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真子は優しい顔をして真実を見つめ、頭を下げている真実に言葉をかける。
「まこと、いいよ、気にしないで、私ね、あの時・・まことと交わした経験で吹っ切れたんだよ、相手の気持ちや考えてることが手に取るようにわかる力が強くなったのはまこととのあの経験があったからなんだよ」
真子が恥ずかしがりながら口にした経験という言葉に智大と麻耶が即座に食いついた
「経験? まこと! まさか! もう石本と?」
麻耶は怒り口調で涙目である
「まこと! 経験ってなによ! まさかもう真子ちゃんと済ませたっていうの?」
真実は下げていた頭をバッと上げて慌てふためく
「えっ? 経験? 違う! 2人共! 勘違いしてるって、おい!真子!経験なんて間際らしい事言うなよ!しかも恥ずかしそうな演技まで見せやがって」
真実の必死の弁明に智大と麻耶は声を揃える。
「「えっ? 演技?」」
そう言って2人は真子を見ると、真子は全力のテヘペロポーズを取っていた。
「あっ! バレた? ゴメン、冗談だよ」
2人は騙された悔しさと、まことがまだ経験してない事に安堵して大きな溜め息を吐くのだった。ちなみに智大と麻耶の安堵は少し似ているが別ものの安堵である事はこの場を借りて説明しておこう。
智(まことより先に童貞卒業してやるつもりなんだから、先を越されなくてよかった)
麻(まことの初めての人は私が・・・・あっ、私ったらなんて恥ずかしい事を、でも真子ちゃんと経験してなくてよかった)
真実は誤解が解けてホッとしてテヘペロポーズをしている真子に睨みをきらす。
「まこー、冗談でも言っていい事と悪い事があるだろう? やり過ぎだって」
「まことが私のすべてを出さないといけない状況にしたんだからこれくらいは言わせてよね」
「まぁ、たしかにそうなんだが、心臓に悪すぎるよこれは・・・・」
「ゴメンね、言い直すね、まあ、別れ話しをした時の会話で私が吹っ切れたってこと、まぁ、あんまし周りに広められると私、学校に行き辛くなっちゃうから、ここに居る3人だけの秘密にしてもらえると助かるかなー、また転校したくないからねー」
真子はそう言ってお気に入りの一口バウムを手に取って口に放り込みモグモグさせた。
真実は真子の話しを聞いて転校してきた理由が分かった。
(真子は前の学校では両性愛者というのがバレてしまって仲間外れになってしまったのか、しかも思っている事を口に出す性格だ、イジメられていた可能性もあるな・・・・それから人を信用出来なくなってたってことか・・・・タイムリープ前の真子の性格の悪さはここからきてたような気がする・・・・ということは真子はオレと付き合って性格が変わったということか?)真実は真子のお菓子を頬張る姿を見ながら考え耽けていた。
智大と麻耶は真子の話しを聞いて、そうとう闇の深い話が真子の中にあるんだと思った、そして真実がそれを知っているということに少し羨ましい気持ちと尊い気持ちを持つのだった。智大に関しては今まで見ていた真子とまったく違う姿にも驚きを隠せないでいた。
(これが真子の本当の姿、素の真子なんだな・・・・学校にいる時と6人で居た時とは全然違いすぎてビックリだな・・・・更にまだ奥があるのか、なかなか重いな)
智大は真子を見ながらしみじみと思い馳せていた。そんな真子はモグモグさせていたバウムを飲み込み冷たいお茶を一口流し込み気持ちを入れ替えた表情をした。
「それじゃあ、お二人さんには私のことを信用してもらうためにお話しさせてもらうねー」
智大と麻耶は意識を真子に全集中して真子が話し始めるのを待つのであった。




