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真実のタイムリープ前の思い返しシーン、
墨田麻耶編その①です。
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麻耶とは同じ小学校だったが、それまで同じクラスになったことがなかった。小学生の時に休み時間、廊下で10人くらいの女子に囲まれていて危険な状態だった麻耶に声を掛けて守ったことはあったが、それ以外で話をした記憶はなかった。中学1年生で初めてクラスが同じになる麻耶は優等生でどの教科も成績トップで運動神経も良く、皆から一目置かれるタイプであった。しかし、どちらかというとクラスの女子グループに自ら入っていくことはなく、休み時間中はずっと机に座って本を読んでいることが多かった。
真実は麻耶が本を読んでいる姿に一目惚れをしたのであった。窓際の机に座る麻耶に窓から入ってくる風に長い髪が靡く姿がキラキラとして見えて、左手で本を抑えながら右手で長い髪を掻き分け右耳に掛ける姿を見て一瞬にして恋に落ちてしまったのであった。それからというもの真実は麻耶の行動を知らずうちに目で追うようになった。
また、麻耶を目で追っていると、麻耶と目が会うことが多くドキッとさせられることが度々あったのも好きになる感情が高まった要因の一つである。そんな中、麻耶の授業中での発言、体育の授業での走っている姿、どれをとっても麻耶に引き込まれてしまう真実の姿に友人達は気付いてしまったのであった。
ある日、浩太、智大、憲一の3人と真実の家で遊んでいる時のことで、口火を切ったのは浩太の一言だった。
「まことってさー、すみだのこと好きなんだろ?」
真実はビックリして目を丸くして浩太の顔を見て横目で智大と憲一の顔を見ると、2人ともうんうんと頷いているではないか。3人の話を聞くと真実が麻耶を見る目が明らかに他の女子を見る目と違っていること、やたらと麻耶を見ていることがバレバレなのであった。
そこからは3人の記者からの質問責めで1対3の記者会見が始まったのであった。
浩「いつから好きになったんですか」
智「どうして好きになったんですか」
憲「墨田さんのどこがいいんですか」
浩「付き合いたい気持ちはあるんですか」
智「墨田さんとの将来に向けて一言」
(こいつらからかってやがるな・・・・)真実はうんざりした顔で記者たちの質問に適当に答えていきながら麻耶を見ていたことがバレバレであったことに恥ずかしさと後悔を持ち合わせるのであった。そんな状況下で浩太が突然のぶっ込み発言をしてきたのである。
「まことさー・・・・好きなら告ればいいじゃね?」
うんざりした顔をしていた真実はビックリして目を丸くして浩太の顔を見て、横目で智大と憲一の顔を見ると、2人ともうんうんと頷いていた。
真実は(この2人さっきと同じリアクションしてやがる)と思って少しイラっとするのであった。そんな中でも浩太は間髪いれずに追い込んでくる。
「おれ、まことならイケると思うんだよなー、墨田もまことの事よく見てる時あるしなー、お似合いだと思うぜ」
智大と憲一も間髪いれずにうんうんと頷いている。(お前ら2人はそれしかできんのか、、、ん?俺の事見てる?だから目が合う事があったのか・・・・)と心の中で突っ込みを入れながら振り返る真実。
真実自身、告白には抵抗があった、そもそも気弱な性格なので、そんなシチュエーションになろうものなら相手に話をすることすらもできなくなるのではないかと不安でたまらなかった。もしダメだったら絶対に立ち直れない、学校に行きたくなくなる。という思いを3人に打ち明けるのであった。
浩太はどうしても真実と麻耶をくっつけたいのか頭をフル回転させて妙案を模索するのであった。その時、智大が雷鳴の如く妙案を打ち付けて来たのであった。
「面と向かって言えないんやったらラブレター書いたらええやん、んで最後にお返事待ってますって書いといたらとりあえずその場は離れることできるんじゃないか?」
その雷鳴を聞き、浩太と憲一は背筋にビリビリと電気を感じピーンと姿勢を正した。
「とも・・・・天才かっ」浩太はボソリと呟く。
真実も智大の言葉を聞き、(なるほどなー)と告白に抵抗があった背中をそっと押される気持ちになるのだった。そこからは早かった。4人でああでもない、こうでもないとラブレターの中身を作り上げていくのであった。




