすから、何年かダンジョン奉仕っすよ」


「ダンジョン奉仕ってなんだ?」


「探索者って力やスキルあるから、刑務所で管理するの難しいじゃないっすか、それに能力あるのに何もさせないのも勿体無いんで、犯罪者用のダンジョン用意してそこで探索活動っす、ダンジョンの中だとバレないんで、割と人権無視っすね。

 昔の島流しで金山掘るようなもんっすよ」


「そんなのあるんだ」


「探索者の犯罪が重いのは一般人へ安心感与えるとか、抑止目的とかそういうのもあるっすけど、1番デカいのは国が協会の影響受けないで探索者をこき使えるてのが1番の理由っすね。

 なんで、中の状況バレないように死ぬまで出て来れないか、出る前に殺すか、国の犬に成り下がるかの3択っすね」

 3択に救いがないな。


「頼む!俺たちもやりたくてやった訳じゃないんだ!」


「恵庭のババァの差し金っすよね、分かってるっす。

 お前ら居なくなれば、ババァの使えるコマもだいぶ減るんでちょうど良いっす」


「ずっと思ってたんだが、恵庭の支部長がなんでそんなに権限あるんだ?

 いくら姪だとしても異常じゃないか?」


「あー会長って結婚してないし子供もいないから、唯一の身内なんすけど…。

 色々あって、会長って人格的にはちょっと壊れてるんすよ。

 で、唯一の身内の姪に異常に甘くて、なんていうんすかね、お母さん的な存在?」


「姪なのに?」


「あー、姪なんすけど会長より年上っす」


「なんか複雑な家庭そうだね」


「そっすね、複雑っす」


「権力があるのは分かったけど、どうしてこいつらは言いなりなんだ?」


「多分すけど、バラされたら終わる秘密を握られてるんじゃないっすか?」


「終わるって、そんなにひどい事してるのか?」


「道端で女の子にナイフつきつけたりする奴らっすよ、そりゃひどいと思うっす。

 俺が聞いた噂話だけでも、ハイエナ、殺人、盗品使用、奴隷化して死ぬまでこき使うとかあるっすよ」


「待て!待ってくれ!俺たちはそこまでしてないんだ!

 あの女に唆されて、盗品の成長薬は飲んだ!それは認める!

 だが、殺しは1回だけだ!それも俺たちは狙われたのを返り討ちにしただけなんだ!」


「じゃあ、なんでそんなに従順に従ってるんだ?」


「金だよ、あの女に莫大な借金をしてるんだ。

 俺たちはうだつの上がらない底辺探索者だった。

 金融会社に借金して、やっとかき集めた金でクラス買ったものの、全然生活していけるような稼ぎにならない。

 そんな時にあの女に話を持ちかけられた。

 言う事さえ聞けば、最高のクラスにつかせてやると、装備も揃えてやると。

 だから俺たちは盗品だろうと飲めと言われれば飲んだ。

 その、飲んだ品の代金も請求されたけどな。

 あの女が気に入らないから、探索の邪魔をしろと言われればした」


「千紗にはどういう風にしろって言われてたんだ?」


「ダンジョンに連れて行って徹底的に犯せって言われていた」


「よし、殺そう」


「待て!待ってくれ!俺たちもそれは流石にまずいと思って、盾スキル取れって話をしたんだ!

 盾スキル持てば他の場所で探索出来るだろうし、時間稼ぎくらいにはなるし」


「うーん辻褄は合ってるなぁ」


「俺たちが、まだお前たちを追いかけているって言ってる間は、あの女も無茶な事しない。

 だから、そのクエストに一緒に行けば、まだあの女の命令を聞いてるって誤魔化せるはずなんだ」


「でも、お前たちあわよくば、ババァの命令クリアして連れ戻そうって思ってるっすよね」


「…」


「図星っすね」


「そこそこ強いし、戦力になるならしたいって気もするんだよな。

 だいぶ心折れてそうだし、流石にこれ以上は反抗しないんじゃないか?」


「あー、そうだ!クラン組ませるっす!」


「クラン?」


「パーティ単位でまとまったでっかいパーティみたいなもんすね、剣崎さんをクランリーダーにして、下位パーティとしてコイツらクランに組み入れるっす。

 明確な上下関係作っておけば、ぶっちゃけダンジョンの中でなら何してもバレないっすよ。

 クラン内で起きた事まで干渉しないのが通例っす」


「いつも思うけど、笹かまって、そういう抜け穴みたいな事詳しいよな」


「だいたい俺が作ったすからね」

「ん?何か言ったか?」

 声が小さすぎて聞こえなかった。


「何でもないっす、独り言っす。

 じゃあ、コイツら氾濫の処理パーティに加えてクラン申請しとくっす。

 なんか問題あったら、ダンジョン内で行方不明になった事にするっすよ」

 なかなか怖い事言ってるが、戦力は多い方にこした事ないしな。

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