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真実は智大と麻耶に真子のことを信用してもらえて一安心したのだった。そしてふと時計を見ると時間は18時になろうとしているところであり真実は時間の経つのがあっという間で驚いて麻耶を見た。
「麻耶、もう18時だ、帰らないといけないな」
真実に言われて麻耶はスマホで時間を見て驚きの声をあげる。
「えっ? ほんとだ! もう帰らないといけない」
智大と真子も自分のスマホで時間を確認した。
真実はしばらく考えて3人に提案をした。
「今日はこれで解散にして明日改めて集まって話しをしないか?集合は昼過ぎの13時で場所は今日と同じでココでどうだ?」
真実の提案に3人は頷いた。
「よし、じゃあ、明日再度集まって作戦会議だ」
4人が同意したところで智大は考えに耽けていた。真実はそんな智大の姿を見て尋ねた。
「とも? どうした? なにかあったか?」
智大は暫く思い耽けた後口を開く。
「あのさー、こうたとけんも入れたいけどダメかな・・・・」
その言葉を聞き真実は腕を組んで考えた。
(うーん・・・・なかなか厳しいな・・・・また真子の話から始めないといけなくなるしな、憲一に関しては佳代もセットになるからそうなると益々真子がやりにくくなる)
真実が思い悩んでいると真子が口を開いた。
「ともくん、作戦会議に関してはこの4人だけでお願い。だけど実行するときは西園寺くんの協力が必要になるからそこは追い追い説明するわ。あと、豊川くんと佳代ちゃんは私の都合で申し訳ないけど外しておいて欲しいんだけど」
真子の話しを聞いて真実は(そうなるよなー)と思い智大を見ると智大も仕方ないという顔をしていたが残念そうではあった。
(うーん、やっぱり、今まで4人で仲良くして来たからな、智大の言わんことはわからないでもない・・・・、憲一と佳代はどうしようも出来ないが浩太はまだいけるんじゃないか?)
真実はそう考えて真子の方を見て説得を試みる。
「まこー、浩太なら呼んでいいんじゃないか?真子が考えてる作戦って真子が逃げ道を作るために浩太が必要って事だろう?」
真実がそう言うと智大は「逃げ道?」と言って首を傾げながら真子を見る。
真子はフッと鼻で笑ってニヤリとして口を開らく。
「さすがまことだね、考えてる事は一緒かもしれないね」
「じゃあ、参加してもらった方がいい、真子のことはオレから浩太に説明しておくよ。『真子と別れた原因は真子が麻耶にオレを譲るために敢えて身を引いて、しかも2人を取り持ってくれたんだって』両性愛者の事は言わない、これはここに居る4人だけの秘密だ。そしたら逃げ道にも使いやすくなるだろ?」
智大と麻耶は真実が何を言っているのかよく分からず聞いている事しか出来なかった。しかし真子に対しては十分過ぎる程の説得内容だった。
真子はフーッと大きく息を吐いて立ち上がった。
「いいわ、まことに任せる。んじゃ私と麻耶ちゃんは帰るからね、麻耶ちゃんは私が家まで送っていくわ」
そう言って真子は扉まで歩みを進めて立ち止まり麻耶が立ち上がるのを待った。
真実はそんな真子の姿を見て念を押すのだった。
「まこ、オレの彼女に手を出すんじゃねーぞ」
真子は真実の言葉を聞いてニヤリとして反撃に出る。
「ああ、大丈夫よ、麻耶ちゃんのファーストキスを奪うくらいで止めといてあげる」
真子がそう言うと真実は何も言わずにニヤリとして真子を見返す。
(真子よ、オレたちならファーストキスはもう済んでるぜ、オレのこの表情だけでおまえはわかるだろ?)
真子は真実の表情を見てすぐに麻耶の顔を見た。麻耶は恥ずかしそうな顔をして下を向いている。
「あなた達、まさか、もう・・・・」
真子の狼狽える姿を見て流石に智大も察したのか慌てた表情をして真実の顔を見て尋ねる。
「おまえら、もうキス、したのか?」
智大と真子の問いかけに麻耶は恥ずかしさが頂点にまで達してしまい、バッと立ち上がる。
「もう! そんな事どうでもいいでしょう! 真子ちゃん、早く帰りましょ、じゃあまた明日ね!」
麻耶は真子を引っ張って部屋をあとにするのであった。
「おう、まやー、気をつけて帰れよー、また明日なー」
真実は呑気に手を振って麻耶と真子を見送っていた。
一方、智大は真実に先を越されたのが悔しくて、下を向いてひとりブツブツと呟いていた。真実はそんな智大を慰めるように肩をポンポンと叩くのだった。




