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真実は今日の午前中に学校であった裕子とのやりとりすべて話しをした。裕子が真実に告白をした話しを聞いた時、智大は落雷が落ち、頭からつま先までの身体全体に痺れるような衝撃を受けて唖然とした表情で真実の顔を見ながら話しを聞いていた。
その後は麻耶が代わって話し出した。
裕子と麻耶が小学生から真実に想いを寄せていた事
麻耶が裕子の為に身を引いていた事
生徒会選挙後に裕子は真実に告白をする予定だった事
麻耶が裕子の為にその時真実と付き合っていた真子に別れを迫った事
真子が麻耶の本心に気付き真実の告白に背中を押してくれた事
裕子よりも先に麻耶が真実に告白をして付き合った事
裕子がその事を聞いて麻耶は詰め寄られて口を聞いてくれなくなった事
今日裕子が真実に告白したが麻耶と真実の間に入れないと諦めてLIMOを送ってきた事
そして今に至る事
麻耶は包み隠すことなくすべてを智大に説明していった。その本意は智大に裕子のことを諦めて貰おうという気持ちで言ったのではなく、このすべてを知って智大自身が受け止めて、裕子と向き合わないと付き合うことは出来ないと思ったからである。麻耶は智大の顔色を伺う。智大は麻耶の話しを聞きながら真実の間近に居るにも関わらず、自分の知らない所でそんな出来事、やり取りが行われていたことに衝撃を受けていた。
(クソっ!オレは真実の近くに居た、古屋のことも遠くからだけど見ていた。なのにそんな事を思ってて、そんなやり取りが行われてたなんて・・・・オレだけ好きで舞い上がってたのか・・・・なんか惨めになってきた・・・・聞かない方が良かったのかな)智大は暗い顔をしながら下を向くしかなかった。
麻耶は智大の姿を見て(ダメだったか・・・・話しを聞いてそれでも裕子ちゃんが好きだって思って欲しかったんだけどな・・・・)と思いながら少し寂しそうな顔をして真実を見て首を横にフルフルと振ったのだった。真実は麻耶のそんな姿を見た後、智大の見えない位置にある麻耶の手にそっと触れてニコリと笑顔を見せて智大の方へ顔を向けた。
そして下を向く智大の姿を見て真実が優しく、静かに語りかける。
「とも、黙っててゴメンな、まぁ、まさかともが古屋のことが好きだったなんて知らなかったから言う必要もないと思ってたのが正直な気持ちなんだけどな」
真実がそう言っても智大は何も答えず下を向いたままだったので話しを続けた。
「とも、オレはこれってともにとってはチャンスだと思うんだよ」
真実のその言葉に智大はゆっくりと顔を上げる。しかしその顔は『何を言ってるんだ、オレは惨めなだけじゃないか』と言わんばかりの暗く情けない表情であった。真実はそんな表情を見ても気にすることなく優しく話しを続ける。
「あのさ、もしかすると、オレと古屋が付き合ってた可能性があるんだぞ、麻耶が真子に別れてくれって言わなかったら、真子が麻耶の本心に気付かなかったら、麻耶が古屋の想いを優先してオレに告白してこなかったら、このどれかが欠けてたらオレは古屋から告白を受けて付き合っていたかもしれない。だけど今を見てくれよ、オレはまやと付き合ってる。古屋と付き合ってないんだ」
真実の優しい口調のなかで力強さが混ざっているその言葉は智大の心にしっかりと届いたのであった。智大は力無くではあるが口を開く。
「オレにチャンスがある?」
「そうだよ、チャンスあるんだって、オレが言うのもなんだけど、古屋は多分今は失意の中だと思う、だけどそれを智大がすべてわかった上で受け止めて包み込んでやればいいんだよ。麻耶はそうして欲しいと思ったからすべて話しをしたんだと思う・・・・ともならできるだろ?ってさ。ともならそれができるだろう?オレはどれだけお前の言葉と行動に救われてきたか分かってるから、それができると思ってるよ」
(タイムリープ前の智大には本当に助けられたからな、今度はオレが助ける番だぞ)
そう思いながら麻耶に触れていた右手にギュッと力を入れて麻耶の手を握りしめた。




