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時間は13時、メンバーも時間通りに集まり、いよいよ智大告白大作戦の作戦会議が開かれる。まずは発起人の智大、智大から反時計回りに擬音付きで紹介しておこう。作戦参謀の真子(ドドン!)、議長進行役の真実(キュピーン!)、敵情隠密の麻耶(シャキーン!)、そしておまけの浩太(パフパフ♪)。

「ん?みんななんか凄いカッコイイネーミング付いてるのに何故オレだけおまけでしかも間抜けそうな音なんだ?」

浩太は納得がいかず物申した。

真実は澄ました顔で浩太を見遣り静かに口を開いた。

「こうたよ、お前は秘密兵器なんだ!そう簡単にネーミングを公に出来ない立場なのだよ・・・・」(音はなぜその音かは知らん・・・・)

真実の秘密兵器という言葉に浩太は満足そうな顔をする。

「なるほどな、ならそれでいい」

智大と麻耶は頷きながら思っていた。浩太は本当におまけなのだと・・・・真実と真子も含めて4人は浩太の満足気な顔を見て思った言葉は同じであった。

「ちょろゴン・・・・」

真実は気を取り直して真子の顔を見て尋ねた。

「それで、真子? 今回の作戦はどうするつもりなんだ?」

真子は腕を組んで俯いたまま動かなかった。皆は真子が口を開くまでジッと真子を見つめていた。真子はゆっくりと顔を上げて智大に真剣な面持ちを向けて話し始めた。

「ともくん・・・・まず、聞きたい事があるんだけど・・・・いいかな?」

真子は智大にそういうと、皆は予想外の入り方に少し拍子抜けする。

智大は動揺しながら「ああ、いいぜ」と返答すると真子は尋ねる。

「祭りの時に告白したいって言ったけど、何故なの? 何故祭りの時じゃないとダメなの? その前に告白して一緒に祭りに行くって選択肢はないの?」

畳み掛ける質問に智大は真子の気迫に押されて狼狽えることしか出来ないでいた。真子の話しを聞いて真実は智大に真子の質問の意図を説明し始めた。

「ともー、オレもそこ疑問に思ってて・・・・ ハッキリ言って祭りの最中に告白するのはかなり難易度が高いと思うんだ・・・・なぜ難しいかいくつかあるから言ってくぞ。


1.人がごった返している中で告白はしにくい。

2.人けのない所への誘導は相手が必ず不審がって行かない。付き合ってるなら別だけど・・・・

3.仮に人が少な目の所を探して見つけたとしても告白に適した雰囲気になりにくい。

4.最後に知り合いと会うと恥ずかしくて告白どころではなくなる。


リスクしかない・・・・それだったら事前に告白して付き合えたら一緒に祭りに行くってやり方が無難なんだよ、そっちの方が雲行きが怪しくなったら誰かが古屋の後押しもできるからな」

真子はお菓子を口に頬張りながら真実の話しをうんうんと頷きながら聞いていた。

智大は話しを聞くうちにどんどん顔が暗くなり下を向いてしまうのだった。

いきなり空気が重くなり沈黙が続く。とにかく智大がどうしたいのかを聞かなくては先に進めないと他の4人は考えていたので智大が口を開くまで待つしかなかったのである。

暫く沈黙が続いたが、ようやく智大が下を向いたままだが口を開きだした。

「実はさー、オレの両親ってさ、この町の夏祭りで付き合ってそのまま結婚したんだよ・・・・ オレさ、オヤジからその話しを聞いてめっちゃカッコイイなって、小さい時から想ってて・・・・ 恥ずかしいんだけど・・・・ 憧れなんだ。小学生の時にその話し聞いて『オレも夏祭りでお嫁さん見つけるんだ』なんて言ってたこともあってさ・・・・」

真実は智大の話しを聞いて37年前の小学生2年の夏祭りで智大が発した言葉を記憶から引き揚げて思い出した。

(あの時はこいつ何寝惚けた戯言を言ってるんだ? 乙女かっ? って思った事があったな、あれはそういう事から来てたんだ)

「とも、思い出した、小学2年の時だな」

真実がそう言うと智大は静かに頷いた。

「古屋と結婚したいからとかまでは考えてないけどさ、オヤジみたいにカッコよく、ロマンチックに告白したいなと思って安易にそう言っただけだ・・・・難しいなら祭りの前でも大丈夫だよ・・・・。オレは何としてでも古屋さんと付き合いたいから・・・・」

智大は大丈夫だと言ったものの表情は暗いままで俯いている姿に、麻耶はなんとか祭りの最中に告白出来ないか考えながら深妙な面持ちで真子の様子を伺った。真子は呑気に飲み物をコクコクと飲んでいて、その姿を見て麻耶は(まこー・・呑気にお茶飲んでないでともくんのことなんとかしてあげてよー)と心の中でツッコミを入れた。すると真子がチラリと麻耶を見て一瞬ニヤっとしたことに麻耶はドキッとして驚いた。

そして真子は左手で落ち込む智大の右肩をポンポンと叩いて話し出した。

「ともくん、そういうロマンチックな話し、私は嫌いじゃないよ! ともくんが、そこまで憧れて夏祭りに告白したいって言うなら成功させてあげようじゃない!」

真子の言葉で部屋の雰囲気は暗い雰囲気から浄化されて皆の気力が一気に上がってきたのであった。智大も羨望の眼差しで真子を見ていた。

「真子様・・・・告白できそうか?」

智大は望みが叶うのかと真子を見て尋ねるが、真子は智大の望みの更に上をいく返答をする。

「ともくん、告白できそうか? じゃないよ! 告白して裕子ちゃんを自分のものにしちゃうんだよ!」

真子の返答に智大は何度も頷く。

「そうだ、告白する事がゴールじゃない、古屋さんと付き合うんだ、必ずや成功させる」

智大も気持ちを入れ替えてボルテージを上げていくのであった。

真子はそんな智大の姿を見てうんうんと頷いてから浩太の顔を見て言葉を発した。

「さて、祭りの最中に告白まで持っていくためには『おまけ』の働きが重要になるからね、『おまけ』期待してるわよ」

浩太は自分の置かれている状況がまったく読めておらず自分を指差して「おれ?」と真子に聞くことしかできなかった。


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