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次に合流できたのは智大と裕子だった。2人とも出来立てホヤホヤのカップル丸分かりで歩く姿がぎこちなかった。後ろから声を掛けると智大と裕子は振り返って例の2人を見て固まる。
「えっ? おまえら・・・・付き合ったの?」
(まぁ、そういう反応になるよなー)
真実は呆然としている智大と裕子を見てウンウンと頷いていた。
真子は本日2度目のテヘペロポーズである。
智大と裕子も一緒に行動する案に賛成して6人で残りのカップルを探して歩くのだった。
暫くして憲一と佳代を見つけたが、この2人の驚き具合は相当のものだった。憲一は智大が裕子に告白する事は知っていたので成功したのかくらいであったが、浩太に対しては驚愕で口を開けたまま固まっていた。佳代は憲一から何も聞かされてなかったようで2組のカップルを見て大声を上げてしまった。
「えーーーーっ! なに? いつの間に? 夏休みの間に何があったのー」
8人もの塊が通りに立ち止まって大盛り上がりをしていることで通行の邪魔になっている事に真実が気づき提案をした。
「ここじゃあ通行の邪魔になるから皆んなそれぞれで何か買って駐車場の方で食べながら話さないか?」
真実の提案に皆は周りの状況を見渡して賛成し、一旦各々カップル同士でその場を離れて買い出しを行うのであった。
真実と麻耶は屋台のたこ焼きを購入して出来上がりを待ちながら浩太と真子のカップルを振り返っていた。
「ねぇ、まこと? 真子ちゃんはどうして浩太くんと付き合ったのかなー」
麻耶の質問に真実は顎に指を当てながら答えた。
「うーん・・・・そうだなー・・・・浩太のことが好きとかじゃなくて、なんていうかなー、付き合ったら面白そうだなとか思ったんじゃないかな」
「面白そう?」
麻耶は首を傾げる。
「この前、オレの家で色々話し合っただろ? 真子はあの時楽しかったんじゃないかな、んで浩太以外の3組がカップルになって賑やかになっている所に入りたいと思った矢先に浩太からの告白で食いついたのかもな」
「なるほどねー」
麻耶はそう言いながら上を見上げる。そんな麻耶に真実はもう一つダメ押しの言葉を入れた。
「あと、浩太がイケメンであることかな」
麻耶は真実の話しを聞いてカフェ白鯨で裕子を夏祭りに誘った時の事を思い出して、確かにと納得したのであった。
「まぁ、これはオレの推測だから、実際は真子に聞いてみないといけないけどな」
真実は出来上がったたこ焼きを受け取りながら話し、麻耶の手を引いて櫓の立つ駐車場へと歩き出した。
駐車場の隅には既に買い出しを終えた6人が集まっていた。浩太が手を振って真実と麻耶に居場所を伝えていた。
「遅いぞー、おまえらー、また勝手にどっか暗い所に抜け駆けしたのかと思ったぞ」
ニヤニヤしながら話す浩太に真実は茶化されてると思いイラっとする。
「うるせーな、こうた、たこ焼き屋が混んでたんだよ」
真実が手に持っているたこ焼きを見て裕子は羨ましそうに口を開いた。
「あー、たこ焼きだー、私たちも買おうか悩んだんだけど、すごい列だったからあきらめたんだよー、麻耶ちゃんあとで1つちょうだい」
「結構並んだからね、裕子ちゃんあとでお裾分けするね」
麻耶はニコリとして応えた。
櫓からの音色が轟く中8人は和気藹々とお互いが買い揃えた食べものをシェアしながら楽しく話しをしていた。




