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【160万PV突破】オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする 【完結済み年間13位獲得作品】  作者: 山親爺大将
1章 デビュー編

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第25 話 オッサン齢53歳にしてワクワクする

ー翌日ー


「笹かまおはようって何やってるの?」


「おはようっす、いやぁ普通の水鉄砲より、シャワーみたくシャーって出た方が使いやすいかなって思って改良してるっす」


「そんな事出来るの?」


「探索者の時の元の職業が工作兵系だったんで割といじるの得意っすよ」


「笹かますげぇな!」


「いやぁそれほどでもぉ、あ、ところで何本持っていきます?」


「何本ってそんな数あるの?」


「めっちゃ余ってるからって、16本入り1箱丸ごと渡されたっす。

ついでに全部改良済みっすよ」


「そんなにあるんだ!せっかくだから全部持っていこうかな、色々実験するかもしれないし」


「なんかいい感じだったらよろしくっすよ」


「ああ、上手くいったら報告するよ」


こうして俺たちは10階まで降りてきた。


「さて、最初は少ないグループで相手したいな、千紗どう?気配ある?」


「んーあっちかな?」

千紗が気配察知で感じた方に向かっていく。


まだこの辺は草の丈が短く見晴らしが良い。


ここは奥に行くほど草が伸びてくるらしい。


「お!いたいた」

新聞紙と水鉄砲を準備する。


そしてゆっくりとジャイアントラットに近づいていく。


サイズとしては小型犬くらいのサイズだ。


モンスターとしては小さいが、これが群れで襲ってくるとなると充分迫力がある。


向こうが気づいた!


「ギィィギィィ!」

5匹のジャイアントラットが一斉に近づいてくる。


「撒いて撒いて!」

そう声をかけながら、新聞紙を撒いていく。


そしてそれに目掛けて水鉄砲からウォータードロップの水をかける。


狙い通り、ジャイアントラットが新聞紙に絡まって動けなくなった。


これを、盾で叩けばいいんだけど、ふと昨日のことを思いだす。


「ちょっとあれにファイアーブリッツ撃ってみて」


「はい、ファイアーブリッツ」

ボウッ!という音と共に勢いよくネズミが燃え出した。


自宅の時より反応が強く、かなりの高温と火力で一気に燃え上がった。


文字通り消し炭になって、鎮火した時には魔石だけになっていた。


ドロップ品であろう尻尾も一緒に燃えてしまったらしい。


「火力えぐいな」


「すごい燃えますね」


「楽だし安全なのは良いことだと思うけどね」


その後も何度か戦闘したが、10匹くらいはまだしも、15匹くらいだと新聞紙が間に合わなくなってくる。


捲く隙も減ってくるし、踏まない奴も出てくる。


「ハァハァハァ、救援呼ばれると大変だね、新聞紙とか言ってる場合じゃなくなる」


「フゥフゥフゥ、本当ですね」


「これ、いっそ水鉄砲でスライム液もかけてしまうか?」


「私もそれ思いました。

その方が良いかもしれないですね、ちょっとやってみましょう」


それから余っている水鉄砲にスライム液を入れて俺が持ち、千砂はウォータードロップの水鉄砲で、俺、千紗、の順でジャイアントラットにかけていく。


最初は手こずったが、ちょっと慣れれば思ったよりうまいことくっついていく。


新聞紙の時より最初は動けるので、それで動いて他の個体にぶつかり余計くっつく。


その塊を乗り越えてこようとして上に登ってくっつく奴もいて、巨大なネズミ玉みたくなっていく。

そしてある程度の数が固まったところで、ファイアーブリッツをぶつけて燃やしてしまう。


「これ、効率いいけど、スライム液の消費激しいな」


「もうなくなっちゃいましたね」


「スライム液の補充と笹かまの報告に1回戻ろうか?」

「はい、そうしましょう」

一旦地上に戻ることにした。


「ただいまぁ」


「どうっすか?」

笹かまに細かく状況を説明した。


「なるほど、新聞紙の方がスライム液少なくて済むけど、それ聞いてると直接かける方が良さそうっすね」


「そうなんだ、だから今から採集しようかと思って」


「なるほどっすねぇ、んーんー、まいっか、そのスライム液集めるの手伝うんで、次のジャイアントラット攻略ついて行っていいっすか?」


「え?ここの仕事は?」


「どうせまだ人来ないんで、準備中の札かけて鍵かけて放置するっす」


「え?いいのそれ?」


「一応悩んだんすけど、ま、いいかなって」


「あ、いいんだ」


「うぃっす、じゃぁパパッと集めて明日一緒でよろしくっす」


そういうと、スライム液の採集に笹かまがダンジョンに向かう。


俺たちも慌てて後ろを追いかける。


笹かまの実力は全く知らないが、なんかちょっと嬉しい。


年甲斐もなくワクワクしている。

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