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薄暗い神楽殿の階段で智大と裕子は座りながら他の4人の戻りを待つが、一向に戻ってくる気配はない。暫く無言が続いていたが裕子が静かに口を開いた。

「川崎くん、さっきは止めてくれてありがとう。真子ちゃんにずっと引っ張られてここまできたけど、川崎くんの言う通り・・見たくなかったんだよね・・・・」

「うん・・・・古屋さんには申し訳ないんだが、オレ、まことから聞いたんだ、古屋さんがまことに告白したって話し・・・・」

智大は静かに落ち着いて話をすると、それを聞いた裕子は上を向いて少し恥ずかしそうな表情をしているが、どちらかというとにこやかであった。

「そっかー、聞いたかー、そうだよね、聞いてないとあんな止め方しないもんね・・・・」

智大は反対に下向き加減で口を開く。

「オレ、まことからその話しを聞いた時、ホントに悔しかった・・・・」

裕子は智大の言葉に驚きと疑問を感じて、上を向けていた顔を智大の方へ向けた。

「えっ? 悔しかった? なぜ?」

裕子は智大が悔しがる理由がまったく分からず智大を見たまま首を傾げた。

下を向いていた智大は少し間を置き、決心して顔を上げ身体ごと裕子の方へ向けて首を傾げる裕子の顔を見つめて言葉をはなった。

「オレ・・中1の時から古屋さんのことがずっと好きなんだ」

智大の言葉に裕子は「えっ?」と言って固まってしまった。そんな固まっている裕子に智大は話しを続けた。

「古屋さんがまことのこと好きなのは薄々気づいてたんだけど、どこか心の中でそんなわけないってフタをしてた。まことから告白されたって話しを聞いて愕然としたよ・・・・悔しかった、なんでおれじゃないんだーって・・・・まことは既に麻耶ちゃんと付き合ってたから、古屋さん告白したけど諦めてくれたって聞いた時、オレ、古屋さんのこと、すごく心配になった。傷ついてないか?落ち込んでないか? って・・・・」

裕子は智大の話しを聞いてまだ固まっており、口を開くこともできないでいた。智大はそんな裕子の右手にそっと自分の左手を乗せて話しを続けた。

「古屋さん、オレと付き合ってくれないか?オレは絶対に古屋さんのこと、傷つけたりなんかしない! 悲しませたりしない! 守ってみせる! 今はオレのこと好きじゃないかもしれないけど、それでもいい! オレは古屋裕子さんが大好きです! 付き合ってください!」

智大は力強く語って頭を下げた。

裕子は頭を下げる智大を見つめながら真子の言葉を思い出しながら考えていた。

ーーーーーー

そう、あれは野元くんに振られたことでショックを受けて落ち込んでいる時、真子ちゃんが私の家に来て、色々と励ましてくれて相談に乗ってくれてた時だ・・・・

真「裕子ちゃん、あなたは自分から『好きだー』って行くよりも、相手が『好きだー』って言って来てくれる人を待つ方がその後の付き合いが上手くいくと思うのよね」

裕「えっ? なんで? 自分の好きな人と付き合いたいよー」

真「うーん、そうなんだけどねー・・裕子ちゃんって控えめの様に見えて、相手の気持ちを理解せずに突っ走ってしまう所あるんじゃない? そうなると、もし付き合った時、相手が疲れちゃって別れやすくなってしまう可能性が高くなるから相手から来てもらう方が長続きすると思うのよ」

裕「たしかに、私、自分の考えを優先してしまって相手の気持ちを理解せずに突き進んでしまうところあるから直しなさいって、だいぶん前に麻耶ちゃんに言われた事がある」

真「そうなんだー、私はね、裕子ちゃんは追うよりも追われる立場の方が相手と上手く釣り合いそうな気がするのよ」

裕「私には選ぶ権利はないのかー・・・・」

真「選ぶのは大事だよ。相手が『好きだー』って言って来た時にはまず裕子ちゃんがその人のことを嫌じゃないか判断する。そして1番大事なのはココで、相手がどれだけ自分の事を好きなのかを見定めて判断する。この2つの判断をして選ぶこと。この人は口だけっぽくて大事にしてくれないだろうなーって感じたらNOだよ」

裕「なるほどー」

真「あとはそこそこイケメン以上を選びなさいよ」

裕「えーっ、そんなー、顔で選んでると私なんか付き合う相手はできないよー」

真「大丈夫、裕子ちゃんは明るく元気で可愛いから、絶対にイイ男が追いかけてきてくれるから、自信をもっていいよ」

ーーーーーー

(真子ちゃんはこうなる事が分かっててあんな話しをして来たのかな・・・・私は川崎くんのこと嫌じゃない。川崎くんの私への想い、ホントに私のこと好きって伝わってくる、私のこと大事にしてくれるんだろうなと思っちゃう。しかもそこそこを通り越してイケメンだし・・・・すべてが当てはまってる、私、川崎くんと付き合ってみたい)

裕子は決心して自分の右手にのせている智大の左手の上にそっと左手を被せて、頭を下げている智大に返答した。

「川崎くん、私も、川崎くんと付き合ってみたいです・・よろしくお願いします」

裕子の返答に智大はバッと顔を上げて笑顔で頷き、裕子の両手と智大の左手が重なっているその上に右手重ねて力強く応えた。

「古屋さん、ありがとう。オレ、絶対に大事にするから」

裕子は恥ずかしそうに頷いて智大にお願いをした。

「古屋さんじゃなくて、裕子って呼んで・・私も智大って呼びたいから」

2人は重ねた手をぎゅっと握りながら、お互い照れながら顔を見合っていた。


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