[7]
真実は麻耶にフラれるイベントを回避して以降、中学1年での生活はあれよあれよと過ぎていく。特に変わった事もなく、真実は出来る限り、記憶に残っている限りではあるがタイムリープ前の生活に沿って過ごしていた。その中でも大変だったのが生徒会役員活動であった。真実の小学生、中学生時代は責任感が強く、なんでも前向きに取り組むポジティブな生徒だったので、周りからよく頼られていたことで学級委員や生徒会に推薦されていたのであった。社会人になってから人前で話したり、ヤル気を前面に押し出していく姿なんてものはほとんどなかったのでそんな学生時代の自分自身に頭の痛い思いをしていた。
(あーー・・・・面倒くさい・・オレよくこんなことやってたな・・、いつからネガティブで自信のない、失敗ばかりする自分になったんだろう・・・・、生徒会はやりたくないんだが、この後の事を考えると避けては通れない道なんだよな・・・・)真実はふーっと溜め息をついた。
真実が思っている通り生徒会は避けてはいけない道なのである。後に発生するイベントの布石なのだが、それはまだ後のお話である。
生徒会活動を除けば2度目の学生生活に真実は有意義に、そして楽しく過ごせていた。2度目に加えて起こる出来事はある程度記憶にある、更に授業も学び直しではあるが理解度が1度目と比べて雲泥の差で勉強が楽しくなってきたのであった。
そんな充実した学生生活も2年生となった春、始業式の日に真実はいつもと違って険しい顔をしながら学校に向かって歩いているのであった。
2年生の春は嫌なイベントが初っ端から待ち構えているのである。
(あれはホント辛い記憶だ・・・・立ち直るのにかなりの時間を有してしまったからな・・・・)真実は歩く足を止めて満開の桜の木を見上げながら思い返していた。