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何を聞かれるのか分からず身構えている真実に真子は不敵な笑みを浮かべて話しだす。
「単刀直入に言うわね、まこと・・あなた・・いつからやり直してるの?」
真実は真子の問い掛けの意味を瞬時に理解する事が出来なかった。それはこの世界にいる人間から尋ねられることのない質問だからであり、完全に不意を突かれたものでもあった。
「えっ?・・・・ いつから?・・・・やり直してる?・・・・」
真子は真実の心を読み取り「ハーッ」と溜息を吐いた。
「突拍子な質問で理解できなかった?・・・・まこと、タイムリープしてきたのは何歳の時に何歳に戻ってきたの?」
その質問をされて真実はサーッと血の気が引いてしまい言葉を失ってしまった。
(しまった、真子に心を読まれてタイムリープがバレてしまった・・やってしまったー)
真実が考えていると真子が畳み掛ける。
「しまった、真子に心を読まれてタイムリープがバレてしまった・・やってしまったーか・・・・大丈夫よ、安心して、誰にも漏らさないから・・・・・・だって私もタイムリープしてきたんだから」
真子の言葉に真実は驚愕する。
「えっ? えーーーーっ! 真子? おまえもタイムリープしてきたのかー?」
驚愕で声が大きくなった真実に真子は慌てて人差し指を立てて口に当てた。
「まこと、声大きいって、誰かに聞かれたら大変な事になるんだからね」
真実は慌てて手で口を塞いだ。真子はフーッと溜息を吐いて改めて話し始める。
「私は44歳の時、車に乗ってて対向から車が突っ込んで来て死んだと思って目が覚めたら小学6年生の時の自分に戻ってたわ、まことはいつからなの?」
真実はまだ現状が理解できていないが真子の問い掛けに応えた。
「あっ、オレは45の時に自宅で頭が痛くなって倒れて気を失って気がついたら中学1年に戻ってた。前の世界でオレは死んでいるのかどうかはわからない」
真子は腕を組んで考え込みながら呟いた。
「向こうとこちらもちょうど私が1年先か・・・・それで、あなたは相手の心を読めたりしないの?」
「は? 読めるわけないだろ? それともタイムリープしたら読めるようになるのか?」
「うーん・・・・ どうかなー・・・・ 私はあなたと付き合ったくらいで兆しが出て、別れ話になったあとからハッキリとわかるようになったわよ」
真実は真子の話しを聞きながら腕を組みながら考え込んだ。
「小学6年でタイムリープしてきたって言ってたよな・・・・ 真子は小6のいつにタイムリープしてきたんだ?」
「私は小6の春だよ」
「1年ちょっとか・・・・オレは中1の秋だからまだ1年は経ってないな・・・・もしかするとオレも読めるようになるのか?」
真実は天井を見上げながら呟いていた。
真子はその呟きを聞いて返答した。
「どうかなー、私だけかもしれないし・・・・」
真実は真子の返答を聞いてフッと疑問がいくつか浮かんだのであった。




