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智大は真実と麻耶の心のこもった言葉を思い返していた。
(古屋さんが真実のことが好きだったなんてもうどうだっていい、今落ち込んでいるだろう古屋さんをオレが助けてあげたい。オレは古屋さんが大好きなんだから)
智大はそう決心し気持ちを入れ直した顔をして真実を見た。
「2人ともありがとう、オレ古屋さんが好きだ!すべてを受け止めて古屋さんと付き合いたい!まこと、墨田さん、オレに協力してくれないか?」
智大はバッと頭を下げた。
「とも、当たり前じゃないか、古屋と付き合えるよう全力で協力するぜ」
真実はグッと左手の親指を突き立てた。
「私も全面的に協力させて貰うわ。あと、私のこと名前で呼んで、私も川崎くんのことともくんって呼ぶからさ」
麻耶は少し照れくさそうに真実の後に続いて右手の親指を突き立てた。
2人の言葉に頭を下げながら噛み締めた。(まこと、麻耶ちゃん、2人とも最高の友達だ!そしてこの2人みたいに古屋さんと付き合って楽しく過ごしたい!)
智大は顔を上げて最高の友達である2人を見た。
「まこと、麻耶ちゃん、本当にありがとう」
3人の結束が固まった所で裕子攻略に向けての作戦会議を始めるのであった。
しかし、真実は協力をすると言ったものの不安な部分があったのである。それは隣にいる麻耶も同じ事を思っているのではないかと麻耶の顔を見ると麻耶は少し困った顔をして考え耽けていた。
真(今のオレたちが裕子にアレやコレや言っても響く可能性が低い、逆に意地になって言うこと聞いてくれないかもしれないな・・・・だれか裕子のことが分かっていて裕子にしっかりとモノを言える人物が居ないと進まないな・・・・)
麻(うーん、協力するって言っても私が裕子ちゃんからまことを奪ったみたいな感じになってるからなー、裕子ちゃんからは友達でいてと言われたけど、恋愛話しに関してはし難いし、したとしても素直に聞いてくれるかどうか・・・・誰か代わりに裕子ちゃんに話しが出来る人、裕子ちゃんの今の気持ちを察せれる人が居ないと・・・・)
2人は思案しながらお互いの顔を見合ったとき、2人同時にある人物の顔が思い浮かぶのであった。その瞬間2人同時に言葉を発していた。
「「あっ、いた!」」
その声に智大はビクッとして驚く。
「ビックリしたー、どうしたんだ?2人で声上げて」
智大そう言って尋ねると、真実は智大の顔を見る。
「とも、すまんが助っ人呼んでいいか?」
真実の言葉に麻耶はうんうんと頷いているが、智大はまったく理解できず首を傾げる。
「まあ、2人が必要ならいいけど・・・・誰呼ぶんだよ?」
「ん?それは来てのお楽しみってことで」
真実はそう言ってスマホを操作して呼び出し相手を探していた。麻耶はそのスマホ画面を見て麻耶自身も必要としていた人物と合致していたのでテンションが上がる。
「まこと!そうそう!それそれ!その子しかいない!」
真実はドヤ顔をしながら通話をオンにしてスマホを耳に当てる。
智大は1人テンションが付いて行けずに取り残された気分になり立ち上がる。
「ちょっとトイレ行ってくる」
真実と麻耶は歩き出す智大に『いってらっしゃい』と元気に手を振るが、対照的に智大は寂しくノソノソと部屋を出て行くのだった。




